寂然法門百首 49

2021.7.10

 


 


 

一句染神微劫不朽


露ばかり衣にかくる玉よりぞ三世まで照らす光そふなる

半紙


【題出典】『天台法華疏記義決』六・末


【題意】  一句をも神に染むれば、微劫に朽せず

(経文の)一句でも心の染めれば、永遠に朽ちない。


【歌の通釈】

ほんのわずか露のように衣の裏にかかる玉(わずかに染めた経文)から、過去・現在・未来の三世まで照らす光が発せられるのだ。

【考】

わずかな経文の文句をも心に染めれば、それは永遠に消えることはなし。そしてそれは悟りを求める菩提心となる。これを、小さな露のような玉が永遠の光を発する景により表現した。

(以上、『寂然法門百首全釈』山本章博著 による。)

 

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▼仏典だけではなく、聖書にしても、あるいは、文学作品にしても、その本の一節の「言葉」が、どれだけぼくたちを救ってくれることだろう。そのことを、しみじみと思います。

 


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