泥中の蓮華
(あとがき)


この作品は、2005年9月30日に終了した「初めての朝」企画へ出品した作品です。
企画終了に間に合わせるために少々書き急ぎ、描写の足りない所、推敲が甘い所が多々あったため加筆の上フォーマットを変更、四章立てにして再録しました。
31作品にもなった朝企画への私の出品作の中で、おそらくこの話が一番毛色が異なるというか、本来自サイトに掲載すべき作品だったのかもしれませんが、企画の投稿作も含めた総作品数100越えのためにあちらに掲載したというか(笑)もっとも、そんなことしなくても最終的には100越え達成できたのですが。

まあ、そんなわけで、あの企画へ出した他作品は「朝」シリーズとでも名づけてまとめて掲載するつもりですが、この作品に限っては別扱いということで、彩雲の本棚の「ティムカ」カテゴリに分類しました。てか、そろそろカムランカテゴリ作れよ、ってかんじですが、許せ(笑)

二章の「四苦」は、「生老病死」の四苦ではなく、

愛別離苦(あいべつりく)―― 愛するものと別れなければいけない苦しみ
怨憎会苦(おんぞうえく)―― 憎しみを抱かなければいけない苦しみ
求不得苦(ぐふとくく)―― 求めるものが得られぬ苦しみ
五陰盛苦(ごおんじょうく)―― 自己に対する執着故の苦しみ

の、四苦をあらわしています。
表題である「泥中の蓮華」の意味とともに、この物語を読み解く参考になれば幸い。


さて、加筆部分について、少し。
カムランの王としての行いが、決して兄への反発からのみでたものではなく、王としての理想をつらぬくための行動だという部分をもっとしっかり書きたかったのです。
ティムカは伝統を重んじ、カムランは意味のない風習を断ち切るタイプ。
だから、ティムカの時代にはなぁなぁで済まされていた事柄が、カムランの時代になって汚職といったような形で表面に出てきたイメージでしょうか。
いや、ティムカもいい王様だったことは間違いないんだけど、公式の彼をみていると、どうにも国王としてはまだ甘ちゃんな気がしなくも無い。
恨みを買う覚悟で、時に厳しい決断を下すような、ティムカのそんな一面もみてみたいのですが、それを公式で望むのは色々な意味で既に不可能となったので、あとは自分で妄想するしかないですね
まあ、その妄想の一端が、私が書くカムラン像なのかな、とおもわなくも無いです。

あとは、本来カムランとサーリアとのつながりより、カムランとイシュトとの繋がりの方が深いはずなのに、企画出品版は深く考えずに(コラ)サーリアばかり登場させてしまいました。その辺の修正もしてあります。
てか、イシュト!ツボキャラなんだってば!(聞いてないから)

まあ、そんなわけで再録でございますが、読んで頂けたなら幸い。
2005/10/03 佳月 拝

以下、企画出品時のあとがき。
----------------------------
「泥中の蓮華」とは仏教用語。
私的には力作だが、相変わらず一般受けしなさそうだ(笑)
いやー、でもね?ティムカの急死(扱いだと思う。国では)は、ぜったい物議をかもすと思うのよね。暗殺疑惑(笑)。でも、実は当人元気、みたいな?
ああ、でも警備、そんなに甘いわけないよね…。そして、私にはアクションは書けないことを知った。

この話のティムカに関してはきっとティムコレではない。せいぜいが十三の頃のティムカの淡い片思いで、コレットの本命はなんとなくヴィクトールあたりだと推測する。
そして、ここにでてきた婚約者殿と出逢ったあとは、ティムカは穏やかながらにあたたかな愛情を育みつつ、その先に訪れた唐突な別れだったのではないかと思うのだ。(これはこれであたためているネタ)
彼女が処女だったのは、いずれ結婚するとわかっている女に、ティムカがそんなにがっついて手を出すとは思えなかったし、いずれ別れなければならないと知った後なら尚更、彼女の将来を奪うことはできないと、ティムカなら考えるだろうと思ったから。

そんなわけで、兄弟どんぶり未遂。<すべてが台無しとなるあとがき

2005/09/26 佳月
◇ 「泥中の蓮華 目次」へ ◇
◇ 「彩雲の本棚」へ ◇