珈琲フッコ [福岡県福岡市大名]


流れている時間と音楽、訪れる人々、何もかもが魅力的だった。
毎日ここで時間を過ごせたらどんなに幸せだろうといつも思っていた。
ふと気づくと、もうずいぶんと訪れていない。
憧れの場所と時間は今もきっと変わらないけど、今のぼくの日常はこの街にあるもので
十分満たされているんだと思う。
なんとなく行きたくなったら、またふらっと出かけることにしようか。



cafe gallery ひなぎく [荻窪]


電車の音を聴くたびに線路が近いことを思い出す。
それまでは駅の近くだとか、環八の近くだとか、ここが東京であることさえも
忘れていた。
太陽の光が差し込む午後も、ほのかな明かりの夜も同じくらいの明るさで、
どれくらい時間がたったのかもわからない。
すっかり珈琲カップの底が乾いた頃、ビールと惣菜を注文する。
スタッフとの会話も弾む頃、気づいてみれば店内には誰もいなくなっていた。
ほろ酔い気分で店を出て、ネオン輝く街を横目に家路を急いだ。




ROBA ROBA cafe [経堂]


ひなぎくからロバロバへ。
高円寺からも引っ越した街からも自転車で出かけた。
人気の展示やイベントをやっていても、ぼくらが着く夕方ころには空いていて、
いつもカウンターでいのまたさんと最近のことの話しをした。
ふと思い立ったときに立ち寄って、話しをしたりして過ごす。
そんな場所がまたひとつなくなって、ぼくらはちょっと寂しくなった。


 


cafe ordinaire [下北沢]
the apartment [池ノ上]


下北沢の駅を出て、迷うことなくいつものカフェへ。
マスターにあいさつをしてカウンターに腰を下ろす。
珈琲の味にうなずきながら、さっき観た映画のパンフに目を通す。
窓の外を少し眺めてこれから何処へ行こうかと考えてみる。
行き先を決め、レジへと向かい、マスターと少し言葉を交わして、
人通りの多い街へと戻り、別の街へ向かうために駅までの道を戻った。

 


百音 [高円寺]


ぼくが高円寺に引っ越してきた頃、この路地には『ゆめや』という珈琲豆屋さんがあった。
そのお店は全体が朱色をしていて、店の前にはいつもオレンジ色の自転車が止まっていて、
少し段を上がったところにいつも猫が寝ていて、晴れた日はその光景がドキドキするくらい素敵な場所だった。
しばらくして、お店は少し離れた場所に移転してしまい、この路地を通ることも少なくなったけど、このお店の前にカフェができてからは、またこの路地を通るようになっていて、豆屋さんの後にも古着屋さんができた。

その時と同じ猫かは分からないけど、今でも猫たちがこの路地を行き来しているので、百音の中から路地を眺めながら、たびたびガラス張りのスクリーンに映る古着屋さんの前の彼らの姿を見ることが最近の楽しみになっている。

ぼくもいつかこんな風に猫たちを眺めながら、珈琲を淹れたりできるといいなあ。

 


mws a point [目白]


フランク・ロイド・ライト設計の自由学園 明日館を一目見ようと目白駅から線路沿いに池袋へと向かう。
西武線の高架をくぐると、マンションの1階に白い一際窓が大きいカフェがあった。
気になって仕方がなかったのだけれど、あまり時間もなかったのでとりあえず自由学園へ向かう。
目白への帰り道。がまんできなくて入り口のドアを開ける。その時からぼくのお気に入りの場所になった。