中小企業のMOTについて

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中小企業のMOT(技術経営)

 中小製造企業は、これまで大手企業の分工場的下請体質と親企業の技術・技能指導により、もの作り事業を進めてきた。その為、自らの特別な技術・技能開発努力の必要は少なかったことが中小製造企業の一般的な特質として挙げられる。このため大手企業の言いなりになり著しい利益率の低下、あるいは大手企業からの下請脱却が出来ない現実の事業環境である。

この体質からの脱却のために、自社の現状の技術・技能を深堀して見直し、それらから派生する自社固有の技術・技能を見いだす事である。そして他との差別化をはかり、新たなユーザ、顧客(市場)の要求との接点を捜し、ニッチなユーザ、顧客(市場)に満足してもらえる技術・技能を生かし、それによる製品、サービスを確立する。

そしてこのことにより中小製造企業としての販売営業の方法も吟味、確立し事業を進める事である。これがとりもなおさず技術経営(MOT)を進めることである。

中小製造企業の特徴は、ニッチ市場へのすばやい展開、スピードに富んでいることが挙げられる。これは社長が技術者であればさらに加速されるであろうことがいえる。また組織もフラットであり、世の中の動きにも敏感になり得る。このように中小製造企業は技術経営(MOT)に必要な開発事業化のステージの必要条件を備えていると言える。

但し一番大事なニッチ市場への販売営業展開は全社一丸となって知恵を絞ってアクティブに繰り返し、繰り返し行い、ユーザ、顧客からのインパクトをしっかり受け止め、次の展開へ突き進むプロセスと強固な精神力が必要である。


MOT技術戦略と事業戦略の具体例