◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆@RAID以前◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
RAIDが世に出る前にも通常のHDDよりも転送速度や信頼性を向上させるためのハード
ディスクは存在しました。また、現在でもその性能を重視する市場で広く使用されていま
す。RAIDの説明の序章としてこれらの技術にも少し触れてみたいと思います。しかし、
今後RAIDの技術や信頼性が市場に認知されいくにつれて置き換わっていくことと予想
されます。
-------------------◆◆◆◆◆◆@−1 PTD◆◆◆◆◆◆-------------------------
パラレル転送ディスク( Parallel
Transfer Drive )のこと。
通常のHDD PTD
図−1 通常のHDDとPTDの比較
通常のHDDには復数枚の円盤(磁気ディスク)が入って、それぞれに円盤の裏と表で2
本づつの磁気ヘッドがある。通常のHDDは、R/W回路が1ヶで1本のヘッドを選択して
R/Wを実行する。
PTDはこの磁気ヘッドを全部まとめてR/Wするものである。この場合のデータ転送速
度は、
元の速度×同時にR/Wするヘッドの本数
となり通常のHDDに比べてデータ転送速度は飛躍的に向上する。
しかし、HDDのヘッドを移動させる機構(アクチュエータ)自体は通常のHDDと同様、
普通は1つしかないためトランザクション性能(時間あたりのコマンド処理能力:Transaction
rate)は単独ディスクの場合と変わらない。
また、従来は1系統だけで済んだR/W回路がヘッド本数分必要となるわけで装置単価を
上昇させる原因となる。このためPTDはSLED(Single
Large Expensive Drive)とも
呼ばれている。
とにかく性能第一でビットコストを気にしないスーパーコンピュータや業務用画像処理装
置といった限られた用途でのみ使われている。