サウンドレスノベルツクール

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作:アルディオス (PHILOSOPHICAL KINGDOM)

銀天盤   ○表紙


「遅いぞ!!Kっっ!!」

 オレは、相手を確認せずに振り向きざまにそう言った。

 ・・・そこにいたのはKではなかった。・・・うわ、メッチャはずー。途端に顔が赤くなってくるのがわかる。たぶん後ろからでも耳が真っ赤になっているのが分かるだろう。

 などと考えてる場合でもない。僕が唐突に大声を出して出鼻を挫いてしまったため、固まってる女の子が目の前にいる。

 「あ、いや、その、えと・・・コレ・・・?」

 僕は、あり得るはずの無かった希望と共に、握りつぶしてしまわずに持っていた手紙を制服のポケットから出して見せつつ、その子にそう聞いた。・・・よく考えると、かなりマヌケだ。意外な展開に少し混乱しているらしい。はたしてその子は、僕が出した手紙を見て少し慌てるような素振 りを見せ、それから顔が見えなくなるくらいうつむきつつも、コクリと頷いた。

 彼女の反応を見る限り、僕の中で描かれた都合のいいストーリーもあながち的外れではないような・・・? 自分の心拍音が耳につく。それでも僕は努めて冷静に振る舞おうとし、まず彼女を観察してみることにした。

 背は低い。160無い位だろうか?太っていると言うほどではないが、どちらかと言えば肉付きの良い方のようだ。いわゆる「綺麗」より「可愛い」の部類に入る。そう、それぐらいの水準ではある。髪は・・・、 髪型の呼び名なんて知らないや。ショートカットとセミロングの中間くらい、ってとこだけど・・・。今時 珍しく真っ黒な髪だ。その割にツヤが無いのは、髪が細いってことなんだろうか?あ、ここって日陰だった。 日なたで見たら茶色く見えるのかな?うつむいているし、地味な眼鏡と前 髪で今一つよく見えないが、顔は ちょっと幼い感じだ。

可愛いことは可愛い。最終的は判断は個人の嗜好によるところだろう。僕はそれほどはっきりとした選り好みはないし、まあこういう子は嫌いじゃない。こんな子が・・・顔見知りでもない僕に・・・ど、どんな用事 なんだろう・・・?

壱:(ももも、もしかしてもしかしたらもしかしたりもしちゃったりして・・・!)

 僕の中では、妄想が暴走して勝手にハッピーエンドへ向かっていた。

弐:(いやいや、待て待て待てよ。キューピッドかピエロの役と言うことも・・・)

 僕は、徹底的に自分の魅力と可能性を否定してみた。・・・なんか・・・悲しい・・・。

参:(こいつは・・・内気で眼鏡っ娘っつう一部が狂喜しそうなブッ飛んだ設定の、新手の刺客か!)

 僕の思考の方がブッ飛んでいると思うだろうが、僕は実は元(検閲)の工作員で(検閲)崩壊後(中略)というわけで追っ手から逃れるため全国各地を転々と(中略)今でも忘れられない12人の(大却下。)