Mac OS 9 テストレポート

2.インストールフォントの数が512に増加はホント?

 OS 9 を発売日に手に入れて、別パーティションでのテスト運用でインストールはしたものの、しばらく膠着状態が続いていた。

 OS 9 についていろいろ調べてみると「フォントのインストールが128から512に増加した!」との情報を見つけ、インストール後1ヶ月遅れで本気でテストに臨む事を決心した次第である。
 以下はその時の状況をレポートした内容である。


 まずはフォント管理ユーティリティのSuitcase8Jで手当たり次第に登録フォントを開いて行くが、128フォントは優に越えるものの約180フォントを開いた時点で「上限に達したのでこれ以上フォントを開けません。」とアラートを出す。
「何だ、512には及びもしないじゃないか。」と不満に思い、仕事場のOS8.1で同じテストを試みたところ、何と200フォントをオープン出来るではないか!

 新しいOSが出たときはデマも飛び交うし、私の情報源もAppleからの正式な情報では無いため、普段お世話になっているDTPのBBSへ意見を求めたところさまざまな情報や考えを流してくれる方々が現れ、応援してくれるではないか。
 中でも「Suitcaseを通さずにダイレクトにシステムフォントフォルダへインストールしてみないと正確な所は解らないのではないか。」との意見や、「512フォントアクティブは本当だ!」と情報源のリンクを紹介してくれた方々には感謝申し上げる。

 これらのご意見に基づき、ついに1999年11月28日にシステムフォントフォルダへのフォントインストールテストを開始したがテストに丸1日かかってしまい、予定していた自分の年賀状作成に手をつけられなかったのにはマイッタ。


 手順であるが、初期起動フォントは以下の通りである。

・フォントフォルダへインストール=35フォント
・Suitcase8Jの初期起動フォント  =79フォント


・合計              114フォント

これに欧文フォントをSuitcase8Jからではなくシステムフォントフォルダへ直接インストールして再起動をかけ、アラートが出るかどうかを調べて行ったのだが、欧文フォントはフォント毎にスーツケースとアウトラインフォントを1つのフォルダに整理し、さらにアルファベット毎に仕訳してある。こうしておけば入稿データにフォントを添付するのに便利だし、アウトラインフォントの渡し忘れも防げる。さらにそのままSuitcase8Jで管理できるので究極の管理方法だと自負している方法だ。
しかしせっかく苦労して整理した状態を壊したくはないので、手間だが整理してあるフォントを一つずつコピーしながらシステムフォントフォルダへインストールしていったのである。

 最初にAグループ34フォントを追加して合計148フォントで再起動をかけてみたが、これはまったく問題無し。
 続いてBグループ48フォント追加で合計195フォント、Suitcase8Jでアクティブにするとこのあたりでアラートが出る数だがこれも問題無し。

 さらにCグループ49フォント、合計244、問題無し。続くDグループ12フォント、合計256フォントとなった時点で急にメニューバー・クロックの表示がおかしくなったので調べてみたところ、Suitcase8Jの初期起動フォントが全て非アクティブになってしまっている。メニューバー・クロックのフォントはSuitcase8Jで起動させている和文フォントを使っていたのでどうもこれが原因のようだ。さらにフォントフォルダの中身がモノクロ表示になってしまっている。まるで昔のOS、KT6時代にタイムスリップした雰囲気なのだ。
 デスクトップの再構築を行ったところ、表示は戻ったがSuitcase8Jでの起動セットのアクティブが戻らないので、どうやらSuitcase8Jではアクティブフォントの制限を255フォントとしているようである。ただしこの数字は従来OSの128フォントの2倍であるので、ユーティリティ側でアクティブフォントを倍に拡張していると考えられる。ということは、SuitcaseがOS9用にアップデートされれば512フォントを越えた数のフォントアクティブが可能になる事も考えられるのだ。事実同じフォント管理ユーティリティの「マスタージャグラー」では1024フォントのアクティブが可能であるとの情報が流れてきている。でも、こんなにフォント利用している人って存在するのかな?これをテスト出来るほどフォント数を持っていないし、出来たとしてもフォントメニューがメチャクチャ長くなっちゃって目的のフォントを探すだけでも大変だぞ!

