棋譜検討[3] kiyo 対 lioba

相手の lioba さんの接続状態が悪く、打ち始めに4〜5回接続が 切れ、その後もかなり通信の遅れがあったようです。 そのため、持ち時間が少なくなり、持ち時間の追加を2回ほど行ったのですが 私が形勢判断のため地を数えているうちに lioba さんの時間が切れてしまいました。
このときは私の方は通信の遅れはありませんでしたが、まれに、 打った石が盤面上に確定表示されるまで数分かかるときがあります。


NNGS(No Name Go Server) で、私が24局目に打った、lioba さんとの 初めての対局でした。 講評は、sango(珊瑚) のハンドル名で活躍されている浅井忠さんによるもの です。
【 】内は、本人(kiyo)のコメントです。

      白:kiyo(2k*)
      黒:lioba(3k*) 黒半目コミ出し
              白勝ち(黒の時間切れ)

第1図 (1手から22手まで)

黒15まで、極く普通の布石で問題無いと思います。 この当たりでも、議論していると、中盤の大事な局面での検討 が疎かになります。
白18のカカリもこちらからかどうか議論がありますが大 した差がありません。白22の打ち込みも、少々強引です が気合いの1手で善悪は言えません。
【白22で、18、20の石からヒラク方が無難かもしれないが、 何となく打ち込んでもやれそうに思った。】

第2図 (23手から30手まで)

黒23に対して、白24はやや変調と思いますが、白18 と白20との連結を見ており、理解出来ます。
【確かに変な格好でちょっと気がひけた。 他にいい手が浮かばなかったのです。】

黒25は損を先にする手で良くありません。黒27のハサ ミまで黒に誤算があったようです。白30に切られて全く 黒は良くなく白優勢です。その意味では、黒は白22の頭 にツケテ厚く打つところです。(参考図1)


【黒25はありがたかった。】

参考図1


第3図 (31手から34手まで)

白34は、一路下のハネの方が良いかどうか難しいですね。 白34は、上からのオサエもあったと思います。(参考図2)
【参考図の変化は構想が大きいが、ちょっと考えつかなかった。】

参考図2


第4図 (34手(再掲)から48手まで)

黒37は、35の左のノビキリが急場と思います。
黒43は、右下の5子との連携がなく、無理です。したがっ て、白44はAのノゾキからCのツケ、またはBのツケで、 黒石を分断しておくべきです。
同じ理由で、白48は、Aと先にノゾイて, Cと黒石を割いて行くべきです。
【第5図でCを黒に打たれ、白の形が崩れて(キリが残り) 不満であった。
AからCという呼吸を会得したい。】


第5図 (49手から62手まで)

白62では、参考図3 のように、そろそろ大技を考えても良いと思います。 白16まで、下辺と左辺の石を脅し、中央を制覇するのが 面白いと思います。
また、右上辺はまだ,A点が残っております。 この構想では後変化しても、白圧倒的な有利の展開となるで ょう。

参考図3

【参考図を見るとなるほどと納得しますが、 打っているときはここまで読めない。 特に13の断点のあたりがどうなるか、石を並べないで 読む力がまだないようです。】




第6図 (63手から100手まで)

白100とは、良い手がありました。これで白安心しました。

第7図 (101(1)手から120(20)手まで)

白118は、Aへのハネです。相手には常に生死の恐怖 を与え続けることが重要です。
まあ、白は118で、生きるのでなく参考図4の ように黒石を取って収まるのが最善と思います。 ともかく、貪欲に考えて行くべきです。
【Aのハネぐらいは打てても良いはず。相手の時間が気になったりして 読みがおろそかになっていたか?(言い訳だけれども)】
【敵に打たれて自分が不利になりそうなところと、 自分が打って敵を圧倒するようなところがあるときに、 つい自分の弱みを守りにいってしまうときがあります。
有利、不利の度合いを余り正確に認識できないせいもありますが、 自分の弱みが目につくと、敵の欠陥を攻める手を 読まないでしまうこともあるようです。】

参考図4 
黒14ツグ
(A)

囲碁は、戦いです。ずるずると決着を付けずに行きますと 自陣が怪しくなることが多いのです。手があって絶対有利にな るチャンスは、絶対にものにすべきです。
【自分の欠陥をそのままにして敵を攻め、結局失敗する ことも多いので消極的になっているのかも知れません。 体調や気分によって違うようですが...】

終局図

【右辺は大きな詰碁のようになっています。
□に白の欠陥があるので黒が活きているようですが...
仮に、□に白石があるとするとどうなるでしょう?
白△から打って黒を殺すことができるような気がします。】



総評: 白は、黒の右辺の不利な分かれから、有利な戦いであったが どうも、決め手を出せずにズルズル勝負が長引きました。 もう少し、決めるところはガッチリ決めたいと思います。
本局は、全体に黒が薄く戦いにくかったようです。 ともかく、厚く打って決めるべきところと判断したら、緩めず に攻撃して行きたい。  

本対局の棋譜についてはSGFフォーマットの棋譜データが ここにあります。 棋譜が再現出来るソフトを御持ちの方は、ダウンロードしてご利用下さい。