79年式 HONDA XL500S

左上からXL500Sの全身像。車重131kg。250より13kg重い。ほとんどエンジン重量の差である。パワーは250の20馬力に対し、31馬力。トルクは250の2.0に対しほぼ倍の3.8kg。タンク上部の黒い部分が250のタンクより盛り上がっている部分。
マフラーが巨大である。
右上・・・エンジン右側。驚くことにクランクケースの大きさは250と同じ。それに対して、シリンダー高がほぼ2倍あるため、シリンダーヘッドがタンクに食い込んでしまった。そのため、タンクの下半分はぺらぺらでほとんどガソリンが入らない。それをカバーするため上と横に盛り上がっているのだ。結果、容量は250の8.5リッターに対し10リッター確保している。250とそっくりだが、エンジンに共用できる部品はほとんどない。エキパイも当然長くなる。
2段目左・・・エンジン左側。シリンダーの巨大さがわかる。みてのとおり、アルミが腐食してぼろぼろだ。右側なんて、腐食の上から刷毛で耐熱塗料が塗ってあるもんなあ。
2段目右・・・車体で250と最も違う部分。250は右半分しかない片ハブだが、500は制動力確保のためフルサイズのドラムブレーキだ。前輪ブレーキも径がでかいような気がする。スプロケットも巨大な250と比較すると異様に小さい。おそろしくハイギアードだ。
3段目左・・・この角度がかっこいい。手前は最近買った走行2700kmの88年式GSXR−1100。奥が、本日の出来事で紹介した、屋根が風化したビニール車庫。
3段目右・・・この左右のふくらみは250にはない。これと、上へのふくらみで10リッター確保している。250には無改造で載る。250ののぺっとしたタンクは好きじゃない。弟は、ノーマルこそ美しいのだ!と主張してやまないのだが。
左下・・・手前が改造したXL250S。タンク(FRP)、フェンダー、マフラー(スーパートラップ3インチ)リアサス(マルゾッキ)を交換。最大の改造はフロント21インチホイールである。

何年前か忘れましたが、雑誌の売買欄に(今のようにインターネットオークションがなかったころ)「500Sのフロント周りの部品買います」という投稿をしました。
その前に買ったXL500Sが、レースのためにフロント周りを改造してあったため(XLR250Rのフロントが移植してあった。当然ディスクである)、フロント周りが欲しかったのです。
ある日電話が鳴り、XR500のピストンを買って欲しいという人と話をしていたら、「実は1台あるんですが・・・」という話になったのです。
奈良の人なんですが、横浜の友人宅にずっと放ってあるとのこと。もう、速攻で買いです。
ただ値段をはっきり言わない人で、こっちから、程度しだいでみあった値段で買うという話にしました。
車検がすぐ取れるなら20万円、レストアしなければいけないのなら10万円という具合です。
で、約束当日。
夜10時という時間に、豊田市体育館前で取引という、とっても怪しいシチュエーション。
暗くてよくわからないんだけど、どうみても要レストア。ウインカーはもげてるし、クランクケースは腐食でぼろぼろ。(上の写真のまんまです。)マフラーは穴があきそうだし。
ただ、その場でエンジンがかかったため、ほかはすべて目をつぶりました。なにせ、欲しかったバイクですから。
でも書類がない。後で送るというのですが、あやしい。
そして、値段の交渉。
15万円という私にはっきりしない返事。まあ、奈良から横浜まで往復したんだからと、あと5万円乗せて、20万円にしたのですが・・・。
まだ不満の様子。どうやら30万円欲しいらしいのですがはっきりしません。
30万円出せばもっと程度のいいのがあります。
結局20万円プラスアルファで妥協しました。確かに希少車ですし、走行10000kmでしたし。
書類は後から送られて来ましたので、結局何の問題もありませんでした。
ただ、やっぱり高かったなあというのが結論です。
その後もっとお安くていいのが何台かでてきましたしねー。
ただ、縁があって私のものになったのですから、大事にしていきたいと思います。
さて、レポートですが、買ってからすでに数年経過していますが、いまだに乗ったことがありません。
よって、何も書くことがありません。
今年こそレストア、登録をして北海道へ行きたいと思っています。
暇が欲しい!


79年式 HONDA XL500S
エンジン形式 PD01(XL250SはなぜかL250Sという形式だ。その他のXLR系はすべてMDxx)
ボアストローク 89.0x80mm 497cc 31馬力/6500rpm 3.8kgm/5000rpm(250Sは74.0X57.8mmという超ショートストローク)
フレームはほぼ250と同じで、タイヤサイズも同じため、倍のトルクを受け止めきれない。ただその分楽しい(はず)。
250Sと違う部分は以下のとおり

エンジン ボア、ストロークともに1.5倍近いためすべて専用設計。カム周りも250と違い、オイルラインがしっかりしているので焼きつく心配はない。
6Vという、ちょうちん電装のみ共通なのが悲しい。さすがに500のピストンはでかいが、サイド部分がないレーシングタイプのため重くない。
回転上昇が鈍いため加速感は250と変わらないが上が伸びる。トルクで引っ張るタイプではなく回転で稼ぐタイプのようだ。
当然だがキックが重い。かかりがいいのが救い。
キャブレター 250は28mm、500は32mmと一回りでかい。ただ不思議なことにメインジェットが105番と250Sの122番よりかなり小さい。パワーを抑えて
フレームのよれに対処しているらしい。
エアクリーナー 250ccの倍はある。おかげで横を通るマフラーは薄く長い。
マフラー シリンダーが太いのでエキパイが外に大きく逃げている。マフラーはでかくて重い。すぐに錆びて穴が開くが部品としてはもうでないので困ってる。
ハンドルバーエンド 250S同様の2軸バランサーでも振動を吸収できず、バーエンドにエンドに振動防止用のウェイトが付いている。
リアブレーキ 250の片ハブに対してフルワイズ。ただ、効きそうもない。
減速比 当然のことだが、最高速が160km近く出る。250は110kmがやっと。
エンジンマウント エンジンの背が高いため、上側ブラケットが極端に短い。その他は一緒。
タンク 250の8.5リッターに対し10リッター。

 戻る