256フォントの内Suitcase8J起動の79フォントが非アクティブになったので合計177フォントと減ってしまい、半分ヤケクソで残りのフォントをどんどんフォントフォルダへ追加、疲れて約300フォントになった時点で再起動したら何と爆弾!マークが出てしまった。機能拡張を全てオフにすると問題無く起動するので、起動時に最初に読み込まれる機能拡張が怪しいと踏んでSpeed Startupという起動時間短縮ユーティリティを外したら無事に起動するようになった。たぶんOS 9 より前のOSでのファインダの扱える数、347の制限に合わせて作成されている事が原因ではないかと考えられる。参考までに同じ機能のStartup Doublerは11月27日にOS 9 対応のアップデート版が公開されており、これを使用すれば問題は発生しない。
 次に407フォントになった所で再起動したが特に問題無し。ただし起動にメチャクチャ時間がかかるようになってしまった。これなら512フォントもまんざら嘘では無いらしいと、手持ちのフォント全てを追加して合計484フォントで再起動。512にはあと28不足だが、これで何でもなければ次はTTフォントを追加するしかないかなと考えながら再起動したところ、ようやく「アクティブフォントが多すぎます。システムの安全のためアクティブフォントをいくつかオフにしてください。」(たぶんこんなアラートだったと思うが、もう1度確認するのはゴメンです<(_ _)>)とアラートが出たので一安心。

 起動時間を計ったら、普段1分少しで起動するのが何と8分もかかるではないか。イヤァかかりすぎだ!たぶん484フォントより手前でアラートが出るのだと思うが、起動時間を考えるとここからさらにフォントを減らしながらアラートの消えるタイミングを調べる気にはなれないのでこれが限界と中止にしてしまったが、もしも調べる気のある方は是非挑戦してみてほしい。
 ただし、機能拡張やファインダ回りを占有するユーティリティ等の環境によっても数字が変わってくるはずなので、512フォントという数字がまんざら嘘では無い事が確認出来ればとりあえず私としては満足なのである。

 ただこれだけ起動時間を有するのであれば、従来通りSuitcase8Jで管理させて使う方が私としては使い勝手が良いように思う。むしろファインダの扱える数が347から8169となっているので、システムの安定面はかなり改善されたのではないだろうか。あとはSuitcaseがバージョンアップしてアクティブ数が256から512、さらに増える事に期待したい。(200以上もフォント開かないのであまり必要性は感じませんが。)

 下にOS9でのPSフォントの注意、他を載せましたので参考にしていただきたい。また、随時追加テストなどの結果を追記して行きたいと考えていますのでお見逃しなく。

PSフォント使用時の注意点

 OS9ではAdobeATMのバージョンを4.5.2にする必要がある。これはAdobeのHPでLight版とDelux版へのアップデータが公開されているのでOS9を使うときにはこちらを使用しよう。
 ただしこれはOS9専用としっかり注意書きがされている。OS 9 以外でこれを使った場合にどうなるかは不明だが、以前KT7.5でATM4.0を使ってフォントワークスの文字が踊ってしまった経験があるので、OSとATMのバージョンの相性には十分気を付ける必要があるだろう。

その他の注意点

 Suitcase8Jについては、私のテストでは「Suitcase8フォントメニュー」機能は使えないが「フォントのオン/オフ機能」と「Suitcase 8 XT」はきちんと機能している。ただしQuark3.3 PPC版とQuickTime4.0の相性が悪くQuark3.3 PPC がフリーズする問題があるので、Quark3.3 PPC の使用時には機能拡張マネージャでQuickTimeを外して使用する必要がある。
 QuickTimeを3.0にバージョンダウンすれば大丈夫かと思い入れ替えてテストしてみたが、どうもエラーが頻発して OS 9 で QT 3 は上手く働かなかった。おそらく OS 自体が QT 4 に依存する部分を多く含むのではないかと考える。ちなみに QT 4 をオフにするとアラート音が時々出なくなったり、アプリケーション切り替え時にメニューバーがチカチカと瞬く現象が確認出来ている。

2000/4/9追記

 現在、Suitcase8.2Jのアップデート版ではOS9へ完全対応となり、上記の「Suitcase8フォントメニュー」でのフリーズは解消された。
 また、アプリケーション側でのオープンフォント数も300(私のテストでは256のはず?)から1,024へと拡張されたようだ。

 アップデータが下記からダウンロード出来る。
 
ソフトウェア・トゥー製品購入者専用
 http://www.swtoo.com/product/extensis/application/stc/stc.html

 メディアヴィジョン
 
http://www.mvi.co.jp/

2000/10/9追記

 Suitcase8.2Jのオープンフォント数が拡張されていると聞いただけで、実際にどこまでオープン出来るかを試していなかった事に気が付き、さっそくテストを試みてみた。

 以前の256フォントスーツケースを遙かに越え、スーツケース数で670。実際のフォント数で、何と512の約3倍の1,490フォントをオープン出来たではないか。
(Suitcaseには使用中のフォントを一覧表示する機能があり、スーツケース数ではなく実際のオープンフォント数を数えた数字である。)

 という事は、以前にテストしたのはスーツケース数で484なので、実際のオープンフォント数は512を遙かに越えていた可能性が十分にある。システムが重たくなって当たり前だったのかも。(^。^;)

 今回は忘れずにちゃんとアラートのスクリーンショットを撮っておきました!


注  意
 当ホームページの掲載内容により発生した問題、事故などの利害関係に関しましては当方では一切責任を負いませんので、是非お気を確かに持った上でご覧下さいませ。 ( ^)o(^ )

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