<Lesson #9>
'03.11.2
曇りかな。雨もぱらついてたようです。
レッスン前に大きな本屋に寄って,戯れに(^^;;)第九のスコアを買いました。
音楽之友社刊,なんと2003年10月31日第1刷とあるので,最新刊??
合唱部分だけではなく,オーケストラもある分です。
これで何をするのかって?どーせ,読めんくせに…っていわれそうですが…
はい,否定しません(きっぱり)。…あたりまえやん!
で,そのこころは?
週刊文春 11月6日号の表紙裏の見開き,裏表紙と裏表紙の裏(←なんのこっちゃ。(^^;;))を
ご覧になれば,ちょっとはその気持ちをご理解頂けるでしょう。
今日は花月先生はお休みで,リリーフ,有元先生の登板です。
ピアノは誰やろなーなんて思いつつ,ぼちぼちと会場へ。
<やっぱり発声練習はいる?>
先週はお休みしたので,2週間ぶりにいつもの面々と挨拶です。
そうこうするうちに有元先生登場。ピアノは山本先生です。
簡単な自己紹介をされた後,今日の指導内容の発表です。
#事前情報では,フーガ中心におさらいをするとのことでしたが…
山本先生と相談の結果,まだ積み残しが多いので,初出のところをやりきる!とのこと。
結構ヘビーですよ,これは。
まずは体をほぐす体操。上に伸びてぱっと力を抜く。首,肩を回す。
泳ぎの形で手,肩を動かします。クロール,平泳ぎ,背泳,バタフライ…立ち泳ぎぃ?まぁ,これは冗談でしたが。
顔の形をつくる。笑顔,笑顔。胸を開いて…上げて…の呼吸。
次に発声練習です。まずは「ま」で上がったり下がったり。結構高いところ,低いところまで引っ張りました。
今日のレッスン内容を思えば,もっともです。
次は「ば」。しっかり唇を閉じて(くっつけて)発声します。
どうもお腹から声が出ていないということで,具体的なイメージトレーニングをやります。
「お尻に力を入れて,皮をおしりの穴から,お腹に向けて押し上げるつもりで」
つぎは,「となりのビアガーデン」。そういえば1年ぶりですねぇ。もう,ビアガーデンの季節ではなくなりましたが。
少し速めのテンポで歌います(ん?歌う,か?)。もちろん,ドイツ語っぽく。
そして,発声練習とはいえ,だれないこと。だれてしまうと,後が続かなくなりますよ,ということです。
テンションを上げる意味でも,発声練習は必要?
<こーわしよった,壊しよった,せーんせーにゆーたろ!>
さて,まずはマーチからやりましょう,ってことでマイクを置こうとしたところ,スタンドのクランプが外れる。
「あぁぁ〜!」という絶叫と,衝突音。(笑)
一生懸命直そうとしますが,気が急いてなかなか直せません。ピンを打ちこめば直りそう…
「どなたか,ペンチ持ってません?」…持ってるわけ,ないやん。
結局,事務局の方がそれを回収し,直すこととなりました。
ようやく本題です。P20,399小節です。ここはテノールが
I (1st)と II (2nd)に分かれます。
「高い音が得意な方は1stへ,音をとるのが得意な方は2ndへ」
2ndは合計3名のみ。少ないですねぇ。
「本番の配置的にはバス寄りなんで,真ん中寄りですよぉ,他にいませんかぁ」
との客引きの甲斐なく,結局,3名だけでした。
#中央寄り…結構魅力なんですよね。指揮台に向って,遮るもの,なしの確率が高いですから。
最初の Laufet だけで,結構な時間を食いました。
「体を細くして!」
これは物理的に細くするのではなく(当たり前ですね),お腹を引き締めるが如く,たるまないように,
と受け取りましたが…
一応 Laufet の OK が出たものの,次の Bruder
では「弱い」との指摘。さらに次の dreudig は「怒っちゃいかん」。
#うーん,ええとこなしですね。
「じゃぁ,女声でやってみましょう!」
これには,訳がありまして…ここだけ,女声は一切ないんですね。
だから,ここのレッスンは女声はつまんないわけです。
そして一万人の第九のレッスンのうち,特別レッスン,所謂「佐渡練」では,男声は佐渡さんと肩を組んで
一緒に歌うんですが,当然,「いいなぁ…」って訳です。
だからせめて,レッスンでは女性にも歌ってもらいましょう!ってことです。
#当然,聴いてて知ってますよね,女性の皆さん!
バスパートはさすがにうまく行きませんでしたが,テノールパートは案外上手じゃないですか。
もっとも,これでピシッっと決められては立つ瀬がありません。(^^;;)
<明るく,跳ねる>
バスは,411小節〜,あんまり動きがありません。ですが,つまんなくやらないこと。
415小節,freudig でぽんと音が跳ねあがります。音の高低と一緒,跳ねるように。
424小節,コーラスの先陣をきって,一発目の
freudig ,これは明るく!
