84’HONDA VT250FE

この写真のVTは本来張ってあったフロントとテールのラインをはがしてダンロップのステッカーを貼ってあります。典型的なステッカーチューンですが、これだけでずいぶん印象が変わりました。たぶん私が乗ったバイクの中では一番かっこよかったのではないでしょうか。
ミラーは初期型VT250インテグラのハンドルマウントに変えてあります。(オリジナルはカウルマウントで後ろが見えない)今見ると、かなり戦闘的なスタイルだったんだなー、と思いますねー。


2番目の写真は諏訪湖SAで撮った写真ですが、初期型VT250Fインテグラ、2台のVT250FE、CBR400Fという、当時のHONDA最新鋭機でのツーリングになりました。
この連中とは1年に1回集まってツーリングに行くだけと言うおつきあいで、集まったとき、たいてい新車発表会になるわけですが、このとき久しぶりに集まったらみんなVTに乗っていて大笑いしました。
この後から私が懐古趣味に走り始めたため、これが最新型を連ねた最後のツーリングとなりました。









VT250にはフルカウルバージョンであるインテグラも存在しました。
ただ、このインテグラ、フルカウルになっただけじゃない。
なんと、売り物だったインボードディスクを廃し、CBR400とおなじ2ポッドのダブルディスクに変更されたのです。結局これを機会に、ホンダからインボードディスクは消えました。
やっぱり整備性が問題だったのかなあ。
この写真がインテグラの最終型です。
持ち主は右の男。
VTを初期型、初期型インテグラ、2型インテグラと3台も乗り継いだおばかさんです。ギターの達人で、ペンションにあったフォークギターでカラオケやってたら、いつの間にか観客が集まってきて、アリスやら、さだまさし、松山千春のコンサートになってしまいました。1本80万円もするモーリスのフォークギターを2本も持っているし、ピアノも弾ける音楽屋でもあります。





84年。気に入っていたGSX400Eにもさすがに飽き始め、浮気の虫がぐずりだした頃、VT250Fがフルモデルチェンジしました。
上の写真にある初期型VTを友人が持っていたのですが、16インチの前輪と18インチの後輪が生み出す、あまりにもクィックな操縦性と、腰高のポジション、とらえどころのないパワーフィーリングが気に入らず、買い換えの対象にはなってなかったのです。
ところが販売店にある新型VTにまたがったとたん、もうめろめろ。
腰から下がまるでバイクの一部のようにばっちり収まるではありませんか。
私の場合、これでもうきまりです。
「で、GSX400E、いくらでとってくれる?車検とったばかりだし、タイヤも前後新品。」と言ったとたん、相手の顔が曇りました。
「どうして車検とっちゃったのー。4万円でしかとれないよ。」
タイヤ代含めて15万円(当時は自賠責が7万円近くした。タイヤは当時最新鋭だったTT100をおごった)もかかってるのにー。
で、別の店、しかも全く初めての店へ行くと、そこの整備士が個人的に10万円で買ってくれると言うことでそこに決めました。
で、一週間後手に入れたVTを、慣らしに連れていき約600km走ったところで、右折してきたクラウンと正面衝突。
救急車に乗り病院へかつぎ込まれたのに「バイクは、バイクはどうなりました」と言い続ける野郎に医者があきれてました。
結局新車だから買いなおしてくれとだだをこねる私の意見は通らず、修理という形に。(実は相手も新車。しかもドアが開かなくなるぐらい被害が大きかったんですけど。会社の社長さんだったため100%持ってくれました)
このとき初めて知ったのが、カウリング付きバイクの修理費の高さ。タンクの交換を含め約30万。
自爆じゃなくてよかったとつくづく思いましたとさ。
しかし、このおかげでスペアパーツがいっぱいでき、部品に困ることはなくなりました。
それから3年間。このあきっぽい私が、非常に気に入り全国約2万kmも乗るとはそのときは思いもしませんでした。
しかも手放したのはあきたからじゃなくて、CX400Eがどうしてもほしかったから、泣く泣くだったのです。


VT250Fの生い立ち

1982年6月、2ストロークのバイクを再びよみがえらせたヤマハRZ250の対抗馬として、初期型VT250Fは誕生しました。
それまで30馬力前後しかなかった250ccの馬力を、一気にRZと同じ35馬力まで高め、それまで認められなかったFカウルを装備し(あの1100カタナさえ最初はスクリーン無しだった。VTも最初はメーターバイザーと呼んでいた)、数々の新技術を惜しげもなく投入し、4スト250に目を向けさせることに成功したのです。
さてさて、その技術とは


FEと初期型との違い

FEは一見マイナーチェンジっぽいのですが、エンジンを始め、共通部品はほとんどありません。
さてまずエンジンから。

次は車体周り。


ツーリングインプレッション

いやー、このバイクは評判がよく、よく人に貸しました。
弟が青森まで行ったのをはじめとして、一日400kmぐらいのツーリングをよくしましたねー。
2人乗りでも1人乗りと全く変わらない乗り味をもつ、国産車じゃ珍しいタイプのバイクでした。
低速トルクが分厚く、どんな400ccよりも2人乗り向き。当然荷物満載もお手の物。
GSXR1100に乗っている弟が、今までで一番好きなバイクだと言っておりました。
3年間という、今まで乗ったバイクの中で一番長い時間を一緒に過ごし、一番長い距離を走ったVT250F。
ツーリングよりも、峠を攻めに行っている時間の方が多かったと言うのが、このバイクの性格をよくあらわしています。
とにかく故障がなく、お金がかからず、それ故、ツーリングの(笑える)思い出がありません。
何にも事件がない!こんなバイクほかにないぞっ。
ですから一番の想い出は、手放したことかなあ。
ある日、愛知県最高峰の茶臼山を攻めに行ったときの事。
前を走っていた二人乗りのバイクに心ひかれました。
ホンダCX400Eユーロ。
もう、一目惚れ。
翌日からCX400E探しに明け暮れました。
そしてやっと見つけ、VTを20万円で下取りに出したのですが(詳しい話はCX400Eのページを見てください)お別れの前、VT250Fは、ばらばらに分解され、それこそネジ1本まできれいに磨き上げました。
ここまでしたのは、後にも先にもこのバイクだけ。
店頭にでたとたんすぐ買い手がついたとか。ちょっとだけうれしかったのを覚えてます。
VT250FEは、そういうバイクです。
きれいなのを見つけたら、また買っちまうだろーなー。北海道走るのにぴったしかも。


最後に欠点を(あら探しとしかいいようがないけど)


84年式VT250FE(MC08)
40馬力/12500回転 2.3kgm/11000回転
乾燥重量 152kg
タンク容量 14リッター
タイヤサイズ 前輪 100/90−16 後輪 110/90−17
発表直後、定価44万9千円で新車購入

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