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セプターズカップ2002 福岡予選

森陽氏のレポート



予選大会の朝が来ました。
午前6時起床。神経質にブックを見直し、いくつかの候補の中から、今日使うブックを二つに絞ることを決断します。家を出ると、近所の駐車場を白猫が横切るのを目にしました。とても象徴的な光景。日常見慣れている建物も草木も、内側から光を発するかのように違って目に映ります。日の出前というのは、いつもどこでも神話的な空間だな〜、と清々しい気分になりました。

午前7時8分。高速バスに乗り、決戦の地・天神へ。3時間しか睡眠時間を取っていなかったので、1時間半の移動時間は概ね仮眠をとっていました。所要を済ませた後、老舗のラーメン店「一蘭」さんでお昼をとって会場到着。まだ11時前で、閉められている会場入り口にいたセプター風の男性に軽く会釈してホールをうろうろしていると、すぐに会場が開放されます。 ちょっと話しかけてみようかと思ったものの、ホールの手前スペースには「遊戯王」の受付が。彼はデュエリストだったのでした……ということでセプター一番乗りは私です。遊戯王スペースではダルネスのかかった保護者の方々が印象的でした。私も十数年後はああなるのか。なれればいいな。

次第に顔なじみの方が集まり、緊張と熱気の入り混じった良い雰囲気になります。宇宙一の皆さん、こんなに来てらっしゃるんだ〜って、あれー? 全体の60%は宇宙一の人では……どのグループへいっても強敵ばかりだということを今更再認識した次第でありました。

さて、クジを引いて私はAグループに組み分けられることになりました。記録紙の一つ上の欄に、世代氏の名……あわわ。他に「さあ」さんという名前も聞こえてきます。確か去年にも耳にした名前です。これは勝ち上がりは難しそうだと、ややげんなり。全体の状況をみるためにも一回戦は見学したかったのですが、いきなりの対戦となってしまいました。ともあれ初戦を悔いなく戦おうと、安定力のある地属性で組んだブックで挑みます。

使用ブック:火山遁甲

試合開始。序盤からパーミッション、ホーリーワードXがどんどん出てきます。15Rあたりにはパーミッションが4枚全て出尽くしました。「これは、後々苦労するぞ…」1位で突っ走りながら、これが後半になってどう響いてくるのかかなり気になっていました。 とは言うものの、地属性の土地二つを取って、うち一つはグリマルキン。「たかさま」さんが地対策を施した風ブックで、ミゴールとダンピールが地属性の土地二つに降臨しています。グリマルキンの隣に さあさんのドリアードが配置されているので、移動侵略に関してはとりあえず一安心(←冷酷)

さあさんは地属性ブック。配置と周回で私に遅れをとるものの、ゾンビグースで巧みに魔力を稼いで行きます。たかさまさんは戦闘重視タイプのようで、グレアムがある状態でゾンビグースをスルー。頭を抱える私をよそに、さあさん絶好調。

そして最も警戒している世代さんは、四属性それぞれの基本壁クリーチャーとトラベゾン&リリーフを使ったブック。バルダンダースが猛主力クリなのは、もはや言うまでもありませんね。これは世代さんのAIが使っているブックと類似しています。なるほど、このマップでどの属性にも対応させられるというのは強みだなぁ。しかし、ダイスの目が悪くて配置に手こずっておられる様子。一方で壁は省エネクリーチャーなので、魔力は順調に伸びて行きます。

まずはたかさまさんの保有する地の土地と厄介なクリ二体をどうにかしなければ。ダンピールはパーミ周回中、スチームギアで倒すことが出来ました。数ラウンド後、北の砦に止まったときにダンピールを倒したスチームギアで隣のミゴールに移動侵略を企てます。しかしガセアスフォームで無効化。予定調和。 私の手札にはホーリーワードXがあり、次ターン使用するとミゴールの土地に止まることができるのです。そして私の手順。ドロー、コロッサス。手札には一枚しか入っていないバンディットが出ています。ちょっとやりすぎか……と思いつつ、しかし苦手属性の相手を叩く必要アリと判断し、支援つきバンディッツ・コロッサスでアタック。200Gドレイン。序盤のこの一撃でたかさまさんは出遅れることになります。

