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 私たちの生活や脳に小さな変化を起こすなら、採用すべきモットーは「すべてが大切」である。運動、食べ物、睡眠、結婚相手、仕事と、すべてが重要である。すべて脳に影響をあたえるからだ。神経科学という最先端の分野が、世の母親の言葉の正しさを示している──「野菜を食べなさい」、「お祈りをしなさい」、「テレビを見る前に宿題をすませなさい」。それにベンジャミン・フランクリンが推奨した早寝早起きも。昔の人は直観的に、正しい生活の知恵をもっていた。日常生活の細部に注目して、いい選択をすることが、精神的健康の秘訣なのだ。

 


 

ジョン・レイティ/キャサリン・ジョンソン(山下篤子訳)「シャドー・シンドローム」河出書房新社・1999年刊


 

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