「サクラ大戦3外伝 巴里に巣食う怪人たちの宴」
 
 
 
 
 
 俺の名前は大神一郎。帝国海軍中尉にして、帝国華撃団花組の隊長でもある。
 そして普段は銀座の「帝国歌劇団」のもぎりをしている。

 今、巴里では欧州博覧会が催され、多くの日本人が巴里を訪れているという。
 その巴里の街を夜な夜な怪人が跋扈し、人々を恐怖に陥れていると聞く。
 それに対抗するため、巴里でも「華撃団」が設立され、俺は隊長として赴任することになっていた。

 え? その俺がどうしていま巴里にいないか、だって?

 そりゃ、あれだ。 婚約発表とか電撃とか爆発とか、いろいろあったんだよ。
 

 ・・・トホホ・・・
 


■ 1 ■



 ライラック伯爵夫人の邸宅で舞踏パーティーが催され、グリシーヌ=ブルーメールやその友人の北大路花火、その他大勢の貴族の紳士淑女がライラック邸の庭で談笑していた。

 ライラック伯爵夫人というのは、巴里華撃団の総司令にして、テアトル「シャノワール」のオーナー、グラン・マの表の顔だ。
 伯爵夫人は度々今日のようなパーティーを催しては、集まった貴族たちに昨今巴里を恐怖に陥れている切裂き魔や宝石強盗、美術館強盗など、パリ市警も手をこまねいている怪人退治のために巴里華撃団への協力を募っているのだ。
 そんなパーティーのさなか、最近巷を騒がせている切り裂き魔とおぼしき怪人が突如として現れた!
    シャッキン シャッキン シャッキン シャッキン
「ウーサッサッ! うるさい! うるさいピョン!!
 ちゃらちゃらした服を着て、騒がしいったらありゃしないピョーン!
 このシゾー様がズタズタに切り刻んでやるピョ〜ン!!」
    ジャキン! ジャキン!!
 シゾーと名乗った怪人うさぎは巨大な鋏を振りまわしてはジャンプして広い庭を跳ねまわる。
「うーさっさっ。ぴょーーん」
「ひっ!!」
 黒髪の美少女の目の前にシゾーが着地し、少女は驚きに目を見開き、恐怖のあまり失神してしまった。
「うーさっさ!」
    シャキン!
 シゾーが倒れた少女の黒いドレスを切り裂こうとしたとき、鋭い声がそれを止めた。
「待て!そこのウサギ!!花火に手を出すことはこの私が許さんぞ!!」
 グリシーヌが斧を振りかぶって突進してくる。
「ウッサッサッ! このシゾー様に歯向かうバカがいるピョン!」
「ほざけ! 成敗!!」
 斧が唸りをあげて振り下ろされた。
    ガキッ ジャキン! ギンッ
 しかし、2合3合と打ち合ったグリシーヌはシゾーの腕が自分と同等なのに驚愕していた。
「くっ、こやつなかなかやる。こうなれば刺し違えてでも・・・てぇいっ!」
    シャリーン がっ
 グリシーヌの決死の打ちこみがシゾーの鋏を打ち飛ばした。だがグリシーヌの斧も勢いよく地面に突き刺さってしまった。
「チャンスだピョン」
「しまった!」
 シゾーは隠し持っていた鋏を取り出した。
「う〜さっさ!」
 鋏をグリシーヌに向けた瞬間、
    ダダダッ ダダッ ダダッ 
 つんざく轟音と共にシゾーの背中に弾丸が撃ちこまれる。
「イタっ 痛いピョン!! だ、誰だ! 誰が撃ったぴょん!?」
「そこのウサギさん!!
 好き勝手にはさせないわよ!」
 エリカが機関銃を構えて飛びこんできた。シゾーの足元が爆ぜる。
「わ! 危ないピョン! あっちに行くピョン!」
 弾丸が当たっても痛いだけなのか、シゾーはピョンピョン跳ねながら屋敷の塀を飛び越して出ていった。
「エリカ! 助かったぞ」
「ウサギさん、逃げちゃいましたね。でも、街でも騒ぎが起こっているようですよ〜」
「うむ、ここは華撃団の出番なのだが・・・」
「あんたたち、無事かい?」
「あ、グラン・マ!」
「グラン・マ、奴を倒すには光武Fでなければ・・・」
「ああ、そのようだね。・・・グリシーヌ、あんた隊長をおやり、臨時だけどね」
「私が?隊長!?」
「トーキョーから有能な指揮官を呼んだんだけど、間に合わなかったね。
 戦闘では指揮官が必要さ。バラバラに行動しても勝てないよ」
「ふむ、わかった。
 このグリシーヌ、ブルーメール家の名誉に誓って必ずや勝利しようぞ!」
 グリシーヌが斧を胸に寄せて誓う。
「エリカ!」
「ハイ!」
「巴里華撃団、出撃だ!!」
「了解!!」

