2，metropolis

　歌詞に対して、なんて人ごとのようなメロディー。いや、メロディーに対して突拍子のない歌詞なのか。ダンサブルな旋律に軽快なギター、その浮き立つ気持ちにグサリと杭を刺して地に縛りつけるかのようなベース。ベースとリズムを分け合っているような、yukihiro にしてはいやに音数の少ないドラム。露骨にエロティックな歌詞だというのに思いのほか色気のない歌い方。この、いくつもの相反する意図から生まれたのはベーシックなバラードとはひと味もふた味も違った切なさ。大きめに録った hyde のブレスが全体にじとじとした空気を漂わせている。マイフェイバリット。本曲はリミックス盤から先に聴くことをお勧めする。オリジナルの方がリミックスのようであり、リミックスの方がオリジナルのような印象という奇妙な一対なのだ。

−2000.08.31−