[足元を見られないために]

 フィールドで意外に多いのが足回りのトラブル。ファッション性だけで選んだ靴が足に合わずに靴ズレを起こしたり、重い荷物を背負うのにジョギングシューズを履いていて足首を捻挫したり……。「足元を見られる」という言い方がありますが、まさに、アウトドアの経験の深さはその人の足元を見れば一目瞭然です。快適なアウトドアライフを過ごすためには、TPOに合わせた靴選びも重要なのです。

[靴下]

 フットウェアというと、すぐにシューズはなにがいいかといった話になりますが、その前に、もっとも足に近いフットウェア、靴下に注意を払う必要があります。マメや靴ズレができると、シューズが足にフィットとしていないためと思いがちですが、かなりの割合で案外靴下に原因があります。
 マメや靴ズレの原因は、蒸れと擦れです。薄い綿の靴下は、すぐに汗で濡れ皮膚をふやけさせます。それが摩擦によってすぐに擦過傷を引き起こします。そんなわけで、荷物を背負って歩いたり、長時間の歩行には綿の靴下の着用は薦められません。足への当たりが柔らかで、ウィックドライ性(汗を吸い出す能力)の高いウールやアクリル系の靴下を履けば、そういったトラブルの大半は未然に防げるのです。高いシューズを買っても、靴下に気を使わなければ、せっかくのシューズの高機能も無駄になってしまうのです。
●追記
 ぼくは、春から秋の無雪期には、オーロンやウィックロンといったアクリル系繊維素材のやや厚手の靴下を一枚、積雪期には、これにウールの靴下を組み合わせて履きます。足のトラブルの一番の原因は、蒸れですから、ウィックドライ性のあるこの組み合わせでかなり防ぐことができます(もちろん、大休止するような場合は、靴も靴下も脱いで素足を空気にさらしたりしますけど)。一点、不満があるのは、ぼくの場合、歩くときに足の親指に力が入る癖があって、綿に比べると繊維強度の弱いアクリル系の靴下だとその部分がすぐに磨耗してしまうことです。ウィックロン素材などでは、吸汗性を良くするために、パイル状に起毛されているのですが、これが引っかかりやすく、指先の部分からすぐに擦り減ってしまいます。ウールのファブリックだと耐久性はありますが、当たりがゴワゴワして痛いのが難点です。

before
next

step4