 二人は秘密基地へと向った。
 

    ・・・
 

「巴里華撃団、参上!」
 凱旋門前で暴れる蒸気獣の前に輝く機体が2体出現した。巴里華撃団の最新型霊子甲冑『光武F』だ。
「いいか、速攻でシゾーとかいうバケモノウサギを叩く!雑魚には構うな!」
「了解!!」
 グリシーヌは居並ぶ蒸気獣ポーンを無視してシゾーの正面に出た。エリカが援護射撃をして蒸気獣を牽制する。
「世間を騒がす怪人ウサギめ! 成敗っ!!」
    ザシュー
 光武Fの巨大な斧が一閃し、シゾーを真っ二つにした。
「ウ、ウッサー・・・こ、このシゾー様がただの人間にやられるとは!
 しかも蒸気獣にも乗れないなんて・・・こんなの納得できないピョーン!!」
    ちゅどぉーーんっっ!!!
 生身なのになぜか爆発して、シゾーは怪人らしい最後を遂げた。

「終わりましたね・・・」
 司令官(?)を失った敵蒸気獣はあっさり倒され、凱旋門の前に残骸を晒している。
「ああ、エリカも初戦ながらよくがんばったな」
「はい!ありがとうございます、グリシーヌさん!」
「さあ、凱旋だ!」

 意気揚揚と引き上げる二人だった。
 

   ・・・
 

 ライラック伯爵邸の屋根の上に、シゾーが倒されるさまを眺める怪しい2つの影があった。
「巴里華撃団か・・・人間にしては、なかなかやるではないか。まあ、このレオン様の敵ではないがな」
「それよりも、感じませぬか、悲哀に満ちた心を! 見えませぬか、心に秘められし闇が!」
 一方の影が庭で倒れている花火を指差す。
「ついに、ついに見つけましたぞ! あの黒衣の乙女こそ、我が捜し求めていた君!!」
 人の心を操る力を持つコルボーが花火の心の傷を引っ張り出す。
「あぁ、なんと美しいのだ・・・これこそ我の求めていた闇!
 珠玉のごとき、我が君よ!!」
「所詮は人間の娘。真の貴族たるこの私以外、貴族など存在せぬ!
 コルボーよ。あの娘はお前の好きにしろ。
 そして貴族を僭称する輩どもは、このレオン様が死よりも恐ろしき屈辱にまみれさせてやろう!」
「では、私めはかの姫にご挨拶をば・・・」
 屋根の上から相次いで黒い影が消えた。
 

