パリ ひとり旅

ほへとINDEX


こわいものナシ!な私ですが、
これまで、外国への一人旅だけは 心細くて、した事がありませんでした。
はるか海を渡って言葉の通じない国に行き、病気になったらナンとしょぉ〜。
想像しただけで泣けてきますもの。


でも、パリは、
轟 悠さまが こよなく愛する街 Parisは
いつかひとりで ゆっくり歩いてみたいと思っていたのです。

考えてみると、
ロンドンの街を ひとりで歩いていて、パリが歩けないって事ないワケで。
何度も行って、道は、良〜く知ってるの(ホントかな?)。
ロンドンからパリって、東京から宝塚に行くより近い感じで。

ならば、せっかくだから、この際、やってみようじゃないですか!

ということで、8月のある日、パリ行きを決めました。

当初、二泊の予定が、夫がアレコレと怖いハナシをするので、
まずは一泊お試しということで、
交通費・ホテル込みで3万円ちょっと。
街中の便利な三ツ星ホテル、
セーヌ河クルーズ券、地下鉄キップも二枚サービスと、
なかなか良いプランを見つけ、元気よく、キゲンよく旅たちました。


ユーロスター(新幹線みたいな高速電車)の発着するウオーター・ルー駅は
海外渡航になるために セキュリティ審査が厳しく、発車の45分前には入場しなくてはいけません。
私も ちゃ〜んと1時間以上前に 到着し、
のんびりと待合室で過ごすことにしました。



免税品店や 両替施設など なかなかの賑わいの中、
向こうから軽快なジャズの演奏が聞えてきました。



出発する方々を 通路に立ってお見送りする演奏でした。
いいな〜 私が発つときには お礼のご挨拶を言おう♪

と、思ったりしながら 
家族へのハガキ(遺書ってワケじゃないけど、そんな感じの文章に)を書き、
二等車は 食事が無いのを思い出して、
美味しそうなパンを熱心に探し、温めてもらって・・・

時計を見たら、10時16分。

え?

私、10時10分に乗るはずでしたが。

一瞬 血の気がひきかけた時、
ちょうどパリ行きのアナウンスがあり、通路に人が並び始めました。
なのに、あの演奏は始まらず、どうやらお見送りはして下さらないみたいです。

そういえば
よく、外国の電車時刻は勝手に変わる と聞くけれど、
ユーロスターのような電車まで、適当なのね〜。
と、黙々と歩いて列車に乗りこむと、
アナウンスも無く 電車が動きはじめました。

するとどうだろう(長崎しぐれ坂ふう)
私の席に、どなたかが ちゃっかりお座りに。

やっぱ 安いプランにだまされたのかしら。
ユーロスターは混んでいて なかなか取れないって聞いてたのに
すぐに取れて ヘンだと思ってたのよね〜

途方に暮れていると、女性の車掌さんが来て、いろいろ調べてくださいましたところ
適当なのは ユーロスターじゃなく この私。
ヘンだったのは 旅行会社じゃなく、この私でした。

10時10分発の電車に乗り遅れていたのでございます。


ほぼ泣きそうな私に、
心配せんでもよか、問題なかとよ。
と、その車掌さんが、ガラガラに空いている車両に連れて行って下さり
どこでも好きなところに座って良いって。
きゃ! ラッキー!!

感謝
感謝

ほっとして、さっき温めてもらったパンなど食べ、居眠りしている間に、パリ北駅に着きました。

まずは タクシーでホテルに行き、
地図をもらって いざ出発!

まずは、凱旋門にご挨拶しなくっちゃ。

地下鉄に乗って コンコルドで下り
シャンゼリゼ通りへ。



シャンゼリゼ通りのまん中から、凱旋門を撮りました。

そして、頂いたチケットを使うべく、セーヌ河ボート乗り場に向かいます。
アルマ橋が 乗り場なんですよ。
そう! ラヴィックとジョアンの出会いの橋。
以前、写真を撮った あの橋です。
http://www.venus.dti.ne.jp/~yoko3/paris.htm

ちょっと上り坂になっているサンジェルマン通りを フーケ手前で曲がり
ジョルジュサンク通りに出たところで
あら。何か めまいが・・・・
(写真の上にマウスを乗せてみてネ)


ビルが ゆがんで見えまする〜〜〜

こんなところで倒れても ラヴィックは来てくれないんだから、
お気を確かに!と 自らを励まして 
目をこらしてみると・・・・。



こんな巨大な”だまし絵”で ビルを造っちゃうなんて、ビックリですね。

ここで 若い男性に声をかけられました♪
 「このビルと一緒に写真を撮ってあげる」とか言って
カメラを取り上げる気に違いない。ふん!
だまされるもんですかい。ぷん!
「メルシー but ノン!」
って、英語まじりのフランス語(そんなんアリ?)で
お断り。


