僕は君に恋をする
〜マルセル〜
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寝返りを打って、手にふんわりとあたった感触に僕は目を覚ます。
いつもなら、シーツが広がるそこに、君がいる。
ああ、そうだった。
僕は思い出す。はじめて一緒の夜を過ごして、そして目がさめて。
だから、今ははじめての朝。
ぶつかった僕の手に起こされてしまったんだろう、ちょっとまだ眠そうな瞳をひらいた君に、僕は挨拶する。

「おはよう、。ごめんよ、起こしてしまったよね?」

言った僕に君は、ええと、とかなんとか呟いて、掛布をひっぱって顔を隠してしまった。
ちょっと不安になって聞いてみる。
「…… 怒ってる?」
少しだけ、その可愛らしい顔をだして、君が思いっきり首を横に振る。
ああ、よかった。
ほっとして、そして嬉しくなって。
僕はシーツの中で生まれたままの姿でいる君を抱きしめる。
「昨日の夜も思ったけれど、君はとても温かい」
素直な気持ちを言ったら、君は腕の中で身をよじって、小さく恥ずかしい、と言った。

「どうしたの?恥ずかしくなんかないよ」

君をもっと強く抱いて引き寄せて、その瞳を覗きこむ。
朝の光にきらきらと光って、なんて綺麗なんだろう。
瞳だけじゃない。
昨夜は薄闇のなかで、はっきりとはわからなかったけれど。
抱き寄せた時に乱れた掛布から露わになった、丸みを帯びて白くて滑らかな君の肌。
あまりに綺麗で、どきどきして。
思わずその胸元にキスをしてしまう。
朝露に濡れた薄紅の花が開くときのように、君の頬がさあっと染まる。
恥ずかしい、のかな。
でも、恥ずかしがる必要なんてぜんぜんない。

「だって、君はこんなに綺麗なのに」

そんな君とこうして一緒にいれることがうれしくて、そしてやっぱりどきどきして。
その気持ちを伝えたくて僕が何度も君にくちづけをしたら、はじめは照れてた君も、僕の体に腕を回してくれた。
こんなに大好きで、恋しくて、どうしようもなくって。
昨日君はそんな僕を優しく受け入れてくれたけれど。
この気持ちを全部つたえるには、本当は、どんなに抱きしめてもキスしても足りないのかもしれない。
何故なら、気付いてしまったから。
抱きしめれば抱きしめるだけ。
どんどん溢れてくる想いがある。

『はじめて』の朝はこれが最初で最後。
でも。
こうして共に眠る夜と共に目覚める朝。
そのたびに。



僕は君に恋をする。

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おーっと意外にもマルセル。2回戦組みか?

05.06.13