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　これはまた美しい。この旋律にして、この歌詞、このアレンジ。３体同時に生まれたんじゃなかろうかと思えるほどの妙なるバランス。しかしドーンと底暗い悲恋歌。ゆるゆる漂う旋律に hyde 十八番の象徴主義的な歌詞が重なり、鼓笛隊風ドラムと深い場所で律動するベース、うち震えるギターを従え流れていく。その流れにうっとり身をまかせているうちにアルバムいちの長さを誇る曲もあっという間に終奏にたどり着いてしまい、イントロからずっと一定のまま刻んでいた鼓動もついに尽き果てる。自然と吐息がついて出る。まるでモノクロ短編映画を観ていたよう。

2，HEAVEN'S DRIVE

　「forbidden lover」の余韻に未練を抱いたまま、何かに衝かれたような暴れん坊ベースにおとなしく薙ぎ倒されるよりほかない勢い。腹に響く地鳴りのような低音が放つ強烈なねばり気。うねるわ、ねばるわ、ベースが絶唱しとる。張り合うドラム、かっ飛ばすギター、歌伴に負けじと張り上げるボーカル。互いに競うように走る４人をホーンとコーラスがさらに煽り立てている。しかしそれでも tetsu ひとり勝ちの恰好よさ。ゾクゾクする。tetsu ベースに始まり tetsu ベースで終わる曲である。

　「forbidden lover」のような繊細な美曲と「HEAVEN'S DRIVE」のようなごついロック調とがあっさり同居する。メンバー４人ともが作曲できる強みである。「ark」と「ray」は２枚同時発売された。合計22曲中、ken 作曲が７曲、tetsu ７曲、hyde４曲、yukihiro４曲、このうち18曲が hyde 作詞。

−2000.08.31−

｛ストリングス｝