さて ほどなく
セーヌ河クルーズのボート(バトゥ ムッシュと言います)乗り場に着きました。

ほら、アルマ橋、エッフェル塔が見えます。
この右手が凱旋門に続く道です。



ボートといっても かなり大きく、
セーヌの橋の下を 頭がぶつかりそうになりながら進みます。



前方席には、アジア系の人達が 大はしゃぎで、交代で写真を撮り続け
景色が見えにくいし、落ち着きません。
かつては自分達家族もそうだったのかと思いながら
ちょっと恥ずかしく思ったり・・・。




セーヌ河畔では、ビーチパラソルの下、リゾート気分で過ごす人たちがいっぱいです。
日照が強いと かなりの暑さですが、日影では 涼しく、過ごしやすい気候です。



もうすぐアルマ橋。この下をくぐって 更に先に行き、戻ってくる。
約1時間のコースでした。

なにやら雲行きが・・・。
傘を ホテルに置いてきちゃって ちょと心配。

でも
とにかく お茶しなくては。
もちろん、フーケで^^。




ここのカプチーノは かなり美味しいんです。
ちゃ〜んと マドレーヌも添えてあって。



いつか TOMさまがパリ公演などして下さったら、
皆さまと ここでご一緒に カルヴァでサリュー!したいものですね。

WITH YU仲間の皆さまのお顔など思い浮かべながら
凱旋門に 再会を誓っておきました。

と、優雅なもの思いも つかのま
雨が 少し降ってきました。
とにかくホテルに帰らなくっちゃ。
と、ホテルでもらった地図を片手に 近道を探して歩き、
たしか このあたり・・・・
と思うのに、無い!
ホテル、消えました。



雨足は 次第に激しく、
あたりは暗〜く。
ちょっと走っては お店で雨宿りしながら 探しているうちに、容赦なくお店も閉まって行き、
ビショヌレ状態で、昼間下りた地下鉄を もう一度上がってみたり、行きつ戻りつ・・・。

だってさ、地図、ホテルのマダムが、「ここ」って言いながら
ハデに印をつけてくれちゃうから、見えないんですもん。
近くに居るのは分かるんだけど。

ようやく「オオサカ」というお寿司屋さんを発見し、
入ると、日本語は通じない方が経営してらっさいました。
とほほ。
おにぎりのように 白米がギッシリの上に サーモンが乗ったお寿司は
空腹といえども イマイチで、
悲しい表情になってたかもしれない。

「これ美味しいんだけど、
私、心配で胸がいっぱい。
ホテルへの道が消えまして 」

と、言えたとは思えないけど、
お店の主人に 必死で訴え、
ホテルのキー カードに書いてある番号に電話をして
場所を聞いてもらったのでした。
も、すぐそこ、だったんです。



この地図です。
黒マル+バッテンがホテルなのに、
103番から234番あたりを
三時間以上歩いちゃって。大雨の中。

まさにジョアンな心境で アタマ真っ白になりそうでしたわ。
何度も言うけど、ラヴィックは、キーンでお忙しいワケだしね。
コワイ人どころか、だ〜れも声をかけてくれないし。
ひとりで生きていくって辛い。


ホテルの部屋にころがり込んで
テレビの上に ぐっしょり濡れた地図を乾かし、
無事に帰れた感謝や
世界平和や
みんなの幸せや
何より 明日の無事を
心から祈って寝ました。




そして 翌日も朝から雨。
昨日 もう7日分くらい歩き回ったので、
今日は すぐ近くの ラファイエットとプランタンという二大デパートに
静かに立てこもる事に。

近いと言っても10分くらいは歩くので、
旅行バッグが濡れてしまわないように
ホテルで また地図をもらって、ひそかに細工をほどこしました。
今度は ちゃ〜んと役に立ちなさいよ!と言い聞かせつつ・・・。




ホテルの近くにあるパッサージュです。
ガラスの屋根が空をうつして♪
なかなかキレイでしょう?
昨晩 ここでも雨宿りしました。
地獄の王ちゃまが出てきて下さったら良かったんでしょうが。
歌も思い出さないくらい絶望的な夜でした。

(手前が、地図カバー付きのバッグです。)
さて!
ギャラリー ラファイエットは、パリで一番大きなデパートで、
中は ↓ こんな感じです。



まあるい天井のステンドグラスや、ドレープのように広がるバルコニー(?)
その光と色合いの美しさは さすがパリ!
エレガントな気分で(気分だけです。) 
夕方5時まで 飽きずに立てこもる事ができました。
買ったもの?
明日の食パンだけです。
しかも、
帰りは タクシーじゃなく、北駅まで、旅行会社のオマケでもらった地下鉄切符を使い、
 いろいろ公共の乗り物を乗り継いで、
無事にケンブリッジの我が家に帰り着いたのでございます。
けなげな私!
エライ! 
よく頑張った!
そう自分を誉めつつも、
なんか アホだわ 私 やっぱりねと しみじみ思うわけなのでした。

        (終)