総魔力では私がトップ、続いてさあさん、世代さんとなります。世代さん、ピラーフレイムをドローした直後に、北の火土地に配置していたストーンウォールをレベル4に。二歩手前の砦には、私が止まっています。そして私の手順……ダイス2。 奪っても守れそうに無い土地だったので不安感を覚えつつ、スチームギアにアースアムルをつけて侵略。世代さんにトラベゾンがあったものの、地形効果が無いのでこの局面では役に立ちません。ピラーフレイムに配置交換して欲しかった……と心の中で叫びました。(私の後方に、手札ノークリーチャー状態のたかさまさんがいたので微妙なところですが) 数ターン後に火レベル4ギアにワイルドグロースを撃ち込み、一気に総魔力を上げることに成功します。更に数ラウンド後、マッドマンに配置交換して堅牢な拠点を作り上げることができました。

これで加速した私を、さあさんが追います。グースに加えてパーミッション・ホーリーワードXを使い、地形変化と領地能力で地属性の連鎖を増やしてゆきます。そして世代さんとたかさまさんが彼の拠点を踏むことによって約1500G〜2000Gの収入。対して私は、さあさんのバジリスクでグリマルキンレベル4に移動侵略されます。これはヤバイ!なんとかもってくれ猫さん! 拝みながらノーム使用。即死は……発動しない。反対にバジリスクを倒し、さあさんの連鎖を削ることに成功します。このような危ない局面もあったものの、どうにか5連鎖を維持している私とさあさんとの差は僅か200〜300G。

さあさんの南周回時、ご自分のバジの移動侵略失敗で空き地になった土地にマンドレイクを配置します。これはグリマルキン攻略のための布石と思い警戒しつつ、私も南へ周回。さあさんのランプロ付マミーレベル5にはらはらしながらダイスをふりました……う、一つ先の世代さん所有・一連鎖アイスウォールレベル4踏み。ここで480Gを手放せば土地を売ることになり、さあさんとの勝負に出遅れることになります。手札のバジリスクで直接侵略。即死発動。危なかった……

直後、さあさんがリコールを唱えて城に到達、ボーナスを貰います。あれ?いつのまに砦を回っていたのだろう。パーミッションを唱えておられたようです。マッドマンのレベルを上げ、ピカッと光ります。急がないとヤバイ! もう北の砦を回っており、目標魔力間際なので城に着けば私も上がれる状況。そこへ、たかさまさんが北の さあさんの土地にギガンテリウムで侵略をしかけます。守るのはアルマジロ。たまらずネクロスカラベを使うのですが、HPはみにょ〜んと伸びてHP60。さあさん、しまった!と思わず声を漏らします。腹黒い私はにやり。

さ、急がなければ……ダイス1。砦に止まります。さあさんの足を止めるために、バジリスク移動侵略。なんと即死成功。今日の私はついています。これで私の独走状態に入りました。私のレベル4マッドマンに世代さんのバルダンダースが突っ込む場面もありましたが、なんとか事なきを得て城に到達。一回戦を勝ち抜くことができました。

(※注) しかし、帰宅途中の駅のホームでカッパさんに予想外の試合展開を聞かされます。さあさんがマンドレイクを配置するのではなく、手前のマッドマンのレベルを上げた次のターンにリコールを撃っていたら、先に さあさんが上がっていたのです。手前のマミーに気を取られるあまり、そのあたりのことをすっかり見落としてしまっていました。


王都 マルセスブルク 26ラウンド
順位 セプター 魔力 枯渇
1 森陽 9938  
2 さあ 6678  
3 たかさま 424  
4 世代交TAI 310  


決勝戦に参りました。相手は、なんとSINさん……この方に勝てるのか……組み合わせで隣のB組だったので、次は当たるだろうと話しかけられていたのですが正にその通り。決勝戦まで進んだんだからよくやった、と自分に言い聞かせつつ、朝の光景を再び思い出します。駐車場のしろねこ。よし、ブックはあれにしよう! 悔いの残らないように。