   ・・・
 

「マドモワゼル? お怪我はありませんか?」
 ライラック邸の庭では、目の前にバケモノウサギが現れたショックで気を失った花火を介抱する青年貴族の姿があった。
「う・・・うぅ・・・わたし・・・あ、ありがとうございま・・・」
 ようやく正気を取りもどし、見上げた花火の顔が驚愕で制止した。唇がわななく。
「あ・・・あぁ・・・フィ、フィリップ!!」
 擦れた声で最愛の男の名を呼ぶ。目の前の青年が1年前死に別れた婚約者のフィリップそっくりだったから。
「マドモワゼル? 失礼ながら、私はフィリップではありませんが?
 バロン・ド・コルボーと申すもの」
「あ! ご、ごめんなさい。コルボー男爵さま?
 わたくしは北小路花火と申します」
「花火殿か、良い名だ・・・ それで、立ちあがれますかな? マドモワゼル」
「あ、それが・・・」
「立てませぬか・・ では、失礼ながら」
「あっ!」
 コルボーは花火を軽々と抱き上げた。
「・・・あ・・・ぽっ」
 男性に抱きあげられる恥ずかしさに頬を染める花火。それを見咎めて、
「花火殿、このようにされるのはお嫌でしたか!?」
「あ、いえ、そのようなことは。運んでいただいて感謝いたします」
「おお、それは何より。美しい姫のご機嫌を損なったかと心配致しましたぞ」
「ぽっ・・・姫だなんて・・・」
 ますます恥じ入って真っ赤になる花火だった。
「お客様、こちらでお休みください」
 屋敷のメイドが応接室に案内してくれた。気を利かせてか、他の客のいない部屋だ。
 コルボーが花火をソファーに下ろして。
「では、ここで少し休まれよ。何か飲み物を持ってこさせましょう。ワインでよろしいですかな?」
「あの、でしたらオレンジソーダを・・・ お酒はあまり・・・」
「わかりました、マドモワゼル」
 コルボーが退席し、ソーダとカクテルを持ってきた。
「さきほどのウサギのバケモノは巴里華撃団とかいう『正義の味方』に倒されたそうです。外ではその話で持ち切りですよ」
「そうですか、ほっとしました」
 胸を撫で下ろす花火にソーダが手渡される。
「では・・・」
 自分もグラスを掲げ、
「巴里の平和と、美しき姫との出会いに」
   チン
「・・・ぽっ・・・こく、こく・・・ほぉ・・・」
 頬を染めて花火がソーダを飲み干した。
 空になったグラスを置いて、一息つくと、コルボーの双眸が怪しい光りを放った。
「あっ・・・」
 すーっと気が遠のいていって、あたりが闇に包まれていく。
「・・・・・・」
「良い夢を、マドモワゼル」
 倒れこむ花火をソファに寝かせながらささやくコルボー。
「ふふふ、そなたの美しき心の闇を、もう一度ゆっくりと見せていただきましょう」
 コルボーの姿は先ほどの怪人の姿に変わっていた。
 

    ・・・
 

「おーい、花火ぃー」
「フィリップー!」
 一人乗りのヨットでセイリングするフィリップに、岸辺で花火が手を振る。背後のビーチソファではグリシーヌが上半身ハダカで背中を焼いていた。
 フィリップが湾を一回りして戻ってきた。ヨットを繋留すると、二人のもとにやってくる。
「お帰りなさい」
「ただいま、花火」
 フィリップが軽く口付けする。
「おお、戻ったか、フィリップ。そろそろ屋敷に戻ろう」
 グリシーヌが乳房が見えるのも構わず起き上がり、フィリップに声をかけた。フィリップはグリシーヌの幼馴染で、いまさら胸が見えようがグリシーヌは気にしなかった。
 しかし、フィリップがグリシーヌの見事な双乳に見入っているのに、花火は気がついていた。
「・・・フィリップ、行きましょう!」
「あ、ああ。もうお昼の時間だね」
 親友とはいえ他の女性のハダカに恋人が見入るのは面白くない。自分のプロポーションに自信がないのでなおさらだ。
 花火は心にチクリとトゲが刺さるのを感じながら、恋人の腕を引っ張って、美貌の親友から恋人の目を引き剥がすのだった。
 花火とグリシーヌは父親同士の交友が元で出会い、そして友情を誓い親友となった。そのグリシーヌの幼馴染というフィリップを紹介されて2年が経過し、花火とフィリップは惹かれあい、そして1月前の花火の16歳の誕生日に結婚を申し込まれた。
 しかしフィリップは婚約者の花火を抱くこともなく、処女を奉げるどころか、胸を触ってすらくれない。
「君を大事にしたいんだ」
とフィリップは言うけれど、花火の16歳の心と身体は既に男性に愛される時を待ち望んでいた。

「ああ、フィリップ・・・愛してるわ・・・」
 その夜も、一人ベッドの上で身体を慰める花火。
 全裸になって乳房を揉みしだき、淫核を転がす。
「はぁ・・・気持ちいいわ、フィリップゥ・・・」
 想像の中で、花火を愛撫するのはもちろんフィリップだ。乳首をつねればフィリップがそこを甘噛みし、淫核をつまめばフィリップがそこに吸いつく。
 愛する男に処女を奉げたい一心から膣穴への直接愛撫はせず、その縁までと肉芽への愛撫で花火が高まってくる。
   (ああ、早く、私を犯して! ここにあなたの熱い精を注ぎ込んで!!)
 フィリップの熱い肉棒が、実際は花火の細い指が、どろどろの膣内に侵入した瞬間、
「あっくぅ! い、いくぅう!!」
 腰を高々と突き上げて花火が果てた。
「はぁ・・・フィリップ・・・・・・バカ・・・」
 求めて止まない男を想い、涙が頬を伝った。

