クラスがえ



神鳥の宇宙。
いつもの、声が聞こえてます。
「どうしてそなたはいつもそうなのだっ!」
ジュリアス、あんたもどうしていつもそうなのだっ!
「聖獣の闇の守護聖を見習ったらどうだ!」
お。なんか、いつもと違った台詞。
でも、なんか、間違ってる気もするけど。
「見習うほどとも思えぬがな。もっとも、あちらの光の守護聖はさほど口うるさくないらしいと聞くな」
めずらしく長い台詞だ、クラヴィス。でも見習うほどじゃないってツッコミは至極正しい。
あと口うるさくないってのも間違ってないかもしれない。
でも、語弊はある。すごく、ある。ありすぎ。

さて、その会話をちょっと用事で来てた聖天使エンジュが聞いてたわけで。
んで、両宇宙の女王陛下と補佐官に伝えたわけで。
そうこうするうちに、なんか、どうせおんなじサクリアもってるんだから、気の合う同士で組み替えしちゃおうかってな展開になったらしい。
いい考えだとは思うけど。
本当に、大丈夫か?
そこはかとなく、不安なんですけど。

◇◆◇◆◇

両宇宙の守護聖、勢ぞろいしました。18人。多いねー。部屋が狭く感じるよ。
見届け役はエンジュ。
陛下と補佐官は席はずしてます。
さて、お好きなように、組み替えしてください。

「……」
無言で、レオナード側についたね、クラヴィス。
まあ、あんたをそっちに移動させるのが今回の組み替えの一番の目的なんだろうけど。
「……そう、ですか。流れに逆らうのは、私の美学に反します。私はそちらへ……」
今のところ、一番仲いいのクラヴィスだもんな、フランシス。
どちらについてもあまり変わりないのか。
いや、レオナードとは激仲わるそうだから、喜んでるのか。
ジュリアスとは、趣味が合ってるもんな。貴族趣味。

「クラヴィス様がいかれるのなら、私も」
やっぱりそう来たか、リュミエール。
もともとジュリアスとさほど仲良くなかったよな。でもレオナードはもっと仲悪いだろ?
ということは、本心ははオスカーと離れてラッキー、ってとこか?
「私は、それでかまいませんよ」
ティムカ、かまわないって、あんたレオナードとめっちゃ仲悪いじゃん。
本当はジュリアスのほうがいいんだろ。正直に言え。

「俺は、このまま残ります。ジュリアス様」
まあ、オスカーは当然そうくるだろうな。でもフランシスと一緒で大丈夫か?クラヴィスより合わないだろ。
あ、そうか、あんたもリュミエールと離れてラッキー!なクチか。
でも、冷静に今後の展開を予測した方がよかったかもよ。ちょっと貧乏くじな予感。
「なんや、俺はこのままか。ま、かまへんで」
チャーリー、レオナードと仲いいじゃん、あんた。
んで、フランシスと仲悪いじゃん。おまえもラッキーって、思ってるだろ。

「俺、オスカー様と一緒に残ります」
ランディ、君もまあ、当然そう来るよな。
いまのところ損得勘定なしか?
「ああ、俺もこのままでいい」
素直少年ユーイ、仲悪いのアリオスだしな、あんまり関係ないって思ってるだろ。
風はどちらとも、能天気だねえ。いい子たちだ。

「俺はそっち行くぜ、おい、ルヴァ、おまえも来るだろ?」
不良少年は不良中年の方が気が合うのか。
どちらかと言えば、フランシスに鳥肌が立つから、というあたりが本音か。
しかし、ルヴァも連れて行くとは結構強引だな。ゼフェル。
「あー、そうですねー、それでいいですよー」
ルヴァ、いいのか?でもあんたも、実はジュリアスと仲悪かったもんな。レオナードとも悪いけど。
でもフランシスとも仲悪いから、クラヴィスとゼフェルを選んだか。
温厚そうな顔して、けっこう好き嫌い激しいな。ルヴァよ。
ついでに、ランディよりもじじ臭いユーイの方が合うという勘定もあるだろ。
「わかりました。では、私はそちらへ移りましょう」
「俺もかまわん」
エルンスト、無難な台詞言ってるけど、頭カタイ同士、どう考えてもレオナードよりジュリアス派だよな。
ヴィクトール、あんたも、やっぱりジュリアス派にしか見えない。
ただ、フランシスと壮絶にあわなさそうだけど大丈夫か?
ああ、でも、剣術の相手がいないっていってたもんな。
こっちならオスカーいるしな。

