寂然法門百首 33

2020.12.25

 


 


 

拾薪設食


おぼつかな嶺の薪を拾ふ間に苔の洞にや煙立つらん

半紙

【題出典】『法華経』32歌に同じ。

【題意】  拾薪設食

     薪を拾って、食事を準備した。

【歌の通釈】

  いったいどういうことか、山で薪を拾っている間に、苔の洞に煙が立つとは。

【考】
  
 前歌と同様に、仏が阿私仙に仕えていた時の場面。「薪」は冬の題として詠まれるもので、また洞の煙を詠むのも冬の歌題の「炭がま」を念頭においての表現である。これも仏の阿私仙のもとでの誠心誠意の行を、冬の情景として詠んだもの。

(以上、『寂然法門百首全釈』山本章博著 による。)

 

 


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