きれいなお城 〜 ジュリアス編


■既存のティムコレギャグ創作のジュリアス版です。念のためお断り(笑)


◇◆◇◆◇


休日の夕方。セレスティア。
仲良さげなカップルが行き交う中に、どことなく目立つカップル発見。
神鳥の誇り高き首座の守護聖ジュリアス様と、とアンジェリーク・リモージュ。
おふたり、お休みの日に、お忍びでデートのようです。
お忍びなのになんだか目立ってるのは …… ジュリアス様。
私服なんだけど、何故そんなに目立つのだ、あなたは。
これは、しかたない…… ことなのか?


とにもかくにも。
女王と守護聖という立場に悩みまくった時期もあったろうけれど、ひと波乱超えて、こうしてデートをする関係となったらしい。
如何にギャグ創作の中の設定とはいえジュリアスとしては、画期的な進歩だと思われる。
そんなふたりが帰りがけ。
お約束の、あの建物を、見つけちゃいました。
以下、リモージュ独白音声も、同時中継でお伝えします。

えっ、あれ。あれもしかして。…… よね?
こんなところにできちゃったの?
確かに、聖獣の ええと、ユーイだっけ。彼があちこちに聞きまわって、結果ルヴァが大変な目にあって、知恵熱出して倒れかけたって噂は聞いてはいたけれど。
こんな目立つところにできちゃってたんだ!


リモージュ、この、決して上品とはいえない建造物を。
厳格な隣にいる人物がみて如何なる反応をするかとはらはらしながら横目で見る。
ジュリアス、眉間にシワを寄せ、片方の眉をヒクリとあげて、お城をみてます。

うっわー、怒ってるわ。怒ってるわ。
やっぱりあれかしら、品がないから撤去、とか言い出すかしら?
でもね、でもね。
考えて欲しいの。
あなたってば、思いが通じた時にくちづけをしてくれたっきり、私に

指一本ふれようとしないけれど

その、なんていうの?ええと、このままずーっと、もしかして退任まで、清い関係のまま?!
そりゃ、今すぐ野獣の如く襲われちゃっても恐いけど、なんか、いつまでもこのままっていうのも、なんだか ……。
こういう施設があれば、ほら、なんか、チャンスがあるかな、なんて。
きゃーーー、私ったら、なに考えてるのかしらっ。
うふっ!


…… そうか。
やっぱ、あんたら。

清い関係のまま

だったんだね …… 。(遠い目)
どこぞのカップルとは違う意味で、さもあらん、というか。
でもリモージュとしては、いつかはらぶらぶーな、甘い体験をしてみたいと期待している様子。
だから、ヘタにこの建物を撤去、とか言い出さないかはらはらしてる。
そんな彼女に、ジュリアスがひとこと。

「あの、少々下品な城のような建物はなんなのだ?」

ジュリアス、おまえもか!

え、ええ〜っ!
それって、素?!
ああ、でもそうか、確かに、そうよね。五歳のときから聖地入りして。世間一般から隔絶されて生きてきたんだもの。
いわゆる庶民の生活の常識が抜けてるってのは今更驚くことでもないし。
ラブホの形態なんて、知ってた方が驚きかも。


リモージュ、なんとか納得した様子。
でもジュリアスは、不審顔で。

「あれが、何か知っているのか?」
「え〜っと。えっと、知らないことはないけれど、ちょっと、私には答えにくいの ……。ごめんね」
可愛く『ごめんね』などと言われて。
それ以上深く彼女に追求することもできなくなってか、ジュリアス、素直にこう言った。

「ふむ、そうか。では誰かに聞いてみることにしよう」

「だっ、だめよ!ジュリアス!誰かに聞いちゃったりしちゃダメっ!」

これには、リモージュも大慌て。

そうよ、ダメよっ!
こんな話題を迂闊に誰かに聞いたりしたら、笑い話のネタにされ ……!


何気にひどいこと考えてますが。
たしかに、一理あるどころか十理っくらいある。
でもリモージュとしては、ここで知識をつけないままいて何かの拍子にそれが原因で、クラヴィスあたりに「ふっ」とか笑われちゃう彼を想像するだに忍びない。
ここはやはり自分で教えるべきか。しかしそれはそれであまりに抵抗がある。
悶々と考えて、結局出た結論が、コレ。


「…… オスカーに、聞いてみて頂戴」


女王命令発動。
オスカー、がんがれ。(合掌)


―― オシマイ


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私としては、お城の中の枕もとに置いてあるゴム製品の使い方も、一緒に教えてあげてやって欲しい。オスカーよ。

2005.07.04 佳月拝