「はいはーい、私もそっち、行く、行くぅ」
オリヴィエ、まあ、そうだよな。服装とやかく言われずに済むもんな。
あまり知られてないけど、一番仲いいのルヴァだし。
オスカーと、チャーリーは同じ親密度60だから、オスカーとの友情は捨てたか。
「じゃあ、僕は向うだね」
メル、オイシイな。ティムカ、マルセル、エルンスト、ヴィクトール。仲いいのばっかじゃん。

「うーん、僕はこのままでいいかな」
マルセル、ジュリアスと決して仲いいとはいえないが、レオナードよりはマシと思ってるだろ。
仲良しのランディもいるし、メルもティムカも来たしな。
化粧するオリヴィエも消えたし。
「ああ、是非そうして欲しいね」
セイラン、あんたのジュリアス嫌いは伝説だよ。

ひととおり、終わったかな?
「あー、じゃあ、組がえはこれでおわりましたかねえ」
「そうだな、これでいいだろう」
なんか、地ふたりが締めに入ってるよ。
いちおう下にまとめるか。

ジュリアス組
闇:フランシス
風:ランディ
水:ティムカ
炎:オスカー
緑:マルセル
鋼:エルンスト
夢:メル
地:ヴィクトール

レオナード組
闇:クラヴィス
風:ユーイ
水:リュミエール
炎:チャーリー
緑:セイラン
鋼:ゼフェル
夢:オリヴィエ
地:ルヴァ

んで、リストをふたりの首座に渡してる。
「ああ、これでよいだろう」
そりゃ、ジュリアス、満足だろうよ。あんたにとって最良のメンツだとしか思えない。
「おー、いいんじゃねえか」
レオナード、あんたにとってもまあ、ある程度いいメンツだろうけど。
気付かない?気付かない?
今気付かないと、取り返しつかないよ?
あーあ、リストをエンジュに渡しちゃったよ。しーらないっと。

◇◆◇◆◇

リストを持って、エンジュ、女性陣の集まる部屋へ。
興味深々と組み替えの様子を皆に聞かれて、
「とてもすんなりと決まりました」
とか言ってる。
まあ、嘘じゃないけど。
でも、各々の水面下で激しい損得勘定があったのには気付いていないのね。
でさあ、リスト見て、誰も何も気付かないの?
お。魔天使どの登場だ。
エンジュに勧められた椅子に座りつつ、リストを眺めてるよ。
お願いだ、気付いてくれ!

「で。
すぐサボる光の守護聖と、
もっとすぐサボる闇の守護聖と、
野生児の風の守護聖と、
闇の世話で忙しくて他に手の回らない水の守護聖と、
お笑いの炎の守護聖と、
皮肉屋の緑の守護聖と、
万年反抗期の鋼の守護聖と、
享楽的な夢の守護聖と、
ボケ入った地の守護聖の方の組は、どっちの宇宙が面倒みるんだ?
まさか聖獣じゃねえだろうな。言っておくが、俺はごめんだぜ」

ナイスツッコミだ!アリオス!
あんたが一番マトモな気がしてきたよ。
それを聞いてコレットがため息をつく。
「そういわれれば、そうよね」
けっこう、無責任な発言。女王のくせに。
「でもさ、ここまで大々的に組替えしちゃったわけでしょ?いまさらナシっていうのも問題なんじゃない?」
レイチェル、やっと冷静なカンジになってきたよ。君も女王候補の頃から比べるとずいぶん大人になったね。
そこへロザリア。
「何の組かは言ってませんでしたから、いっそのこと両宇宙守護聖親睦の運動会の紅白分けとでも言って説明しましょうかしら?」
笑顔でけっこう無茶いうな、あんた。なんだかディアに似てきたよ。
「あら、ロザリア、素敵だわ。うふっ」
うふって、リモージュ、それでいいのかよ。

◇◆◇◆◇

まあ、そんなわけで。 両宇宙守護聖親睦の名のもとに紅白対抗の運動会が行われたらしいが、本当に親睦が深まったかどうかは知らない。
っていうか、深まるわけないと思うけど。

―― オシマイ
◇ Web拍手をする ◇

◇ 「虚無の本棚」へ ◇

おお!本当にオールキャラだ。
アリオスに「ごめんだ」と言われた方の面子を、私が嫌いなわけではない。ていうか、むしろ好きキャラ多いし。
あと、誰が仲良しで誰が仲悪いというのは、トロワの攻略本参照。
新キャラは私のエトワールの攻略が影響してる。
だから新キャラに関しては、公式と設定が違うかも。
……アホなもの読ませてすみません。