忘れもしません。生まれて初めてのアニメ体験はウォルトディズニーの「百一匹わんちゃん大行進」でした。
たしか4歳の頃だったから、昭和35年頃、いまから35年も前のお話です。
当時一般家庭にはまだテレビがなく(なにしろ月給3ヶ月分くらいしたと思う)あったとしても白黒テレビしかなかったので、色の付いたアニメは強烈に印象に残りました。
最近になってLDで見直したとき、4歳の頃に一度みたきりの映像をほとんど間違いなく記憶していたことがそれを証明しています。
日本のものですと東映動画の「白蛇伝」が最初です。
ただこれはぜんぜんおぼえてませんでした。はっきりとおぼえているのでは、同じく東映動画の「西遊記」が一番古いアニメです。
いまでいうまんが祭りのご先祖様ですが、この後に続く「安寿と厨子王丸」までは文学作品のアニメ化だったためあまりおもしろいと思いませんでした。
でも当時の子供にとっては映画をみる機会というのは貴重なもので、入れ替えなしだったこともあり、一回目上映から最終上映までずっと映画館の中ですごしていました。
でも、ある時期を境に、東映まんがまつりが変わりました。わくわくするような、ほんとうにおもしろい、日本独自の物語が作られるようになったんです。
その革命的な作品が「ホルスの大冒険」です。
和田慎二さんのマンガが好きな人は彼の作品の中にヒルダというアイヌの少女がたびたび登場することをご存じだと思いますが、このヒルダこそホルスの大冒険のヒロインなのです。
声優がまたいい。日本昔話のあの方、市原悦子さんなのです。当然若かりしころのです。でもあの口調はいまとぜんぜんかわってません。LDがでてますので一度みてください。
そしてあともうひとつ革命的なこと、この作品から(いや、ひょっとしたらガリバーの宇宙旅行が先だったかな)あのトトロの監督が作画で参加してらっしゃいます。
それまではアニメは2次元でした。でもこの作品から3次元になりました。奥行きと高さが加わったのです。
主人公が画面の手前から奥に向かって、しかも大きなカーブを描いて走ってゆくシーンはそれまでなかったものでした。
のちに未来少年コナンをみたとき、どっかで見たような走り方だなーとおもったのですがそりゃそうですね。同じ人が作ったんですから。だって走り方がいっしょなんだもんなー。
いまおもえば今のほとんどのアニメ作品は、このころ若かった人たちによって間接的に作られているのではないかと思います。 この東西の2作品が私のアニメ原体験といえます。
わたしがまんが祭りのなかでリアルタイムに見たものをあげますと

この後、東映まんが祭りは現在と同じくテレビアニメの長編版となり、見に行くことがなくなりました。
そして20歳の時、カリオストロの城に出会い、宮崎駿という人を知ることとなります。
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