Mac改造大作戦
8.私のMac近況報告!

 マイクロドライリップ導入ALPS MicroDryRip2.0J

 昨年暮れ、ラオックスMac館でプリントのデモを見てメチャクチャ惚れこんだあげく、年賀状用に新たに購入したALPS MD-5000P用のRIPがようやく発売された。アナウンスがあってからずいぶん発売が遅れたが、PostScript Level 3のAdbe純正ソフトウエアリップである。(デモをやっているアルプスの人に値段が高いと言ったら、Adobeのライセンス料が高くて儲け無しなんですってサ。ホント?)

 発売前から興味があったのでいろいろ調べていたが、最初のアナウンスではCIDフォント専用でOCFフォントには対応しない!と言っていたのが、やはり市場調査の結果なのだろう。ネットワークインストールのみだがOCFフォントも使えるように改良したようだ。(マニュアルにもわざわざ「ファイルの作成にはOCFフォントのみを使用することが望ましい。」なんて但し書きしてあります。アルプスさん、かなり真剣に調べたみたいです。)

 現在、DTP業界では未だOCFフォントが主流である。CIDフォントが優れているのは判るが、今の過渡期にリスクの少ない出力を考えると、OCFとCIDのプリンタフォント混在が不可能な中、OCFフォントオンリーで行く方が実績もあり安定している。制作側でも現状を理解してドキュメントをOCFフォントで作成するのが常識となっているのだ。

 今回マイクロドライリップを導入したが、プリンタフォントをどうするかずいぶん考えた。会社の環境はプリントサーバ付きのカラーレーザプリンタにOCFフォント、OSは7.6.1のまま、先日ようやくOS8.1の許可が出たばかりといった環境である。業務のワークフローを考えると当然なのだが、たぶんこのまましばらく行くだろう。

 しかし自宅のマシンでは幸いリスクを考える必要は無い。新しい技術を実験、検証する事を目的としている。Acrobat4.0では和文フォントの埋め込みがアナウンスされているし、モリサワでは埋め込み用にNew CIDフォントを発表している。(開発メチャクチャ遅れているようだが。)当然OSは最新の8.6を積んで実験台にしているのだから、今さらCIDは問題あり!も何もありゃしないのだ。せっかくのRIPも、プリンタフォント積まなきゃクリープのないコーヒー(私はブラックコーヒー党)じゃないが片手落ちである。

 そこで多少の問題は覚悟の上で、CIDプリンタフォントをプリンタに搭載してしまい、システム側をOCF ATMフォントのままで切り抜ける事にした。いずれモリサワからNew CID ATMフォントが届くだろうから、その時はフォント管理ユーティリティでOCFとNew CIDを切り替えながらAcrobat4.0にNew CIDフォントの埋め込み実験を行うための布石である。

 結局、MicroDryRip2.0JとCIDプリンタフォントでずいぶん大きな買い物になってしまったが、この決断はきっと近々役に立つと考えている。ここまでやっちゃったらもう後戻り出来ないし。ま、頑張って自分の知識、ノウハウを蓄積する材料としての先行投資!のつもり?ナノダ。 p(^^)q


Micro Dry Rip 2.0J レポート

 Micro Dry Rip 2.0Jはスタンドアロンとプリントサーバの2種類のセットアップが選択できる。

  現在の私の使用目的ではスタンドアロンなのだが、システムを積んでいる1GB HDがシステムとフォントでほとんどいっぱいである。ここにMicro Dry Rip 2.0Jを搭載するのが一番良いのだろうが、そうするとプリントスプールエリアが確保出来なくなってしまう。
 出来れば増設の4GB HDに搭載したいのだが、MDRをシステムHDとは別のHDに搭載してもかまわないのか、拡張フォーマットは問題無いのか、が説明書を見たかぎりではどこにも載っていないのだ。
(大枚はたいたプリンタフォントまでインストールするつもりなのだから、やはり慎重になりますワイ!)

