[テント内外のレイアウト]

 パッキングのコツは、装備の重さや使用頻度を考えて合理的にしなければならないとパッキングの項で紹介しましたが、テント内外のレイアウトについても同様のことがいえます。
 テント内はきちんと整理しておかないと、居住スペースが狭くなって窮屈なばかりか、ストーブを倒して火事を起こしたり、緊急に避難しなければならない事態に陥ったときに逃げ遅れるようなことになってしまいます。
 普段私たちが生活している家は、玄関、台所、寝室と目的に応じたスペースに分かれていますが、狭いながらもテント内もそれぞれの機能を受け持つスペースに分け、装備を整理しておくように心がけましょう。
 玄関に相当するのは、タープの張り出した前室スペースです。シューズや雨具、その他の汚れものはここに収納します。強い雨が降って前室に吹き込んだり、冬期でシューズの凍結が考えられる場合は、テント内のゲートに近いところにポリ袋などを広げて、そこをげた箱代わりにします。
 ストーブ、コッヘル、食糧、マッチ、予備燃料などは必要なとき以外は邪魔になりますから、まとめて端のほうに寄せておきます。、ヘッドランプ、ナイフ、カンティーンなどはいつでも手を伸ばせば取れるように、枕元に置いておきます。衣類を入れたスタッフバッグは枕代わりに、空のザックは足元に敷いてテントマット代わりにします。
 テントの外を調理スペースとする場合は、テントを風除けにして、風下側で調理をするといいでしょう。直火が許されている場所なら、ぜひとも焚火で夜の雰囲気を盛り上げたいところですが、焚火もテントより風下で起こすのが鉄則です。風上側で焚火をすると、火の粉が飛んでテント生地に穴をあけたり、最悪の場合はテント焼失なんてことにもなりかねません。
●追記
 ぼくは、ヘッドランプや時計などとともに、かならずナイフを手の届くところに置いています。動物に襲われたり、テント内で火事がおきたりといった不測の事態に見まわれたとき、ゲートのジッパー手探りしていては手遅れとなる可能性があります。そんなときは、ナイフで本体を切り裂いて、外に脱出しようというわけです。

[オートキャンプの場合]

 オートキャンプの場合、テーブルやストーブ、ランタンを外に並べるのが普通ですから、それらとテント、タープの位置関係(レイアウト)が問題となります。先にも紹介したように、テントを風避けにして、ダイニングセットは風下側にレイアウトするのが一般的です。
 オートキャンプでは、テントの中にいるよりも、タープの下のアウトドアリビングで過ごす時間のほうがなりますから、ここの環境を最優先します。平らで風通しのいい場所を選んでタープを張ったら、風上側にタープの下にゲートが入るようなレイアウトでテントを張ります。さらに、テーブルをタープの傘の下中央に配置し、ストーブ、シンク、ウォーターキャリア、クーラーバックなどを集中して端のほうに配置します。このとき、排水の方向に注意しましょう。一見平坦に見える土地でも、微妙な傾斜があるものです。水周りは、必ずアウトドアリビングの中でもっとも低い場所に設けるようにします。もちろん、テント方向にも排水が流れていかない位置にしなければいけません。
 さらに、ランタンはテーブルの上に置くと目が光源に向いてまぶしいものです。これは、タープのポールなどを利用して、アウトドアダイニング全体に光が回る高い位置にセットしましょう。できれば、ランタンを二つ以上用意し、テーブルを挟んで対角線に配置すれば、陰ができにくく、調理などの作業もしやすくなります。
 テント内の配置は、先に紹介したベーシックな方法と基本的に同じです。

before
next
step6