寂然法門百首 71
2022.8.22
不染世間法
世の中の濁りになにかけがるべき御法(みのり)の水にすすぐ心は
半紙
【題出典】『法華経』16番歌題に同じ。
【題意】 不染世間法
世間の法に染まらざること
【歌の通釈】
世の中の濁りにどうして汚されるだろうか。御法の水に漱(そそ)がれた心は。【参考】
いさぎよき人の道にも入りぬればむつの塵にもけがれざりけり(発心和歌集・……不染世間法……・三九)
【考】
地湧菩薩のように、自らも世間に染まらず流されず、菩薩の道を歩もうと決意した歌。【参考】に挙げたように同題で詠まれた『発心和歌集』び一首があり、また俊成はこの場面を、「池水の底より出づる蓬葉のいかで濁りにしまずなりけん」(長秋詠藻・湧出品、従地面湧出・四一七)と詠んでいる。
(以上、『寂然法門百首全釈』山本章博著 による。)
★「寂然法門百首」の、71〜80までは、「述懐部」となっています。