ようやくたどり着いた、お姉さまの待つ別宅のマンション
高級そうなエントランスの前で、自動ロックの部屋番号をプッシュする。
立ち止まっていると、汚物の匂いが立ち昇って来て鼻の奥を刺激する。
足首まで垂れた汚物は、靴下を濡らし靴の中にまで溜まっている。
「深雪ね、入ってきなさい」
「はい…」
お姉さまの事務的な言葉に、小さく返事を返しエントランスをくぐった。
静かなエレベータ。
狭い空間に、私の汚物の匂いが充満する。
あまりの惨めさに、新たな涙が溢れてくる。
今はただ、誰も乗ってこないことを祈りつつ、最上階のお姉さまの部屋へと向かう。
幸いにも、一度も止まることなくエレベーターは最上階へとたどり着いた。
お姉さまの部屋まであと少し。
人気の無い静かな通路を奥へと進む。
そうしてる間も、オムツの隙間から汚物が滴り落ちていく。
制服のスカートから汚物を滴らせた変態、それが今の自分。
靴の中で、ぐちゅぐちゅと汚物を踏みしめヨロヨロと歩いていく。
「ここがお姉さまの…」
マンションとは思えない重厚なドアの横に、「小早川」の表札を見つけました。
震える手で、呼び鈴のボタンを押しました。
「深雪、遅かったわね」
「す、すみません…」
インターホン越しのお姉さまの不機嫌そうな声に、頭を下げてしまいます。
こんな格好を、他の住人の方に見られたくなくて、ドアが開くのを今か今かと待ちます。
しかし、一向にドアは開く気配がありません。
「お、お姉さまドアを開けてください」
インターホンに向かって、訴えました。
返って来たのは、お姉さまの非情な声だけでした。
「言いつけどおりにしてきたの?」
「は、はい」
「オムツの中はどうなってるのかしら?」
「…!」
意地悪なお姉さまの質問に、私は絶句しました。
ただでさえ静かな廊下です。恥ずかしくて、顔を真っ赤にして俯いてしまいました。
「答えなさい、深雪!どうなってるの?」
追い討ちをかけるような、お姉さまの声。
私は、震えるような小さな声で答えました。
「う、ウンチで…一杯です…」
かばんの取っ手を握り締める手に、力が入ります。
「よく聞こえないわ、はっきり答えなさい!」
「ひっ…」
お姉さまの苛ついた声に、ビクッと身体が強張ります。
周りに人が居ない今なら…
ごくっ…、緊張で唾を飲み込みまSた。
「う…ウン…」
そこまで口を出たときでした、静かな廊下の向こうから靴音が聞こえてきました。
コツコツコツ…
誰かがこちらへ向かってきています。
いや、聞かれちゃう…。
口をつぐむ私に、お姉さまの冷たい言葉が追い討ちをかけます。
「何グズグズやってるの!そのままずっと立ってるつもり!」
「いやです…許してくださいお姉さま、ドアを開けてください」
「開けて欲しければ、はっきり言いなさい!」
冷たく閉ざされたドアを見つめて、身体を震わせる私に汚物の匂いがまとわりつきます。
ドアの前は、私のオムツから発する匂いで、不潔な公衆便所のようです。
その時、歩いてくる女性の姿が目に入りました。
気付かれちゃう…
私は、あわてて声を張り上げていました。
「ウンチで一杯です!足首まで垂れて靴の中にも溜まってます!すごい匂いで、とっても臭いです!」
「ふふん、そうなのじゃあスカートをめくって見せて御覧なさい」
「えっ!」
「どうしたの、早く見せなさい!」
そうしてる間にも、女性は近付いて来ています。
「わ、分かりました…」
わたしは、足元にカバンを置くと、半ばやけになってスカートの裾をたくし上げました。
「こ、これで…いいですか…ぐすっ」
「良く出来ました、オムツから溢れた汚いものまでよく見えるわ」
スカートの裾を掴んだ手が、ブルブルと震えます。
お姉さまがそう言うと、ガチャッとロックが外れる音がしてドアが開きました。
怪訝そうな表情を浮かべる女性を気にも留めず、部屋の中に飛び込みました。

深雪小便器


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