使用ブック:白の魔導書

試合開始。蓋を開ければ、私とSINさんが同じ火属性をメインに置いたブック。しかも、「カミーユ」さんの手札には風の先制クリーチャーをベースにしつつ、パイロドレイクなどもかなり入っています。SINさんのお言葉を借りると、「火属性被り2.5人」。

1ターン、私は手札にあるホーリーワードXでいち早く火の土地に配置したものの、SINさん、カミーユさんも北の土地に殺到します。ただ一人「カツヤ」さんが地属性メイン。しかしカミーユさんの手札には今大会大人気のバンパイアハンターに加え、サンダーストームまでしっかり入っています。よかった〜、ブック変更して。駐車場で姿を見せてくれた白猫さん、ありがとう!

必然的に北の土地の配置が白熱するわけですが、まだ序盤中の序盤(確か2ラウンド)という時に、カミーユさんがSINさんの配置したピラリスに気合のウェザリング。流石に、そこを直踏みして侵略なんて都合のいいことにはなりません。その気合はちょっと違うなぁと思いつつ、SINさん大迷惑。そういえばこの方は、テレキネシスでとやぷうさんを苦しめたセプターだった…… そのスペルを警戒してサラマンダーのレベルを上げるのを控え、風に配置した後にアップヒーバルを撃って火にしていたパイロドレイクをレベル3にするに止めます。が、カミーユさんは北周回2周目でパイロドレイクレベル3を動かします。私、大迷惑。まぁ手札に侵略できるカードが無いから私でもそうするかもしれませんが……早いうちに使ってくれてよかったかな、と考えを切り替えることに。

しかしコーンフォークで猫を殴られたり、私の火パイロにパイロで突っ込んでグースを使わなかったり(注1)、フレームロードならぬサラマンダーにコーンで突っ込んでグース使わなかったり(注2)、先ほどテレキで動かされたパイロを戻したところに、もう一度テレキ発動でSINさんのスチームギアにぶつけたり、そうして移動した風パイロにパイロで直接侵略してHP10に削ったりと、別の意味で苦しみました。

(注1 この時、私の手札にはグレムリンアムルが。グース使わせたくなさにグレアム使っていたら土地を失っていました。)
(注2 この時、私はグレアム使用。SINさんは私の意志を汲み取って声をかけてくださいました。救われました。)

そうこうするうちに、カツヤさんはパーミッションと空き地の目立つ南で連鎖を組み立てて1位に。アンゴスツーラにカミーユさんが何度もダンピールで突っ込んで何度も失敗する中、SINさんはスペルカード・ランドトランス発動。なるほど、その手があったか!

SINさん、ラントラで得た魔力を城右隣の火に色変えしたキメラにつぎ込みます。地形効果を入れてHP90。バルキリー+エグゼクターで落とせる値です。エグゼクターを待ちつつ、しかしドローするのはボガート。……こんな貧弱なクリを引いてどうしろというのでしょうか。南を周回する際、砦隣の地属性にたまたま止まったのでとりあえず配置。今欲しいのは君じゃなくて、エグゼクター君なのだよ。すぐ落とされることを予感しつつ、再び北へ。ところが予想に反して、隣に配置されたカツヤさんのドラゾンのレベルが上がり、更にランプロがかかります。これはもう移動侵略はないということで、アップヒーバルを撃って連鎖稼ぎ。まぁ、踏まれたらすぐ潰されるんですけどね。 しかしこの時、このボガートが後にとんでもないことを引き落とすことになるとはその場の誰もが思いもしなかっただろう。ただカルドラだけが全てを知(以下略)

カミーユさんは地ではなく風に領地能力で地形変化したカツヤさんのハリケーンレベル4をデコイ+フュージョンで落としますが、総魔力はSINさんがトップ。キメラはパーミッションでどんどん強くなり、ピラリスもなかなかの攻撃力。そして手札にはブラックオーブ。なるほど、その手があったか! デコイレベル4を落とせる状況にありながら、悠然とブラックオーブを見せつつ土地レベルの上がりそうな地から先に抜けるSINさん。隣にカツヤさんのニンジャが控えているので土地は維持できず、更に均衡を崩してしまうことにもなります。やっぱりSINさんは上手いなぁ……。そして私のダイス、ぐは!キメラレベル4に止まってしまいました〜っ。