テノールも基本的には一緒ですね。425,426小節の
freudig はバスに続いてもっと弾むように,
けど,叫ばないこと。
429小節,Siegen は,sf がついているように,強調するように。
で,頭から通してやります。ですが,429小節の所で「リズムが壊れた,残念!」とのこと。
何度か歌って,「ま,いいでしょう」
女声でも何度か歌いましたが,「本番じゃ,一緒に歌っちゃダメよ」
うまくなるコツについても,お話がありました。
「うまいヤツをまねろ!」
近くにええ声を出している人を見つけたら,その声を真似る。真似るうちに自分もそのようになれるし,
孤独感を感じないから思いきり歌えるんです,とのことでした。
うまく上手い人を配置できたらいいんですが,とも仰ってましたが,それはなかなか難しいですね…
#「学ぶ(まなぶ)」は「真似る(まねる)→まねぶ→まなぶ(学ぶ)」となったものだと聞いた事があります。
#そういえば「バス,上手いやん。さすが花月先生のクラス」との言葉もありましたね。
#花月先生曰く,「生徒は先生に似る!だから,ボクを真似して!」とよくいっておりました。
<合唱で一番おいしいところ>
次は,P31,631小節からです。
有元先生曰く,
「よー ここを残しといてくれたなぁ。一番ええとこやで。合唱やっててよかった!って思えるとこ」
最初の Ihr sturzt ,「いーる」はいいとして,「しゅとぅーるつとぅ」は結構難しい。
外国語の歌に多い,ひとつの音符にひとつの単語を載せるところ,日本人にはなじみの少ない(?)
歌い方をするところですよね。(日本の曲の場合は,大抵,音符ひとつに,ひとつの音(おん)のハズですから)
しかも,クレッシェンド,デクレッシェンドが短い中にあるわけですから。
ここは,「出して…引く」ではなく,向こうの方にふんわり着地させるようなつもりで歌うこと。
634小節の (Milli)onen ? ,638小節の
Welt ? ですが,「?」があるように問いかけなんですね。
「みな,どやねん!」っていったところでしょうか。ff
の勢いで向こうに問いかけて,休符で様子を伺うってところかな。
635小節の Ahnest は pp からのクレッシェンド。出だしは溜息にならないように。
そして,無段階変速的にクレッシェンドができるんなら別なんでしょうが,音符毎にヴォリュームを上げるように
すればいいとのこと。
637小節,Schopfer は後ろには休符があります。長く伸ばさず,さっと切る。
Ster-nen-zelt の zelt だけが合うと,変に聞こえるので,その前の
nen もしっかりと。
639小節も,pp から入るのですが,前の ff との落差が気になっても自信をもって歌い出すこと。
加えて,祈りを込めて聞くような感じで。
646小節,wohnen には,sf があります。ここで一度ピシッと合わせなおすこと。
歌詞的にも uber , uberm , Sternenzelt といったように,”上”や”天空”を指す言葉が何度も出てきます。
その歌詞の意味を汲み取った上で,その意気を伝えないとダメなんだそうです。
650小節から,女声はしっかりとリズムを刻むこと。そうすることで男声とうまく合うようになります。
言葉の発音では,uber は「いーべる」であって「いーべるむ」ではない。唇をつけてしまうと「む」がでるので,
注意することが必要です。
パート毎では…
バス,634小節,バスだけ大きく音程が上がります。「バスはここが目標!」
641小節あたりでは,テノールの領域に入るんで,一番しんどいところのようです。
ソプラノ,あたまから,他のパートの自然と乗っかるように。ソプラノは別世界なんだそうです。
640小節,パンと上がること。
テノール,636小節,テノールだけ大きく動きます。しかも,他のパートよりも一瞬後にでるので,ここはある意味,
聞かせどころなわけです。でもなかなか den が目立ちません。「…den
が 出んなぁ」なんてなこと,言われました。
#何枚か第九のCDを持ってますが,何故かカラヤン指揮の2枚はここがほとんど目立たないんですよ…
アルト,644小節,ここはアルトだけ大きく動きます。上りをはっきりと。
650小節,ここはソプラノになったつもりで歌うこと。
654小節,アルトはここで「ホッ」っとしないこと。次のフーガが控えています。
今回,(ここには書ききれていませんが)すっごく丁寧に,曲の構造というかロジカルなところを説明され,
なんとなく(あかんがな…(^^;;))納得。その上で,合わせていきます。
<悲しいフーガやね>
P31,631小節から通して歌います。
最初は,いきなり Ihr sturzt nieder で止められます。えーと,なんで止められたんだっけ?
