「お姉さまぁ。 全頭マスクのペニスギャグ、ちょっと太めに替えたでしょ」 「あら、珍しいわね。お前がそんな口利くなんて」 「アヌスボール、少し直径太くして、ボールの間隔詰めたでしょ」 「…」 「アソコに入れたバイブも、新しい太ッといやつでしょ」 「…」 「お姉さまったらぁ!」 「…深雪、どうしちゃったの?今日は」 「すっごい苦しかったですゥ〜 鼻だけしか呼吸穴無いのに… 鞭の連打で呼吸が追い付かなくて… アヌスボールもわざと収まり悪く作ってあるから、ずっと中途半端に拡げられてる感じが続いて…」 片付けの手を止めて、お姉さまがカツカツとこっちへ来て、拗ねてふくれてるわたしの前にしゃがんだ。 「うふふ… 拗ねてる顔もかわいいわよ、深雪」 「はぐらかさないで下さい。今日のはちょっと苦しかったですッ」 「あらぁ、そしたらその呼吸制限の中で、失神寸前までイッたのは誰かしらぁ?」 頑なにふくれ面してるわたしのほっぺたを、指でプニッと押す。 「そっ、それは…」 「鞭打つ度に鎖が千切れそうなくらい、ガックンガックンてイキまくってたのは誰かしらぁ?」 先ほどの激しい快感の濁流を思い出して、ふくれ面のまま真っ赤になってしまった。 「でッ、でも… あれもこれもいっぺんにキツい部品に替えられたら、あたしだって… お姉さまのこと信じてても、『今度こそは死んじゃうかも』って思うんですッ」 「そう思いながら、最期には目茶苦茶にイッてオシッコ漏らしちゃったのは…誰かしらぁ?」 「…」 「好き…なんでしょ? 苦しいのが…」 ほっぺたを指で突かれたまま、耳まで朱に染めて、目線は外したまま、固い動作でコクリと頷いた。 突然、目の前にお姉さまの顔が被さってきて、少し尖り気味のわたしの唇に、お姉さまの艶やかな唇を重ねられ、 甘い舌の塊をねじ込まれてちゅううっと吸われた。 突然の熱流に、流されるように目を閉じ、少し斜(はす)に向いたままクチュクチュと唾液の交換をする。 手に持っていた全頭マスクをぎゅっと握り締めた。 拗ね顔の表情筋すら、溶ろかされるほどの濃厚なキスをもらい、表情がほぐれて陶然となる。 つうっと唾液の糸を引いて唇が離れた。 「ほら。 これが お・わ・び」 悪戯っぽく笑いながら片付け作業に戻るお姉さまの姿を、視界の隅に見ながら、わたしはまだ呆然としている… ふくれ面のはずの唇が、にへらとほころんでいる。 ええっとぉ… 拗ね得? 手袋をしたままの指で、緩みきったわたしの唇の、お姉さまのぬくもりの跡にそっと触れた。