道を歩いていたら、名前を呼ばれた。 どこからだろ、ときょろきょろしていると、前、と言われた。 見れば、高くくくられたツインテールが揺れている。隣に黒髪の。 「エリ!ケイ!」 手を振ると、走ってきたエリに抱きしめられた。 「マリアかわいい!すっごいかわいい!」 「ありがと〜エリもかわいいね」 にこにこと返すと、ぱって手を離された。びし、て人差し指を突きつけられる。 「か、勘違いしないでよ!別にあなたのために褒めたんじゃないんだから!」 「ヴェ、ご、ごめんなさい…?」 エリはたまにこうやって怒るから、よくわからない。 姉さん、とケイにいさめられて、エリはわ、悪かったわね、怒鳴ったりして、と言ってくれた。 並んだ二人が、まったく同じ格好をしている。 「…同じ格好。」 ガヴィもそう思ったらしい。小さい呟きに気づいたのか、エリがこっちを見た。 「そう。…魔法使いの正装だろ、ってパパが。」 家族みんなそろって同じ格好よ、と長いローブを見下ろす。 「母さんまで巻き込んで…。」 「ちょっと似合ってたけどね。」 笑う二人に、見てみたいな、とちょっと思った。 ちょっと遠いけど、行ってみようかな? 「あ、ねえ、二人の家ってどのへん?」 「あとそこくらいなんですよ、行ってないの。」 言われて、振り返る。 …ちょっと説明しづらいけど… どうする? 一緒に行って案内する 絵に描いて説明する |