[雨の日の撤収]

 キャンプでいちばん憂鬱なのは、やっぱり雨の日の撤収ですね。
 晴れるまで停滞をきめこみ、シュラフに包まって読書三昧なんて余裕があればいちばんいいのですが、今時、学生諸君だって何かと予定が詰まっていてキャンプ地に張り付いているなんてままならないもの。
 雨の中で撤収しなければならないとき、心にとめておかねばならないのは、装備をなるべく濡らさないことです。濡らせば濡らしただけ後のメンテナンスがたいへんになります。
 ポイントは、テントの内部で装備のほとんどをパッキングしてしまうこと。最終的に、テントを畳めばいいというところまでテント内で準備してしまうわけです。
 パッキングが終わったら、雨具を着て、シューズを履き、雨の降る外へ。
 そして、ザックをなるべく雨のかからない岩陰などに置きます。このとき、必ずザックの本体側を上にすること。亀をひっくり返したようにハーネス側を上に向けると、こちら側は防水処理が施されていないので、背負ったときに背中に濡れたコケを当てたような不快感を味わう羽目になります。
 フライシートは防水処理されているので、後でバサバサと水を払えばいいのですが、問題はテント本体。テント内を濡らすととくに面倒なので、ゲートやベンチレーターをしっかり閉じてから作業を行います。本来は、テントを畳むときはゲートを閉じていると中の空気が逃げにくく、作業し難いのですが、雨の中での撤収では、そのセオリーは無視します。テントを畳むのはとにかくスピード勝負です。このさい折り目がどうのこうのなんてことは考えず、空気をはらんで畳み難いところを無理にでも畳んで、素早く収納袋に突っ込んでしまいます。最後にフライシートの水を払って、ザックにくくりつけたら、後はさっさと尻尾を巻いて退散しましょう!

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