[ペーパー]

 手拭き、食器拭き、台布巾、それに焚き火のスターターと、いろいろに応用!? できるのがトイレットペーパーです。少しでも軽量化するために、芯を抜いて、中から必要なだけをひっぱり出して使えるようにしています。キャンプでは、これを濡れないようにビニール袋に入れてテントの傍らに置いておきます。

[洗剤]

 たとえ水道設備のあるキャンプ場でも、排水は結局環境にそのまま垂れ流されるのがほとんどなので洗剤の使用はあまりお薦めできませんが、それでも油汚れなどは水洗いでペーパーで拭いただけでは不快ですね。それが我慢できずにどうしても洗剤が使いたいという向きは、環境への影響が少ない生分解性の洗剤を使用することをお勧めします。
●追記
 個人的には、フィールドで洗剤を使うことはほとんどありません。砂利や落ち葉でぬぐうなど、洗い方さえ工夫すれば(詳しくはstep7の『後始末』の項を参照してください)、油汚れの不快なぬめりなども、洗剤を使わずにかなり落とすこができます。

[サングラス、日焼け止め、リップクリーム]

 曇りの日でも、けっこう陽射しは強いもの。油断していると、陽に焼けて、くちびるはカサカサなんてことに。とくに夏の海岸や雪の中では、スキンケアと目の保護は大切です。
●追記
 目の色素が何故か少ないぼくは、ことのほか日差しに弱いので、サングラスは必需品です。ずっとレイバンのアウトドアズマンにアンバーマチックレンズの組み合わせを愛用していましたが、顔がむくんだのか、サイズが合わなくなったので、今は、同じレイバンのセルフレームに、オーソドックスなG15レンズの組みあわせを使っています。巷では、ゴーグルタイプのスポーツグラスが人気ですが、哀しいかな、顔の大きなぼくに合うものが、なかなかみつかりません。

[エマージェンシーグッズ]

 日本では人跡未到の荒野といったフィールドはあまりありませんが、それでも、何かあれば救急車がすぐに駆けつけてくれたり、足りないものはお金を出せばすぐ購入できる都市生活とは違って、非常事態にはすべて自分で対処しなければなりません。非常事態に備えてエマージェンシー用グッズを常備しておくのも、フィールドへ出る場合の鉄則です。
 断熱防水の極薄アルミ蒸着シート『エマージェンシーブランケット』は、レスキューの現場でよく使われています。表が金色、裏が銀色のこのシートは、体温を反射するので、これに身を包めば、まさにブランケット変わりになります。また、遮光性があるので、炎天下に陰を作って休息するにも有効です。光を反射して目立つので、捜索隊へのアピールにもなります。大きめのマッチ箱程度の大きさに畳んであり、軽量なので、ザックに入れても邪魔になりません。
 他に、非常用の装備として持っているといいものとしては、ホイッスルやエマージェンシーミラー(光を反射して自分の位置を知らせるもの)、ストロボライト(夜間に点滅して自分の位置を知らせるもの)、連絡先や血液型などパーソナルデータのメモを小さな防水ケースに入れたネックレスなどがあります。
●追記
 最近、アメリカでは、携帯電話によるレスキューの要請が増えているそうです。「これさえあれば大丈夫」という安心感からか、安易にウィルダネスに入りこみ、さほどシリアスでない場面でも気軽にレスキューに電話する。そのせいで、レスキューがほんとうに必要なシリアスなケースで人手が足らないといったことも起こっているそうです。ハイテク用品はたしかに便利ですが、それに頼りすぎると、せっかく自然を味わいたくてフィールドに出たのに、気分は都市生活のままといった矛盾が生じてしまうでしょうね。

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