エグゼクターさえ来てくれればなぁ。手前の占い館でクリを引くも、出てきたのはスチームギア(二体目)だったのです。バルキリー+スチームギアであとHP10足りず、その隣はカミーユさんのナイキーがいます。ここは侵略しません。なんだかんだでHP10に削られて、ダルさを感じつつ移動させていたパイロドレイクレベル3を手放します。私は4位に後退。

周回したいが南の高額地が気になるため、パーミッションを待ちつつSINさんの連鎖を妨害し、かつ自分の連鎖を組みなおすために北へもう一周。この状態から1位に持ち直すのはかなり辛い……しかしカミーユさんのパァイロドレェイクによってHP10になっていたSINさんのキメラをバルキリーで落とす。幸か不幸か、その後火の土地二つにガスクラウド、パイロなどを配置でき、火の5連鎖に持ち直す。だが肝心のパーミッションは出ない。

総魔力トップ、手札のラントラ→投資ですぐにでも上がれるSINさんをドレインマジックを見せ札にして抑止するカミーユさん、土地は失ったものの依然地の連鎖とホーリーワードX・パーミッションの周回が順調なカツヤさんが総魔力4500G〜5000G台で追う。私にはようやく再構築できた火5連鎖と、レベル4サラマンダーのみ。総魔力2500G〜3000Gくらい。誰か踏んでくれないかと期待しつつも、皆さん素通り。

そしてダイス、SINさんのキメラはなんとか抜けたものの、先にはカツヤさんのニンジャ(水レベル1)か、同じくカツヤさんのグリマルキンレベル3の通行料288G。グリマルキンにバルキリーでアタックしたい。手持ち魔力は414G。う〜、なんかアイテムかクリーチャーあったっけ?いいや、突撃! バルキリーにギアをつければ、落とせなくてもラントラできるだろう。案の定落とせず、案の定天然ラントラ(この時、魔力-4G)でサラマンダーを泣く泣く手放し、手持ち魔力1756Gになる。SINさんを警戒してかドレインマジックしないカミーユさん。なぜかその直後、カツヤさん800Gから吸い取っていましたが。

ともあれ、資金はある。目の前には、忘れ去られていた火土地ボガートレベル1。当然、ここはやるしかない!全額振り込んでボガートをレベル5に。会場から軽いどよめき。あ〜あ、これで今占い館に止まっているカツヤさんがダイス4でも出してくれればな〜。まぁ、見せ場は作ったし、SINさんが本戦出場なら悔いはないさ!

で、なんか次のターンにカツヤさんがダイス4出しました。
(ガッツポーズ!)
心臓が飛び跳ねました。
(その後、悶え)

ままm、舞ってくださいよ〜、そこはそうすると、あれ〜なんかヤバくないですかか? カツヤさんの手札にはグレムリン、ニンジャ、グレムリンアムル、八つ裂き光輪、虹色の魔法のロッド。私の手札には、カウンターアムル、ペトリフストーン、ホーリーグレイル。
お隣、ランプロつきドラゴンゾンビレベル3の支援でST+10。
ニンジャ→ボガート側に防御アイテムあるので無理
グレムリン+ロッド→支援もついてST70で、10足りない

〈選択〉
カツヤさん:ニンジャ八つ裂き光輪
心臓バクバクな私:ペトリフ・ガード
ボガート いず さば〜いぶ 〈森陽のボガートは生き残った〉
がちょ〜ん  -5120G
ぱ〜ぱららっぱっぱっぱ〜 【サドンデス】

奇跡が起こりました。
あと1〜2ターンで確実に上がれたSINさんに勝てる唯一の方法。

総魔力2000G〜3000G余から
天然ラントラ→ボガートレベル5上げ→踏み
一気にサドンデス!

本当に、白猫さんありがとう。
私はこの日、この瞬間のことを一生涯忘れません。


王都 マルセスブルク 27ラウンド
順位 セプター 魔力 枯渇
1 森陽 9226  
2 SIN 5760  
3 カミーユ 5431  
4 カツヤ -957


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