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ぼくはマジメな顔をしてマジメな口調でマジメな話をする人が嫌いだ。それをマジメな顔で聞く人も嫌いだ。マジメなものは人を一方的に強制するだけだから、ぼくはマジメなものを信用していない。マジメであることは思想と無縁のことで、マジメであることに思想がいらないのは働くことに思想がいらないのと同じことだ。

 


 

保坂和志「アウトブリード」朝日出版社


 

 

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