 花火は火照る身体を鎮めようと、全裸にローブを羽織り、海に面したバルコニーに作られた露天風呂に向った。
 バルコニーにつながる部屋に入ると、既に誰かが入っていることに気がついた。メイドたちはこの露天風呂を使わないので、グリシーヌかフィリップだろう。
 グリシーヌなら一緒に入ればいいし、フィリップであっても『これはチャンスかも』と思う花火だった。
 露天風呂に向うと、しかし、そこには予想外のグリシーヌとフィリップの両方がいたのだ。
「!」
 思わず柱の隠れてしまった花火は、そっと二人の様子を覗き見た。
 あろうことか、二人は風呂に足だけ入れてふちに座り、互いに愛撫しあっていた!
「ああ、グリシーヌの乳房はいつ見てもすばらしいね」
「当然だ。鍛えているからな。胸筋や腹筋を鍛えればバストアップの効果もある」
 ことさら胸を揺らして見せびらかすグリシーヌ。それを掴んで揉みしだきながら先端に吸い付くフィリップ。
「しかし、フィリップも来月には花火と結婚か・・・フィリップとするのもこれが最後だな」
 グリシーヌは既にかちかちのペニスをしごき、陰嚢をさする。
「ケジメは付けないとな。これは幼馴染との戯れにすぎぬ。そして妻のいるものと、私は戯れるつもりはない」
「ああ、わかっている。けど、ほんと残念だよ・・・もうこんなこともできないのか」
 フィリップは湯から出ると、すっかり固くなったペニスを谷間に挟んだ。グリシーヌは左右から手で乳房を押しこみながら胸のペニスを擦りはじめる。
「・・・フィリップ・・・そんな・・・」
 『もうできない』とは、花火の乳房ではペニスを挟めない、ということを意味していた。それに気付いた花火の心に悲しみの闇が広がっていく。
「おお! グリシーヌ! 気持ちいいぞ!!」
「ふふふ、貴公のペニスはもうピクピクしているではないか。我慢が足らぬぞ」
「俺は大きい胸に挟まれるのが好きなんだ!」
「知っておるぞ。貴公の好きなところも、弱い所もな」
 と言って亀頭の先端を舌先で舐める。
「くはぅ」
 ペニスがまたピクリと跳ねた。
「くぅう、も、もう限界だ!このまま乳房でいっていいよな」
「勿論だ、存分に出すがいいぞ」
 いよいよ激しく乳房を動かしながら我慢汁を噴く先っぽを舐めまわす。
「はぁっ! くっ、い、いくぞっ!!」
    びゅるる!
 宙に弧を描いて飛びグリシーヌの髪を汚す精液。次のはグリシーヌの顔に飛び散った。
    びゅくっ びゅくっ
 暴れる銃から白い弾丸がグリシーヌを襲い、上半身は白濁液で覆われた。グリシーヌはそれを手で伸ばして塗り広げては、ペロリと舐めて味を確かめたりする。
「ふふふ、たっぷり出したな。見よ、身体中べたべたではないか」
「ふ、何言ってる。精液が好きなくせに。・・・ほら」
 白濁液にまみれたペニスを突き出すと、グリシーヌ竿に付いた精液を熱心に舐め取り、亀頭に吸いついた。尿道に残った精液まで吸い出し呑み下す。なおもペニスに舌を絡めて熱心に愛撫する。
 暖かく柔らかいグリシーヌの口腔愛撫にみるみる力を取り戻すペニス。
「ああ、もういいぜ。今度はグリシーヌも楽しんでくれ」
「分っていると思うが、貴公の子供など欲しくないからな、膣で出すでないぞ」
 湯からあがり、四つん這いになるグリシーヌ。その背後からフィリップが近づいていく。
「わかってるって。いつもちゃんとやってるだろ? ・・・えーと、潤滑ゼリーは・・・と、これだ」
 薬ビンがいろいろ入った箱から1つ取り出す。蓋を開け、どろりとした粘液をグリシーヌの肛門に塗り、中に指を入れて肉襞に粘液を刷り込んでいく。
「ああっ! 尻が! はぁん、気持ちよいぞ。 くっ、そ、そこ!」
 グリグリと指で菊門を犯すフィリップ。指は2本になり、それを根元まで付き入れてぐりぐりと回転させる。
「んはぁ! お尻が響くゥ!!」
 グリシーヌは淫唇からよだれを垂らしてフィリップの肛門愛撫に酔いしれた。
「じゃあ、まずはこっちに・・・」
 グリシーヌの尻穴を指で広げながら、フィリップは濡れた花弁に肉棒を押し当てた。
    ぷちゅぴっ くちゅっ
「んっ!ふぅう! んん・・・んあぁぁ・・・」
 フィリップがグリシーヌの女を貫いた。熱くどろどろに蕩けた淫肉は一突きで根元までフィリップを受け入れて、そして全体を締めつけた。
「くっ ふぁあ、いい締め付けだよ、グリシーヌのナカは最高だ・・・」
「ああ、そんな・・・フィリップ・・・」
 自分を愛してくれるはずの男が他の女を犯して悦んでいる。花火の双眸から悲しい涙が溢れる。
 深い闇が心を覆うと同時に子宮が疼くような官能を感じ、花火の指は知らずに股間へと伸びていた。
    (ああ、フィリップ! グリシーヌじゃなく、わたしのココを犯して!!)
 花火は暖かい男の身体ではなく冷たい大理石の柱に身を預けながら、指を膣内に挿し入れ、男を求めてわななく肉襞を掻き回すのだった。

