78年式 HONDA GL400


岐阜の御嶽山。GSX400EとGL400。すいません。いい写真がありません。


SRとともに九州に就職し2年。
仕事に疲れ愛知に帰ってきました。
バイクに乗るのも飽き始め、SRも弟が乗るばかり。
ある日弟が「SR欲しいってやつがいるんだけど」といってきました。
ただ、相手に金がない。
で、相手の持っているGL400と交換する事にしました。
こうしてやってきたGL400は、SRより50KG重く、13馬力多いパワーを持ち、2倍近い幅を持つ、中免しかない若造にはとても魅力的なグラマー美人でした。
一番新鮮だったのは、アクセルを開けたときにぐらっとくるトルク反動。
従来の400CCの2倍近い重量を持つクラッチユニットを、エンジンと逆回転させるというアイデアでかなり抑えてはいるのだけど、シフトダウンのたびに飛び起きたり寝込んだり。
もっとも、BMWにくらべりゃかわいいもんですけど。
アイドリング時の車体の動きも独特。
上下じゃなく左右にぶるぶる震えるのがとってもキュート。
とっても軽く、ぺったんとつながるクラッチをつなぎ、ゆるゆると走り出すと、(ゆるゆるとしか走り出せないが)シフトアップするたびにぐらぐらする落ちつきのない車体に驚く。
ふつうこれぐらい車重があれば、もっとどっしりしてるよなあ。というのが第一印象。
前後サスが非常に柔らかく、ブレーキングでつんのめり、加速でフロントの接地感がなくなってしまう。
ホンダ自慢のFVQダンパーもかたなしだあ。
これはすべて重心が高いせいだろうね。
横からみるとわかるけど、デザインコンセプトがそうなのか、車体が前輪側に向かって持ち上がっている。
エンジンが前上がりなのです。
この特性を当時は猫足セッティングと呼んでおりました。
当然コーナーをちょこまか走るのは大の苦手。よく寝るんだけどね。すぐステップをすったなあ。
これはエンジン特性にもいえました。
7000回転以下は125CCにも負けそう。
ほんとに40馬力もあるんかいな。(ちなみに40馬力は当時最高の出力でした)
でもOHVのくせに10000回転も回るエンジンは、高速道路に乗ると本領を発揮します。
ロロロロという音を発し、あくまでも静かに回るエンジン。
このころストレスを感じさせず、無振動で1万回転で160KM/H巡航をえんえんとこなすエンジンはほかにありませんでした。しかし、当時はバイクの成長期。
次から次ぎにメーカーが発表する新型ハイパーバイクにたちうちできるはずもなく、次のCX400にバトンタッチし、そのCXも1800台を国内販売した時点で、この前代未聞の400CC、水冷縦置きOHV4バルブのツアラーは消え去っていったのです。
ある雑誌のホンダVツインの歴史という特集で、まったく取り上げられないという悲しいこともあったんですよお。(ほんとに1行もなかった)
たぶん800CCぐらいの排気量があれば、名車として今もモデルチェンジしながら生き残っていたかもしれません。(事実輸出用としてGL700インターステーツというモデルが最近まで存在していました)
現在でも重心の低いアメリカンとして登場すれば、けっこう歓迎されるかも知れませんねえ。
このGL400には約1年乗って、オフロード車のヤマハXT250の下取りとして別れました。
さらに2年後、GLをモデルチェンジした後も売れずに消え去ろうとしていたCX400ユーロを買おうとは、そのときは思いもせずに。
あんときゃ、なんの未練もなかったのに。
エンジンについてはCX400ユーロのページをご覧ください。


ツーリングの思い出

ある日、突然思い立ち、雨の中飛騨高山、新穂高方面へ出かけました。
豊田から、瀬戸、多治見を抜けR19を横切りR41へ。
退屈な41号線もGL400のころころという排気音を聞きながら走ると、苦になりませんでした。
雨の中で、威力を発揮するローパワーエンジン、柔らかい足回り。
なるほど、こういうバイクかあ。
高山からR158号線へ。
平湯から左折し新穂高へ向かう。
この途中事件が起こったのです。
ヘアピンカーブの登り坂、CB750Kが側溝に逆さまに落ちていて、そばでライダーが2、3人立っている。
助けようと5メーターほど先にバイクを止め話を聞くと、この人達、部品を拝借しようという人たちだった。
今落ちたわけじゃないらしい。
この頃は少しは良心があったため(いまはそんなもんない。たぶんまるごともらっていく)、私はその場を立ち去ろうとしたのだけど、目の前でGL400のサイドスタンドがはずれ、ふて寝をしてしまったのです。
(登り坂をUターンしてきたため、下向きに止めたのが原因だった)
クラッチレバーが折れている。
私は泣く泣くCB750からクラッチレバーをいただいたのでした。
さて目的地の新穂高ロープウェイは雨。と霧。
上へ上がれば晴れているかも知れないというかすかな希望にすがり、ロープウェイの客となりました。
終点で降りると2メーター先が見えない。
目の前に水芭蕉の群落があるはずなのだけど。
結局むなしく帰りのロープウェイを待つこととなりました。
雨はまったくやみそうもない。
結局走り詰めで帰ることにし、往復450KM。
まったく疲れを残さず家に帰ることができました。
CB750のパーツを持って。


ホンダGL400 40馬力/9500回転 3.2KGM/7500回転
乾燥重量218KG タンク容量17リッター 燃費実測18KM
F 3.25−19 R 3.75−18 新車価格 43万8千円


GL系のバイクをいまも乗っている方(CXターボも含む、ただしツインのみ)クラブがありますので紹介しておきます。
GL−Vツイン−オーナーズクラブ
    郵便番号242 神奈川県大和市中央林間3−19−22  大塚哲也さんまで
GL−CLUB会員のホームページ(個人)
http://www.linkclub.com/~f4-onota/


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