GARMIN
e-Trex Vista日本版

2 July 2002
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●GPSの爆発的普及のきっかけとなったe-Trex
GPSといえば、数年前までは、本来の目的である軍用以外には、航空機やヨット、それに長距離ラリーのような特殊な用途で使用されるツールでしかなかった。「ハンディGPS」と呼ばれる片手で持ててオペレーションも簡単なものも登場したが、まだ「ハンディ」と呼ぶには、重くかさ張り、電池の持ちも悪く、フィールドでの実用性はいまひとつで、衛星を捕捉するまでののんびりした動作も、せっかちな人には、それだけでGPSの実用性を否定させるようなものだった。 ところが、「トレッキングや登山では、GPSは使えない」という固定観念を打ち破るモデルが登場した。それが、GARMINの「e‐Trex」。本体の重さが150gあまり。単三乾電池2本で20時間以上も駆動。しかも衛星の捕捉に1分とかからない。片手にすっぽり収まるサイズで、首からぶら下げていても苦にならず、しかもラバーコーティングされていて雨でもへっちゃら。それが$200もしないのだから、たちどころにアメリカではフィールドでの必需品となった。
GPS(Global Positioning System)は、アメリカ国防省が開発した衛星による測地システムで、当初は民生用には誤差信号が含まれていて、精度が数十mから100m程度だったが、2000年5月以降誤差信号が解除となり、精度が数mの単位にまで向上。これが追い風となって、さらにハンディGPSの普及が加速した。 話がちょっと横道にそれるが、今GPSがいちばん注目され、活用されているのは、「ジオキャッシュ」というゲーム。これは、誰かが宝物を埋めたり隠したりして、ジオキャッシュのサイトにその場所の緯度経度と、手がかりを記し、サイトに繋いだユーザーはGPSを持って現場を訪ね、隠された宝物を探すというもの。 宝物といっても、個人が自分の好きな小物を隠したり、あるいは、自宅でのディナーを賞品としたり、提供されるのは、まさに「粗品」。だが、「宝探し」といえば一部のマニアを除いて、せいぜいがバーチャルなゲームの世界の中でしか楽しめなかったものが、リアルライフでそれが味わえるとあって、世界中にジオキャッシュの輪が広がっている。何より、GPSをアウトドアアクティビティの支援ツールとするのではなく、遊びの主役としたところが新しい。 そして、最近では、アドヴェンチャーレースなどでも、GPSポイントをチェックポイントに設定して、最初からGPSを必須のツールとして内容に組み込むものが多くなった。
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