Q: |
次からは、個別な感じになります。それでは、大谷さんから。アンプラグドの状況なんですが、ピアノでダンガンの曲を演じるとき、ピアノ以外の主旋律を再現する場合は譜面の内容もかも変わってくるんですか?あんまり変わらないですか? |
大谷: |
あんまり変わらない。譜面の内容っていうか、その時の気持ちなんで。 |
司会: |
その辺、再現するには? |
大谷: |
再現っていうかねえ、そんなに、なんていうんだろう、律儀には考えてないです。再現ということに関しては。それより大事なのは、そん時持ってた空気が呼び覚ませるかどうかだから。そん時弾かれてたフレーズがないかもしれないし、それは、そんなに細かく考えてないです。 |
Q: |
「シーサイドドライブ」アルバムでは、最後にピアノソロがありますが、ライブでやってもらえませんか? |
ため: |
そう、つけたんだよね、最後。 |
司会: |
ずっとやってませんよね? |
大谷: |
じゃ、それは頭の中に入れておきます。今回、それやるかどうかわかんないけど。ああいう世界は結局好きで、もしかしたら、俺は、あれだけをやりたかったかもしれない。ははは(笑)。それが、きっと俺が今でもやりたいことなんだ。 |
Q: |
ピアノは、何歳くらいから始めたんですか? |
大谷: |
親が言うには、3歳とか言っているような。ギターは、中学のころかな?最近、三線を始めまして、沖縄の。三本の線て書く、ようするに三味線なんだけど、蛇皮線。サンシンていうの。[司会:あのBeginの人が使っている?]そうそうそうそう。最近はそれが好きで、毎日弾いてます。今度「デヴィット・Tウォーカー」と三線でセッションすることになってて、「デヴィット・Tウォーカー」に三線をプレゼントしたんで、次、来日したときはたぶん、やります。 |
Q: |
今まで関わった作品の映画音楽、ドラマ、それに関するCD、出版されたもの等、そういうものは大体所有していますか? |
大谷: |
持ってます。発売されてないものも当然あるから、そういうのは、DATとか、なんかの形で必ず、譜面と音はあります。 |
Q: |
映画、ドラマ等の音楽を担当するときっていうのは、どのような状況で、進めていくのですか? |
大谷: |
もう撮影は、ほとんど終わってて、映像としてつながったものに、監督と「このシーンからこのシーンまで音楽をつけよう」っていう相談をしながら、それをストップウォッチで計りながら、つけていく。その前に、撮影を何回か見に行ったり、「テーマはこういうのがいいんじゃないか」ってデモテープを 監督に聴いてもらったり、「いやこうじゃなくて」って言われて作り直したり。 |
Q: |
以前、パソコンは使ってないとお伺いしたんですけど? |
大谷: |
今使ってますよ。コンピュータのことでしょ。使ってますよ。音楽にだけね。当然テクノっぽいものをやる場合もあるし、オーケストラの中でもパーカッションは打ち込んどいたり。 |
司会: |
そういう意味のコンピュータ? |
大谷: |
そう。だから、インターネットはやってないし、メールもやってない。音楽を作るためだけに、楽器として使っている。 |
Q: |
さっき言ってましたが、練習は好きじゃないですか? |
大谷: |
練習?でも、毎日必ずやるよ。練習は、メニューがもう決まってて、まあ長年積み重ねた自分に必要なメニューっていうのがもうできあがってて、朝起きると必ずそれをやりますけど。 |
司会: |
1日に最高で何時間ぐらい? |
大谷: |
一番ピークでやったのは10時間くらいかな。でも今はね、1時間くらいですよ。 |
Q: |
所有する機材についてですが? |
大谷: |
シンセとピアノ。ピアノは今、グランドが2台になって、ちょうどどっちも100年前のスタインウェイが1台と、ベーゼンドルファーってのが1台。スタインウェイっていうのは、ニューヨークで作られたスタインウェイで、ベーゼンドルファーていうのはウィーンで作られた、モーツァルトなんかが、活躍したときのもの。そう、ヨーロッパとアメリカの音を聞きながら、曲によって、この曲はどっちで弾こうかな、とかやりながら、地味なことやってます。 |
司会: |
やっぱり違うんですか? |
大谷: |
[&ため]全然違うよね。アメリカの音は、ジャズにも対応しなきゃいけないし、いろんな人種の中でタフに生き残っていく響き。まあ簡単に言うと派手な響きしてんだけど、ベーゼンドルファーってヨーロッパだから、やっぱり貴族とか王族を楽しませればよかった文化でもあるわけじゃない、芸術家が。そのために、あんまりうるさくちゃいけないわけで、おいしくご飯食べれたり、お酒飲めたり、しゃべれる、っていうような。やっぱ地味といえば地味、優雅といえば優雅。そのかわり、そのベーゼンドルファーの方は、最後の和音弾いて自分がピアノを立って部屋から出てくまでねぇ、ピアノがフワ〜ンて鳴ってんですよ。すごいあったかい音してる。それに一目ぼれして、これくださいって言った。ピアノ屋さん、もうモッテケ状態。買うって言ってないのに、もうトラック手配しちゃったって言われちゃった。(笑) |