●北摂最北部の山
今回ご紹介する弥十郎ガ岳(やじゅうろうがたけ)は、北摂の山の中でも最北端に位置し、山麓の篭坊温泉への
バスの便が1日5便と不便なためマイカーを利用。篭坊温泉コースと呼ばれる、みなの沢の登山口には駐車スペース
があるのでそこに駐車させていただきました。(^^;;
山名の由来は「弥十郎という怠け者を天狗が連れ去った山」とも「鉱石で千金を夢見た男・弥十郎」から名が付いた
ともいわれているそうです。
下篭坊バス停前の朽ちた赤い橋を渡り、沢沿いに入ると緑色の苔むした杉林が15分ほど続きます。天狗の面をつけ
た山伏や忍者ハットリくんが目の前にふっと現れても不思議じゃない雰囲気の杉林を抜けると、落葉樹の樹林に変り
枯れ木の早春はあたりが急に明るくなりました。頭上でガヤガヤと話し声が聞こえたかと思うと農文塾の出合。
道標の前で十数名の山の会のメンバーさんが休憩中でした。
ここから吊り尾根になりコースを左にとって1つめのピーク、ハハカベ山石標、地面ぎっしりの落葉でルートを見失わ
ないようにと赤や青のテープが「こっちだよ、こっち。迷わないでね」と道先案内をしてくれます。
竹谷出合への急登を登りきると弥十郎ガ岳の山頂はもうすぐ。
山頂からは篠山市街と春霞にうっすらと浮かび上がる西ガ岳、三岳、小金ガ岳の多紀アルプスが見渡せました。
コースタイムは1時間25分。20分の休憩で巻き寿しをほおばり、あったかいミルクコーヒーを飲んでると50代のご夫婦
がやってきてカップヌードルを作り始めました。あぁ、おいしそう・・・♪今日のように風の強い早春は格別でしょうね。
「お先に〜」と挨拶して農文塾出合まで同じコースを戻り、出合から丈山乗越で丈山北峰の分岐まで歩き、ここから
農文塾まで下りました。弥十郎ガ岳はマツタケ山なので10月中旬から1ヶ月入山不可となります。また、イノシシ狩で
ハンターが入るため11月中旬から2月中旬も入山できないようです。
茶畑にはイノシシ避けのネットが張られていますので、ゲートの扉は閉め忘れのないようにね。畑の下には萱葺きの
建物と老齢の桜の木が、なんともいえず味のある一枚の風景画のようで、是非、桜の季節や新茶の季節に歩いて
ほしいお薦めのハイキングコースでした。子供連れからお年寄りまでも楽に歩ける、のどかな山道です。
出合橋から羽束川(はつかがわ)を左へ行くと篭坊温泉地。7年前にホタル狩りで訪れた頃は、三ツ矢サイダーの
炭酸水を採掘した跡が残っていて、湧き出る炭酸水を求めてペットボトルを持った人が後を絶たなかったのですが
今はもう湧かなくなったのか、無くなっていて残念。
不法投棄多発地域の大きな看板が目に飛び込んでくるほど「源氏ホタルの発祥地」の看板はひっそりとさみしそう
でした。願わくば今度サークルのメンバーさんと訪れるときまで弥十郎ガ岳の自然壊れずにいてほしいな。
2002/3/2
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