職場のタバコの煙で困っています

先生のページを、いつも参考にさせて頂いています。

 受動喫煙について教えてください。
31才の主婦です。今、妊娠9週目です。結婚5年目に、やっと恵まれました。
私も主人も喫煙しません。ただ、私の職場の喫煙環境が非常に悪く、妊娠初期の喫煙がもっとも深刻な影響があると聞いていたので、妊娠する前から万一の時のためにハンカチで口や鼻を覆ってできるだけ、煙草の煙を吸わないように努めていました。
 その一方で、喫煙環境の改善を上司に訴えていましたが、全く配慮してはもらえず、 禁煙タイムも有名無実と化しています。
 どうやら4月から禁煙の体制がとられるという噂なのですが、それまでの期間、受動喫煙が胎児にどのくらいの影響を及ぼすのか、心配でなりません。一日中オフィスにいると、帰社するころには喉が痛くなるほどの環境です。
8週めの終わりから、煙草の煙で気分が悪くなるようになりました。ただ私の都合で、まだ妊娠していることを会社側に伝えることができません。自分で防衛するしかないのです。
 産婦人科で「職場の喫煙がひどい」と相談したところ、「マスクをすればある程度は防げる」と教えて頂きましたが、マスクでは煙のにおいが鼻につき、タオルやハンカチで鼻を覆ったほうが効果があるように思われます。
 受動喫煙がどれほど胎児に影響があるのか、また、何か有効な方法はないのか教えてください。お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

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<まゆみ先生のアドバイス>
取り急ぎ要点のみご連絡いたします。
あなたが勤める会社の規模が分かりませんが、法律的には労働安全法等に明記されており、職場の労働環境は、ある一定の基準で空気がきれいでなくてはなりません。一人でも不快を訴える労働者がいる限り、事業主は喫煙場所をもうけるなど対策をとる必要があるとされております。
 特に妊婦の場合、権利の主張がしやすいと思うのですが、妊娠中であることを隠していなければならないのでは、一般論で要求するしかありませんね。その場合緊急性が理解されにくいので、時間をかけて改善していくということになってしまうと思いますが、4月からの禁煙対策は、空間分煙等の徹底したものにしてもらわなくてはなりません。
 中央労働災害防止協会(TEL03-3452-6841)から職場における喫煙対策推進マニュアルなどの資料が、購入できますのでごらんになって下さい。

 一般のマスクはあまり役に立ちません。対策としては出来るだけ喫煙者と同じ空間にいないこと、いなければならない時には、空気清浄機を設置してある部屋で、しかも頻回に窓を開けたり換気扇をまわすなどで、空気を入れ換える努力をすること、でしょうか。
 いろいろご事情もおありのようですが、妊娠中であることを告げて、執務室では吸わないようにしてもらうのが一番と思います。
 こういう状況では、受動喫煙の胎児への影響を云々しても仕方のないことでしょう。そういうことで悩むより一刻も早く状況を改善する方法を実行した方がいいと思います。うまく行くように祈っております。

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<まゆみ先生へ>
 先日、お忙しい中、受動喫煙が胎児に与える影響についてお答えいただき、ありがとうございました。
 実は昨年の5月ごろ転勤して、今の部署に配属になりました。
 その時から喫煙環境を改善して欲しいと訴え続けたのですが、こういうことは「煙草の煙が嫌い」だというレベルでしか見てもらえず、また人間関係上、喫煙者に強く訴えることもできず、ずっと我慢してきました。
 妊娠がわかり、子供のために何とかしなければと焦っていたところ、先生のHPにめぐり合いました。「喫煙対策のためのガイドライン」の存在を知り、資料を取り寄せて再度、上司にアピールし、なんとかやっと形骸化していた「禁煙タイム」を守るようにしようと注意していただける迄にたどり着きました。
 また、会社の担当部署にもガイドラインを紹介し、喫煙環境の改善をなんとかしてほしい社員がいるということと、喫煙環境の整備は事業主の責任であるということを訴えられたと思います。
 少しづつですが改善されようといています。なき寝入りするしかないとあきらめていた私に希望を与えてくださって、本当にありがとうございました。
 年度が変わったら妊娠しているので一刻も早い処理をして欲しいと、更に訴えていこうと思います。

 今後ともいろいろと情報を提供してくださることを、期待しています。

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<まゆみ先生から一言>
 タバコが周囲の人たちの健康に有害であることが指摘され、多くの職場で空間分煙が実施されるようになってきました。それでも、いまだにこの方のように執務室内のタバコ煙でお困りの方がおられるそういう職場もあるようです。

 職場分煙は、タバコを止める気のない喫煙者・まじめに仕事をしたい非喫煙者双方にとって、いまのところ最良の方法と考えられます。労働省の指針にも示されておりますし、きれいな空気を吸いたいというのは働く者の基本的な権利です。
 職場分煙の実現を目指しましょう!

 

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