 グリシーヌの胎内を楽しみながらも、尻穴愛撫は続けられ、十分ほぐれたと思ったフィリップは指とペニスを引き抜いた。
「んあっ! はぁあ・・・」
 快感が中断して、グリシーヌのめくれあがった菊門と花弁を広げた蜜壷がひくひくして男を求めた。
    ごくり
 いやらしい光景に生唾を呑みこんで、フィリップはゼリーまみれの菊門に愛液まみれのペニスを押し当てた。
「・・・あ、ん・・・はあぁ・・・」
 息を吐いて力が抜けた肛門がペニスを受け入れる。肉の輪が広がっていき、のるりと亀頭を呑みこんだ。
「んはぁっ」
 亀頭が入ってしまえば、あとは潤滑ゼリーのぬめりにずぶずぶと腸内にめり込んでいく。
「お、ん、相変わらずすごい締め付けだ」
 根元までを押し込んだフィリップは腰を引いて亀頭のエラが肛門の内側で止まるまで引き出し、また押し込んでいく。
「おおっ おおっ フィリップ!」
 ごりごりと腸内を攻められる快感に、グリシーヌは淫核を尖らせ、膣穴から愛液を噴いて善がり狂った。
「ああ、グリシーヌ! ああ!あああ!」
「お尻が! ああ! キモチイイ! ふわぁ!
 ああっ、いくぅ! お尻でいっちゃうぅ!!」
「くぅう!! 締まる! 締まるよグリシーヌっ!!
 くあぁっっ 出る! でるぞ!!」
 長いストロークで激しく親友の尻を犯す恋人の姿を見つめるうちに、いつのまにか花火の尻穴にも指が入りこんで、恋人と同調して激しく己の菊門を犯す。だが慣れない愛撫は爪で肛門や腸壁を引っかき、指は血まみれになっている。
 心の闇が悲しみが、その痛みを自虐的な快楽にすり替え、花火は二人に相次いでエクスタシーを感じてしまっていた。
    (ああ!フィリップ! フィリップゥ!!)
 絶頂の声を懸命に噛み殺しながら果てた花火の前では、尻穴から精液を垂れ流しながらグリシーヌが汚れたペニスを清めていた。
「・・・・・・」
 二人に気付かれぬように立ちあがり、ふらふらと自分の部屋に戻っていく花火。どさっとベッドに倒れこむ。
 花火の脳裏に愛し合う二人の姿が蘇り、嗚咽を漏らして泣き出してしまった。泣きながら、疲れが襲い意識が遠のく。
「・・・夢よ・・・これはきっと悪い夢なんだわ・・・
 目が醒めれば、フィリップはきっと優しく『おはよう』って言ってお目覚めのキスをしてくれるわ。
 そう、朝になれば・・・」