再度,627小節からピアノを弾いてもらいます。
今度は歌いながら聴いてても,結構いい感じに進みます。
pp からのクレッシェンド,デクレッシェンド,結構いいんじゃないですか…
ff ,そして pp 。
結構うまく行きましたが,639小節,ihn の入りが速い!
あれ?と思ったら,やっぱり止められました。
「思いこみで歌ったらダメですよ。どんなときでも,どんな指揮でも(笑),指揮を見て!」
「佐渡さんはね,結構ここ,引っ張るんですよ」
そうなんですよね,大阪Gの欠点,”テレビ映りは気にするが,指揮は見ない”
#って,あかんがな,おい!
なかなか暗譜できないもんですから楽譜を見入ってしまう…で,合わない。
なんとか合わせようと花月先生は指揮棒で譜面台を叩いて音をだしてくれるから,皆,それに合わせて
歌ってしまうんですね。だから,今回も指揮が見えていない,ということなんでしょう。
#これは,暗譜とまでいかないまでも,覚えていない,覚えようとしない我々が悪いんですよね。
歌いなおして,今度はうまく行きます。654小節,(woh----)-nen
。指揮は止まりません。
アルトの Seid から,フーガに入ります。有元先生,苦笑
止めるかな,と思いきやそのまま流します。どんどん進んで行きます。有元先生,苦笑
フーガが終わり,止めるかな…いや,流します。
730小節,R に突入。762小節まで歌い切る結果となりました。(確か,そうでしたよね??)
#フーガに入ってから譜面をめくってないんで,何にもメモできてません。f(^^;;
終わって一言。「聞いてて悲しくなりましたねぇ…」(苦笑)
確かに。
要所々々で,各パートが出るところでピシッ,ピシッと決めていくとメリハリが出ていい感じになるようです。
それと,我々は,区切り々々でいちいち止めて練習することになれてますから,そのまま流して歌うと
思ってなかった方がほとんどでしょう。でも,続く以上は,ちゃんと歌わねばなりませんよね。
止められるまではテンションを抜かずにやっていきましょう。
経験者クラスでは,それが当たり前のようになっているようで,どんどん歌っていきます。
このあたりが,初心者クラスとの違いなのかな?経験者クラスの緊張感は,結構いいもんです。
#なんで知ってんのって?…はっはっは。
「それと,一度やったところ,忘れないでくださいね。もっぺん(もういっぺん)やったとき,コケないように」
「感覚で,感じで覚えといて。書き留めるのは難しいから。」
#まぁ,小生はこうやって書き留めることで反芻するように努力はしとりますが…(^^;;)
#でも,なかなか身によくつかず…(--;;)
#それ以前の問題もありや無しや??
<時間がぁ!>
かなり丁寧にやったので,もう時間がありません。
急いで,P46,795小節,S に取りかかります。
「1分,2分で,できるわけないがな!」
といいつつも,やります。(^^;;;;)
795小節からの Deine Zauber はクレッシェンドして行くんですが,フレーズ毎に段階的に大きくしていく
ぐらいでいいとのこと。
最初の Deine Zauber は息音(って言葉はないけど)を入れて,次の Deine Zauber からしっかり歌うこと。
806小節,Alle Menschen ,頭に休符があります。これが曲者。
ここの入りがなかなか合わないんで,先生,休符のところを足で踏み鳴らし,それを合図に
Alle を出します。
#実際は音がないわけですから,感覚を覚えておかなくてはなりません。
このあたりを何度も繰り返したところで,時間となりました。
<テンションを維持しないと>
今日も結構ハードな練習でした。
でも,Sが終われば一通りなめたことになりますね。一応の到達地点が見えてきました。
#音楽になってるかは,なんともいえず…やっぱり20年後に期待?(^^;;;;)
佐渡練も決定,11/29の土曜日。これは会社勤めにとってはありがたいです。
3年目にして初めて”風邪をひかずに”済みます。
#これまでは”風邪をひいたから”平日の佐渡練に参加できたんですよ。(笑)
会場はこの体育館とは異なりますが,場所は知ってます。ただ要領がわからないんで…作戦は練り直しだな。
皆勤賞の人は今日で本番参加権獲得。次回にチケット配布でしょうか。
だんだんと気分が高まってきますよね。なのに…11/9が休講なんて。
#声を出すだけでも,11/8には行っておかないと,テンションが切れてしまいそう…
−−−−−
今日買ったスコアに書いてあったのですが,1998年8月に新しいドイツ語正書法が施行されて,
エスツェット(ギリシャ文字のベータの記号)は,ss
に置きかえられたそうです。
このレッスンレポートでは,そんなことはつゆしらず…
s は重ねずにしたままです。
今年の分は,これで堪忍してくださいませ。