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手本にできることが、こちらでできたら、手本ではない。こちらも、うれしくはない。はるかなもの、この身に果たし得ないものを置く。そばに置く。それが手本を持つ、よろこびだ。

 


 

荒川洋治「読むので思う」幻戯書房・2008年刊


 

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