「おはよう、マドモワゼル?」
 ぱっと目を開けた花火の前に、フィリップの顔が・・・近づいて・・・唇に・・・触れる!
「ん・・・(やっぱりあれは悪い夢だったのよ)・・・おはよう、フィリップ・・・」
 しかし、キスの相手はコルボーなのだ。
「ご無礼は平にご容赦を。しかし、あまりに花火殿の眠る姿が可愛らしく、我慢がなりませんでした」
「・・・え!?・・・あ、ここは・・・あの、コルボーさま、ですよね」
    (ここはライラック伯爵夫人のお屋敷だったわ)
「はい。 どうやら先ほどの怪人騒ぎでお疲れだったのでしょう」
    (そう、わたし寝てしまったのね。
     ・・・あ、やだ! 今キスをされたの? は、恥ずかしい・・・)
 真っ赤になってうつむく花火のあごにコルボーの手が添えられ、そっと上を向かせる。
「・・・あっ・・・」
 再びコルボーの顔が近づいてくる。
「麗しき黒衣の姫よ・・・」
 花火のまぶたが閉じていく。
「ん・・・あん・・・」
 唇が触れ合い、重なり、そして舌が絡み合うのにさほど時間はかからなかった。
 二人は時間も忘れて熱い口付けを交わすのだった。
「・・・んっ!・・・」
    ビクリ
と花火の身体が震えた。コルボーの右手が花火の胸に添えられていた。表面を撫でるだけのやさしい愛撫だ。
 キスをしたまま花火は目を開け、自分を見つめるコルボーに『続けて』と目で合図した。
「んふぅ・・・ん、んん」
 むにゅと乳房を揉まれ、花火は心地よい胸の痺れに感じ入っていた。左手も乳房を掴み、徐々に強さを増していく。
「んっあぁ・・・はぁあん・・・」
 快感に耐えきれず、白いノドをのけぞらせて花火は悶えた。
 求めて止まなかった『恋人にカラダを愛撫される』快感に酔いしれる花火だった。
 いつのまにかドレスの肩紐が外され、直接肌に愛撫が加えられる。興奮にぷっくりと脹らんだ乳首が摘みあげられ引っ張られる痛みが脳を痺れさせ、身体の奥が じゅん と濡れてきてしまう。
 花火をソファに横たえ、乳首を吸いながらスカートの中に手を挿し入れ、肉付きの薄い太腿をなでると、ピクリと腰が跳ねる。しかし抵抗する気配もなく、コルボーの為すがまま、スカートをめくられ左右に広げられた花火の脚の付け根に手のひらが到達した。
「くふぅ・・・はっ!あはぁん」
 純白のシルク地のパンティの底はすっかり濡れて肉に張りついていた。その中央を押しこむと、中からどぷっと熱い愛液があふれてパンティがさらに濡れていく。、パンティの底をこするうち、パンティは桃色の肉のカタチを浮かび上がらせていた。
「あ、・・・はぁ・・・コルボーさまぁ・・・」
 『欲しい』とは言い出せない花火がすがるような瞳でコルボーを見つめる。
 コルボーはニッコリと微笑んでうなづき、花火に覆い被さってもう一度口付ける。
 同時にパンティが横にずらされ、コルボーの指が花芯を愛撫する。
 胎内に入りこんだ指は肉襞を掻き回して花火に快感をもたらす。
「んはぁ・・・気持ちいい・・・(でも、指じゃなく、ホントは貴方が欲しいの)」
 本物が欲しくて花火の子宮が疼いている。しかしそれこそコルボーの望む所だった。
    (求める気持ちが大きいほど、裏切られたときの悲しみもまた
     大きくなるというもの。
     我が君よ、あの金髪の娘が現れるまで今しばらくの辛抱ですぞ)
 コルボーの企みなど思いもせず、ただコルボーの愛撫に身を任せ、花火は快楽に溺れていた。
 

 花火が夢心地でいるころ、伯爵邸の大広間では凄惨な饗宴が繰り広げられていた。
 
 

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−ルドモ−