必読 公益法人(北沢栄著ー岩波新書)

怒れる庶民「オイ、こんど出た「公益法人」て本を読んだか。「総検証特殊法人の真実」以上に呆れるぞ」
下っ端役人「読んだ、読んだ。読まいでいられるか」
以下、庶民・役人と略。
庶民「薄々は知っていたけどよ、お前らは、役人になったときから、老後に「渡り鳥」になることを夢見ているのか」
役人「おれは下っ端だから、そんなこと考えたこともないよ。おれは公僕だ」
庶民「介護保険が始まるときによ、また、新しい天下り先が出来るなと思っていたら、案の定だ。お前ら役人には、
   つける薬がないよ」
役人「それは、上の方だけだってば。それに、上の方だって、別に悪い事をしてるなんて思っていないよ」
庶民「補助金を決めてさ、恩を着せるだけならまだしも、配り先を決めるだけの法人を作って、そこにも天下りする
   なんて鉄仮面もいいとこだぜ」
役人「どうすりゃいい」
庶民「開き直ったな。まず、天下りしない代わりに定年を65歳とすること。但し、55歳以上は、民間企業なみに
   給与は据え置く(民間は減少するのが実態だが、そこは勘弁してやる)。人手が足りないときは、クリーンに
   PFI方式で行くこと。こんなとこかなあ」
役人「あんたも智恵がないなあ。65歳以上で、天下り先にのうのうとしてる奴が一杯いるんだぜ」
庶民「お前も役人だろ、そんなこと言って大丈夫か。とにかく、いま小泉さんだろ、小さな政府を作ってくれるん
   じゃないかって期待しているんだ。無理かな」
役人「あんた中小企業診断士だろ。これも、試験から資格維持まで、全て公益法人の世話になってるんじゃな
   いか」
庶民「政府の資格商売に乗せられたってわけさ。酒の販売士の資格よりましだけどな。あほくさ」
役人「実は、おれにも上から「あるところ」に行かないかって話が来ているんだ。つつましやかな天下りだ」
庶民「お互い、なやましいな」
役人「…」
いずれにせよ、この本、お役人に是非読んで頂きたいものですね。
読んだお役人のつぶやきが聞こえますよ。
「うん、こういうこともあるだろう。だが、おれは違う。おれは役に立っている…」

2001.6.27記

必読 検証バブル犯意なき過ち

 日本経済新聞社がまとめたバブル総括の書。要領よく、そして極力公正であろうと努めて記述されている。しかし、「犯意なき」といいきってもよいものかどうか。
 バブルの最中はみんなハッピーだった、という言葉が代表するように、人間の弱さが生み出したものではあっても、その処置に当って、大蔵省と農林省の密約ほど罪深いものはない。
 最初の公的資金注入(1995年12月の6,850億円)に、なぜ国民の強い反発があり、以後の対策が手遅れになったか。それは、大臣の決裁もなく住専への資金供給に関し密約を交わし、公的資金を農協系金融機関救済に使ってしまったからでしょう。貸し手責任を問わず、法的処理へ進まなかったからでしょう。
 大蔵は大蔵で、一方で日銀と共に総量規制を指導しながら、農協系から資金を供給させるといういい加減さ。農協預金者保護という錦の御旗を振り回した族議員ども。
 こんな無責任な奴らが、「犯意なき」とはとても思えませんね。

2001.11.10記

もとにもどります。