 しかたなくアルプスのカスタマサポートに問い合わせると、システムHD以外、拡張フォーマットでも問題無いとの答えだが、以外や以外、何かとんでもない問題が発生しているらしい。「Apple 純正 HD 以外にインストールすると問題が発生するケースがあります。」と言うのだ。
 たまたま雑誌、Mac PowerにMicro Dry Rip 2.0Jのロードテスト記事が載っていて、原因不明でフォントのインストールが上手く行かない!と書いてあったが、まさにこれがこの問題のようだ。

 自分のマシンのApple 純正 HDは、現在システムをインストールしている1GB HDだけである。それも先日苦労して拡張フォーマットで初期化し直し、OS8.6に入れ替えたばかり、なのである。
 しかしこうなると方法は1つ。Micro Dry Rip 2.0Jを純正HDに搭載するために、システムを増設4GB HD に移動するしか手が無いようだ。
 新規システムインストールか、それとも手を抜いてシステム丸ごとコピーしちゃうか。ユーティリティのリンクはどうなるか、各種設定はどうなっちゃうか、考えだしたらきりが無い。

 結局一番安全で確実な方法を取る事にした。純正 HDから一度4GB HDにすべてをコピーしてから新規システムをインストール後、旧システムフォルダから地道に書類を新システムホルダへ移動。動作や設定の確認を取りながら進めたが、これだけで丸一日仕事である。新システムがきちんと動作する事を確認してから純正HDを物理フォーマット、あとは翌日に回して寝てしまった。(メチャクチャ疲れた!)


 翌朝、早めに目を覚ましたのでさっそく本題のMicro Dry Rip 2.0Jのインストール開始である。インストールは至って簡単、CD-ROMからインストーラを起動して物理フォーマットした純正 HD を選ぶだけである。それからプリンタドライバー(Adbe PS Printer 8.5.2-J)をシステムにインストール、続いてレジストリ・キーの登録(しっかりプロテクトかかってるんですよネ。)、プリントキューの作成、プリンタドライバからPPDファイルの選択で完了である。(アルプスのマニュアル、けっこう良く出来ています。感心、感心。)

 次にプリンタフォントのダウンロードであるが、OCFフォントはネットワークインストールになってしまうのでスタンドアロンで使うにはCIDフォントしかダウンロード出来ない。(ま、どうせCIDフォントにしたから良かったけど、OCFフォントにしちゃったらもう1台Macが必要だ、なんて後で大騒ぎする所でした。 (^_^; ハイ!)

 これもプリンタのマニュアルに詳しく書いてあるので、この通り行えば問題無くダウンロード出来る。肝心なのは1書体ダウンロードしたら付属のFontUpdate.psをキューフォルダにコピーして書体を認識させ、一度Micro Dry Rip 2.0Jを終了させる事。再起動後に次の書体をダウンロードしてFontUpdate.psをキューフォルダにコピーして書体を認識させてさらに終了、の繰り返し。一度終了させないとダウンロードしたフォントを認識しないので要注意だ。

 スタンドアロンの場合、各アプリケーションからプリンタドライバ経由でPSファイルをプリントキューフォルダへ書き出す方式になる。最初はとまどうが、慣れてしまえば操作はいたって簡単である。処理が済んだPSファイルを別フォルダに取っておけば、再度キューフォルダへ放り込む事で何度でもプリント出来るのでけっこう便利なのだ。

 けっこうRIPのスピードも早いし、何と言ってもPostScript Level 3なのだ。AI8のグラデーションメッシュだって、PS5.0のDCS2ファイルだって、PDFのダイレクト印刷だって、まだ一般に対応が追いついていない形式も難なく印刷出来ちゃうのだ。こりゃすごいぞ!

 さすがにプリンタフォントを積んだ文字は本当に綺麗にプリントされる。マイクロドライ方式のおかげで小さな文字でもにじみがない。普通紙で145lpi、専用紙で195lpiって、もしかしてパーソナルプリンタで商業印刷(通常175lpi)より高精細印刷が出来るって事?
 おまけにキャリブレーションやドットゲイン調整、オーバープリント・トラッピングのシュミレーション、線数や網点の角度まで変更出来る
(まだここまでやってませんョ。これからコレカラ!)のだからこりゃスゴイ!

 実験課題は盛りだくさん。さあ、これから色々試してみるぞ!楽しみ楽しみ、ウッシッシ〜 …… (^-^)


注  意
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