放課後怪奇くらぶ
ホビージャパンゲーム開発室 編
ホビージャパン 1714円
「クトゥルフで学園モノを!」
一言でいってしまえば、このゲームはそういうTRPGである。
「クトゥルフの呼び声」というホラーTRPG、珠玉の名作がある。
しかしそれには、その根底に「クトゥルフ神話体系」という、一連のホラー作品によって構築された神話(のようなもの)が流れており、それがベースとなった世界観の中で遊ばれるゲームとなっている。
そのため、クトゥルフ神話に対する予備知識が必要なことはもとより、そのホラー作品の主な舞台となる、1920年代のアメリカについても予備知識が必要。
よって初心者には、敷居の高いものとなってしまっていた。
しかしこのゲームは現代日本の、しかも学校を舞台にしていることで、ゲームの背景世界を容易に理解できるものとした。
「クトゥルフの呼び声」の洗練されたゲームシステムを用いて、「学校の怪談」のような、身近なホラーを楽しむことができるようになっているのだ。
ゲームシステム的にも工夫が見られる。
「現代日本の学園モノ」という観点から、不必要と思われるものは省かれ、少々スリムになっているし、とにかく時間のかかっていたキャラクタージェネレーションを、必要十分と思える11種のアーキタイプを選ばせることによって省略している。もちろん普通に創ることもできる。
所持品などはルール的にあまりつっこむ事をやめ、常識的な範囲で柔軟に対応できるようにしているのも、実はその方が実用的だからだろう。
フローチャートを用いて順を追って理解できるようにしていたり、システム的な部分を巻末にまとめ、「なるべくてっとり早く遊べる」ようまとめられているのは好感が持てる。本の半分程度がシナリオや学校のサンプルなどに当てられているのも、そういった配慮からだろう。
もし恐い話が好きで、ゲームマスターをやってみたいと思っている人がいたら、このゲームを手にとってみる事をお薦めする。
心配する必要は何もない。
なにせ話のネタは、いくらでも転がっているのだから。
あとは百物語でもやるつもりで、静かに語り始めればよいだけだ。
きっと恐い、そして面白い怪談を、紡ぎだしていく事ができるだろう。
ウィッチクエスト
冒険企画局 著
宙出版 ???円
「魔女の宅急便」のような世界で遊ぶ、ほのぼのとした感じTRPGです。
この世界では、魔女の家系に生まれた女のコは、13歳になると立派な魔女になるための修業を始めます。
その魔女、またはパートナーである魔女猫に扮したプレイヤーは、ふたりでペアを組んで、人々のためになるお仕事をするのです。
魔女と魔女猫はいつもいっしょですので、初心者の方も、ベテランとパートナーを組むことで安心したプレイができますし、システムもアップルベーシックという簡単なモノを使っているので、すぐに遊び始められます。
本の作り自体も、リプレイで雰囲気をつかんでから、ルールを読むかたちになっているので、とてもわかりやすいものになっていますよ。
残念ながら本は絶版となってしまい、今ではほとんど手に入りませんが、ニフティーにシェアウェアとしてテキストがアップされているそうなので、どうぞダウンロードしてみてください。
きっと遊んでみたくなりますから。
ソードワールドRPG
グループSNE 著
富士見書房 640円
これを元にしたファミコンゲームもありますから、聞いたことある人もいるかもしれません。
ドラクエなんかで遊ばれる「ファンタジー」というジャンルのゲームです。
つまり剣と魔法の世界。
プレイヤーは戦士や魔法使いになり、財宝や名誉を求めて冒険を繰り広げます。
最近になって「完全版」と呼ばれるものが発売されましたが、「まだTRPGって、遊んだことない」って人には、文庫本で発売されている古い方をおすすめいたします。
古本屋にもけっこう出回っていますから、200円くらいで購入できますよ。
日本で「一番有名なTRPG」と言っても過言じゃないシロモノなんで、興味のある方は、ひとつ買っておいて損はないでしょう。