81’HONDA XL250S


いわずと知れた八ヶ岳の裾野にある「国有鉄道最高地点」今はJR最高地点というべきか。
このころはこの標識以外何もなかった。今は・・・、行ってみてください。変わったよなあ。





1981年、長野県の上高地に向かうR158の奈川渡ダムにて、富士山五合目で知り合った北海道の郵便職員、足の臭い伊藤博文さん(本名、免許証で確認・・笑)と。すでにこの頃旧車になりつつあったCB750K1に初めて乗せてもらった。(どうして足が臭いのを知っているかというと、いっしょのテントで寝たんだよお。女の子だったらどんなによかったか。)


1979年、私が20歳の頃、オフロードバイク市場にちょっとした異変が起こりました。
ホンダがXL250Sを発売したのです。
当時私は4ストに全く興味がなく、(なぜなら当時の4スト250CCに低速トルクがなかったせいです)DT、TSを数台乗り継いで林道を走り回っていました。
最後の2スト250CCは確かスズキのTS250の10型で120KGぐらいの車重に22PSのハイパワー(笑・・当時としては・・・いやー技術の進歩はすばらしいですな)を楽しんでおりました。
そこへほれ、23インチのワークブーツなどというキャッチコピーをひっさげて現れいでたるニューマシーン。
かっちょえー。しかも2ストより軽いじゃありませんか。(この軽さには悪魔が潜んでいましたが・・・後で語ります。)
でも当時はまだ経済的に苦しかったのと、それまでの4スト250のエンジンの非力さのイメージがどうしても抜けきれず、購入までには至りませんでした。
1年後マイナーチェンジした2型を弟が購入。(2型はタンクのグラフィックがシンプルになっただけ。3型はサイドカバーがゼッケン対応になり、リアブレーキが強化された。)
いやー、いいバイクでした。ステップ こするまで寝かしても不安がない。
燃費は35KM/L以上。9リッターのタンクで300KM近く走れる経済性。故障と無縁の信頼性。
そしてなんといってもこのバイクのために開発されたBSのトレールウィング23インチタイヤ。
それまでのトレールタイヤはキャラメルのような四角いブロックが並んでいるだけで舗装路でのグリップは2の次だったのに、このタイヤは3種類以上のパターンを組み合わせてオンオフ両方のグリップを満足させていました。このタイヤの開発なしにこのバイクの安定性はなかったでしょうね。
そのほかにもキックに連動したオートデコンプ、2軸バランサーを採用し振動を減らしたエンジン、単気筒なのに2本でているエキパイ、強制開閉式のPDキャブ等々。あれほど好きだった2スト250CCをそれ以降購入しようと思わなくなったのはこのバイクのせいです。
すべてが気に入ったこのバイクですがどうしても許せない箇所がありました。それが前述した悪魔、車体の剛性不足です。
このバイク、軽量化をすすめるため、エンジン下にフレームがないダイアモンド型のフレームを採用してるんですが、100KM/H近いスピードでオフを走ると、車体が暴れ出します 。
1回こけると簡単にねじれてしまうFフォークも、よれの原因でしょう。
とにかく2ストに負けない4ストを生み出すため犠牲になっている部分です。
もし今時、このバイクを購入したいという方がいたらいくつかアドバイスを。
 

  1. 適正価格は3万円ぐらい、1万KM以内の走行距離のものでも5万円ぐらい。
  2. 23インチのFタイヤが手に入らない覚悟をしてください。最悪21インチに換装する覚悟が必要です。まだ手に入りますが、1種類しかありません。
  3. できれば走行距離1万KM以内のものを。このエンジンは2万KMぐらいで要オーバーホールです。1カム4バルブの画期的なエンジンですが、カムをアルミのシリンダーヘッドで直接支持するという構造(ベアリングがない)のため、軸受けが摩耗していると最悪シリンダーヘッドの交換が必要になります。またシリンダーとピストンの相性が悪いのか、シリンダーに傷が入りやすいようです。(3台エンジンをあけたが3台とも同じようにシリンダーが傷んでいた。でも走行に支障がなかったのも事実。すごいエンジンだ。)
  4. Rサスが動くものを。2本サスで全長が長いため曲がりやすい。この頃のバイクのサスは堅いがシートに座って揺さぶって沈み込まないのはパス。サスペンションは今買うと高い。私はマルゾッキのXL500S用をコーリンで購入しました。今はもう手に入らないだろうなあ。
  5. 6ボルト電装なのでウィンカーが作動しないことが多い。ブレーキランプがついた状態でもウィンカーがつくものを。電装はジェネレーターごとXL250Rに換える手もある。そうすればはれて12ボルトだ。
  6. パワー不足を感じる時は(ほとんどの場合そう感じるはず。)CB250RSのカムを入れ、キャブもCBのものにすれば5馬力ほどあがる。ただし低速が薄くなるので全開走行しない人はノーマルでどうぞ。ちなみに私のはカム、キャブがCBでスーパートラップをつけメインジェットをあげ最高速120KMです。
  7. ブレーキは利きません。覚悟してください。
  8. オイルフィルターがないため購入したらクランクケースカバーをあけ、内部を洗浄し、即オイル交換を。1000KMごとに交換するぐらいの気持ちで。
  9. チェーンが細いのでできたら最新のOリングチェーンをおごってやりましょう。ただしRスプロケットが異様にでかいためかなりの長さが必要です。あれって1駒いくらだったよなあ。
  10. エアクリーナーは必ず新品に換えましょう。風化してぼろぼろになってエンジンに吸い込まれているはずです。
  11. XL250Rのエンジンが無改造でのります。エンジンが手にいればやってみる価値あり。20>22馬力へアップ。ただし電装丸ごとが条件です。
  12. キャブレターはなんとXL250SからXLR250Rまで(あっXLXだけちがうわ、あれってツインキャブだ)ボルトオン。XR250Rの加速ポンプ無しがおすすめ。あと横っちょについているエアカットオフバルブのダイアフラムが破けているとアイドリングしません。買うと5000円近い部品なのでいっそのことふさいでしまいましょう。やり方はメールで。

   
このバイク、購入してから16年たった今でも手元にあります。


簡単なレストアを施し復活した250Sです。FRPタンク、マルゾッキRサス、パリダカのフェンダー、CB250RSのカム、スーパートラップ。現在22歳。




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