議員内閣制なんか止めてしまえ

子分「越智さんが辞めましたね(2000.2.25)」
親分「惜しい人が辞めたね。信用組合とか信用金庫の検査の検査に手心をくわえるとか、いざとなりゃ40兆円
   使いましょうとか言ってくれたんだぜ」
子分「そんなのを偉いって言うんですかい」
親分「そりゃそうさ。自分でも出来ねえことを出来るって言ったんだもの、偉いやね。お前だってよくやるだろう、
   ○○組の××を知らねえかって威張ってるじゃないか」
子分「そんなの、張子の虎って言いませんでしたかね」
親分「虎の威を借る狐とも言うわな」
子分「そんなのは、ちっとも偉くないじゃありませんか」
親分「分ってねえな。そこがお前たちとは違うんだ。あの世界の方々は、張りぼての大きさで勝負してるんだ。
   つらい渡世だぜ。辞めるときだって、渡世の皆様へご迷惑をお掛けしたとは言ったが、娑婆の我々には一
   言もない。お偉い方なんだ」
子分「庶民に謝っちゃいけないんで」
親分「なんたって元大蔵のキャリアだ。頭の出来が違う。庶民ども、控えおろうってところさ。それに気持ちが純
   だよ。票が欲しい、大蔵の城は守りたい、その一心がにじみ出てる。可愛いじゃねえか」
子分「俺には、バカとしか思えねえけどな」
親分「大臣てのがどんなにつらいか分かってるのか」
子分「だけど、みんななりたがっていますぜ」
親分「国会答弁もろくろく出来んと陰で役人にはバカにされ、出来もしねえことを出来ると言わなきゃならん。今
   度みたいに、本音を言や辞めにゃならん。大臣になりゃ選挙で楽になる、ただそれだけのために張りぼて
   を膨らまし続けながら、つらい思いに耐えているんだ。こんな尊い方々を、どうして偉いと思わねえのか」
子分「大臣てのは、役人よりもものを知らねえんですかい」
親分「知ってる振りをするほど、つらいことはない」
子分「どうして、一番知ってる人が大臣にならないんで」
親分「議員内閣制って習っただろう。エゲレスから来た制度だ。あっちで上手く行ってるんだ」
子分「どうして上手く行ってるんで」
親分「たまに、何をやるべきか、自分の国がどういう方向に向かうべきかを知ってる人が大臣になることがある」
子分「こちらじゃダメなんで」
親分「張りぼての大きさで勝負する世界だ。尺度が違う。その限りじゃ上手く行っている。この国じゃ、下手に志
   を持たねえ方が偉いんだ」
子分「(親分たちにも似てますね)」
親分「なにか言ったか」
子分「いえ、なにも。ところで、アメリカは大統領が浮気しても景気はいいようですね」
親分「いまのところ、三権分立が上手く行っている。議員が大臣になるわけじゃねえ。どんな立法をしたか、どん
   な法律に賛否を示したかで勝負するんだ。行政担当は専門家を選んで、議会が審査する」
子分「一見ベリグーじゃないですか」
親分「やってるのが人間様だ。賄賂もある。不正な献金もある。よさそうに見えても底は分かねえぞ。なにせ、禁
   酒法を実施した国だ、なにやるか分からねえ」
子分「でも、大統領を自分で選べるってのは魅力があるな。専門家が行政に当たるってのもよさそうですがね。
   そんなのを実力主義って言うんですかね。いっそ議員内閣制なんて止めっちまったらどうなんで」
親分「隣の柿は、いや、隣の芝生はあおいって言うじゃねえか。いいとは限らねえぞ」
子分「それにしても、俺たちの親分が実力のある方でよかった」
親分「オベンチャラ言うな。しかし、ヤクザの世界にも新しい風が吹き込みはじめたな。子分にバカ呼ばわりされ
   んよう頑張ろう」

どうも、この親分の方が、どこかの何方様かより志が高いようで。

2000.2.27記

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