むちとは、無恥、無知
恥知らずの役人は、能書名人

特殊法人は潰さない!んだって

 政府の行政改革推進事務局が示した「特殊法人事業見直し案に対し、所管各省庁は、申し合わせたようにゼロ
回答。この際、いい機会だから廃止しよう、などという殊勝な法人は一つもない。
 ここまで無恥だと、お尻をひっぱたく特別製の鞭が必要なようで…。さぞ、尻は面の皮以上に厚いことでしょう。
……そこで、滅茶(庶民代表)・苦茶(役人代表)のお二人が登場して、徹底討論……

滅茶「こんなことだろうと予想はしていたが、役人につける薬は無いものか」
苦茶「制度の維持派は、おれたち役人だけじゃないぜ。議員さんも味方している」
滅茶「そう言や、つい先だっての選挙で、小泉党と称していた二股膏薬が一杯いたな。そんな奴に限って官僚
   OBだ」
苦茶「現役役人は、そこまでみえみえの悪さはしないよ。一貫して制度維持派だ」
滅茶「陰でこそこそやってりゃ同じことさ。むしろ、族議員以上に悪い」
苦茶「我々は、公共性の高い事業をやっているんだ」
滅茶「民業を圧迫して何が公共性だ。民間よりコストをかけて、民間以下の仕事しかしてないじゃないか」
苦茶「ものは考えようだ。失業率の悪化を防いでいる」
滅茶「本四連絡橋公団が将来黒字になるなんて、お役人でさえ誰一人信じていない。それでも、やっぱり存続
   だって。そのくせ保守整備や飲食サービスの子会社は全部黒字。天下り先を作るためなら何だってするん
   だな」
苦茶「天下ることで、お役人の絶対量を増やさずにすんでいる」
滅茶「道路公団でも、労働福祉事業団でも、親元の特殊法人は赤字で、山ほどある子会社は黒字。真面目に
   やれば親元の赤字を減らせる筈だろう。あんたら、恥ずかしくないか」
苦茶「黒字だから存在価値がある」
滅茶「民間の参入を阻止して黒字なんてチャンチャラ可笑しい」
苦茶「入札制度をとりいれた」
滅茶「目に見えない障壁が一杯ついた入札制度のどこがフェアだ。警察の改革と同じだ。身内で身内を監査し
   てりゃ世話ない。監査てのは、利益に関与しない人間がやるもんだ。民間は規制で縛っておいて、自分ら
   には、ずるずるのゆるふん監視だ」
苦茶「なんだ、ゆるふんってのは」
滅茶「ゆるふんも知らんのか。ゆるいふんどしのことだ」
苦茶「時代遅れだな。健保や、労災等は、世界に誇るべき制度だ」
滅茶「国がやる保険制度も、あんたら役人がやると可笑しくなる。集めた金を運用するといって、役にも立たん
   レジャー施設を作りやがる。集めた金のどれだけが実際の保険料に使われたのか分かりゃしねえ」
苦茶「住宅金融公庫の融資で家を建てた人も多い。数多くの中小企業も特別融資で救われた」
滅茶「民間でやれないほどのものじゃない。無責任な特別融資で回収不能がわんさと増えた。郵貯や簡保を
   使った財投の回収不能額は、銀行の不良債権以上というじゃないか」
苦茶「公営住宅の家賃も、育英資金も、取立てに厳しくないところが弱者救済だ」
滅茶「よく言うよ。仕事してないだけじゃないか」
苦茶「仕事して失敗したら失点になる。何もしないでいれば、時間と共に出世する。天下るか、議員になるか
   は運次第。小泉に何ができる。竹中なんか一橋だろ、おれは東大だ。石原?あのヒヨッコなぞひとひね
   りだ」
滅茶「やっと本音を言ってくれたな。あんたら、ただの役人だよ。公僕だよ。特権があると勘違いしているんじゃ
   ないか」
苦茶「平安時代から、お上にゃ特権があるのさ。あんたらは税金を納めてりゃいい。おれたちは今藤原だ」
滅茶「ああ、気が狂いそうだ。どこかいい病院はないか」
苦茶「いい国立病院がある。駐車場は子会社が経営している。薬屋も別法人だ。保険金を納めてるんだろう、
   たまには使いなよ。たっぷり面倒みるように言っておこう」
このようにして、庶民代表の滅茶氏は、役人代表の苦茶氏の軍門に、あえなく下りました。
希望は、いまにも落ちそうな小泉、竹中、石原の細い細い虹の橋。

2001.8.11記

もとにもどります。