◇◆◇◆◇

■今は二月〜聖獣お子様三人組の場合。

今は二月。ユーイがいつものように質問する。

「なあ、VDってなんだ？」
本当ならメルかティムカが答えるのだろうけれど。
「私も知らないんです。最近良く目にしますよね。なんでしょう？」
「僕もだよ。何だろうって思ってたんだ」
所詮主星とはかけ離れた文化圏出身の二人。ヴァレンタイン・デーなどユーイ同様知らないらしい。
ティムカ、しばらく考えて。

「わかりました！きっと『DV』の間違いですよ」

DV、それは。
―― ドメスティック・ヴァイオレンス。和訳で家庭内暴力。
全然ちげえよ！

◇◆◇◆◇

■今は二月〜再び、聖獣お子様三人組の場合。

今日は二月十四日。ユーイ、また爆弾落としてるよ。

「VDって、ヴァレンタイン・デーの省略なんだってな。今日、チョコもらったら愛の告白らしいぞ」

メル、ティムカ驚いてる。
「ええっ、本当？」
「そうなんですか？！」
ふたり、驚き方がちょっと尋常じゃない。
それに、妙にそわそわして。
まさか、誰かに貰ったのか？

「ああ。聞き込みでみんな同じ返答だったから間違いない。で、どうしよう」
「何が、ですか？」
突っ込まれてユーイ、ためらいがちに。

「レイチェル様から、チョコを貰ってしまった」

メルとティムカ、ひどく複雑な顔をして。
「…… 僕もだ」
「…… 私もです」

誰か、義理チョコってのを、教えてあげてやってください。

◇◆◇◆◇

■今は二月〜みたび、聖獣お子様三人組の場合。
★エトワ、ユーイLLEDネタバレ注意！

今は二月。ユーイ、今度は何だ。

「まったく、チョコで愛の告白だなんてするからややこしいんだ」

どうやら、義理チョコの定義を知るに至ったらしい。
よかったな。
メルとティムカ、深く頷いている。

「でもさ、実際口にするのって恥ずかしいじゃない？愛の告白の手段としては、いいとおもうな、僕」
内気なメルちゃんらしい、意見だ。
可愛いねー。
「そうか？オレなら、はっきり、すっぱり言うぞ！」
ティムカ、にこりとわらって。
「どんな台詞で言いますか？」
とか聞いてる。
メルも興味があるみたい。

「『オレのヨメになれ！』だな」

君のそーいうところが実に可愛いと思うよ。＜聞いてねえ
そういやエンディングでも言ってたな。
でも、メルは納得行かないらしい。
「えー、それはいきなりすぎるよ。ねえ、ティムカ？」
当然同意してもらえると思ってメルは話題をふったわけだけど、ティムカ、怪訝な顔をして。

「そう、ですか？普通ですよ？」

あー、そうでした。
この方SP2で、事情があったとはいえ13歳のとき既に
『僕のお嫁さんになってください！』ってカマした人ですから。
メル、条件がレアすぎるメンツのため1対2で、多数決負け。

◇◆◇◆◇

◇　「虚無の本棚」へ　◇

---

このネタ、近いうち彩雲の方でユーエンらぶらぶ創作の一部に転用します。
またこのネタかよ、と呆れないでください(苦笑)

2005.01.25 佳月拝