棋譜検討[4]kiyo 対 wll

厚く打って、途中までは有望だった。 攻めがまずく簡単にしのがれてしまい、 地が足りなくなりました。


NNGS(No Name Go Server)で、34局目、 wll さんとの初めての対局でした。 講評は、sango(珊瑚) のハンドル名で活躍されている 浅井忠さんによるものです。
【 】内は、本人(kiyo)のコメントです。

      白:kiyo(2k*)
      黒:wll(2k*)  黒5目半コミ出し
              黒中押し勝ち

第1図 (1手から26手まで)


【このあたりは特に問題なし。 右辺、黒の3子に対する攻めが楽しみ。】

第2図 (27手から46手まで)

変化図1   

白44は、変化図1のように上方にノビるのもあったようです。
変化図に示すようになれば白好調です。
【変化図のようになれば、本譜の進行に比べて黒の眼形を奪っている思う。】



第3図 (47手から57手まで)

変化図2A   

【黒57といかにも急所というところに守られてしまった。
黒53のハネに対して、57あるいはその1路下にノゾいて 黒を攻めることはできないだろうか?】
白54で、57にノゾクのは、変化図2Aのように、 黒にアタリアタリで中央に頭を出されて、 右辺上の白が薄くなり、良くありません。





変化図2B   

変化図2Bの進行になれば白は全く厚くなり良いと思いますが、 黒からの変化も考慮する必要があります。
すなわち黒4で単にAとこられる心配があります。


第4図 (58手から79手まで)

白58は、そんなに急ぐところではありません。
黒が這ってきたら、2段バネが用意されています。
この時点でも、左辺の黒3子をせめながら、 白地の拡大と一間トビトビの白4子の安定を図るべきと思い ます。

【どこから攻めていったらいいかよくわからなかった。
白66で、白A、黒66、白Bのように打つのはどうだったろうか?
厚みを囲うようだし、黒の下辺も大きくなるので良くないか?】
白66でも、黒3子の先制攻撃で有利な体制を築くチャンスでした。
実戦譜より、Aの方向からの方が良いと思いますが、 やはり着眼点を相手の弱いところにおくべきです。
白76と打ち、黒77と先に飛ばれたのは、ひどい損でした。 互いに一間にトビあった形では、何としても先に飛び出すべく 工夫をすべきです。
黒79が絶好点のトビとなり、黒好調です。 もっとも、白76と打って、右下辺に強烈な攻めがあれば 話は別ですが、どうも生きは確かのようです。

【それでは、白66で、変化図3のように攻めるのはどうだろうか?】
変化図3は、どうも白4子を薄くして問題です。
黒の頭を押さえる方向に打って、自軍の安全と黒の攻めを見るべきです。

変化図3   


第5図 (80手から101手まで)

【白80で82に打って黒を攻めるのはどうだろうか?】
その変化は、自陣にわざわざ黒を追い込む手であり問題外 の手と思います。

変化図4   

【白98で変化図4のように打つのはどうだろうか?】
変化図4もあるかも知れませんが、ここは白98にノビておかねば 仕事になりません。

第6図 (101(再掲)(1)手から129(29)手まで)

白128で、変化図5の白1とノゾイて、ツゲば、黒石が御用と なります。少しでもチャンスがあれば、厳しくやって行くべきです。

変化図5   


第7図 (130(30)手から156(56)手まで、以下略)

【白132で、変化図6のように右下の黒を攻めるのがよかったか。】
黒に、変化図7のように打たれます。

【白136で、変化図8はどうか?】
変化図8も、余り感激のない、代わり映えがしない手です。

変化図6 変化図7 変化図8




【せっかく厚みを築いても、どこから攻めていったらいいか わからないというところが問題のようです。
自分の薄いところをカバーしつつ、攻めによる効果(地あるいは厚み)が なるだけ大きくなるような場所をどうやって見つけるかが課題。】



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