24


 

瞬間を楽しむならば、後の長い悔恨をせねばならない。だが瞬間を楽しまなければ、生涯を通じて快楽がなく、それの過ぎ去った一生を、寂しく悔恨せねばならぬ。どっちにしても人生は、墓場まで憂鬱であり、悔恨を持ち越して行かねばならない。

 


 

萩原朔太郎「虚妄の正義」


 

 

home/index/back/next