禁断症状が２４時間で現れました

　はじめまして。

　禁煙を始めてそろそろ２４時間になろうとしている、３３歳、男です。１５歳ぐらいから喫煙を始め、その後１０年ぐらいは１日１箱ぐらいで、以降は現在に至るまで、１日２箱強というヘビースモーカーです。１日２箱以上になってからは、どうもタバコに振り回されているような気がします。で、ふとしたきっかけから昨夜より生まれて初めての禁煙生活に入りました。

　今、目に霞がかかったように視界が悪く、頭もぼーっとしています。さらに、常にタバコを吸いたいという欲求にも襲われています。水やお茶でなんとか誤魔化していますが、２４時間ぐらいでこのように鋭く禁断症状に襲われるものなのですか。継続の自信が大きく揺らぎ、仕事も手につかないことから、「禁煙」をキーワードに見つけたＨＰにメールしている次第です。

禁煙による禁断症状は、２日目から３日目頃に一番強く感じることが多いのですが、ヘビースモーカーの方はニコチンの代謝が亢進しているため、身体からニコチンが消失しやすく、早い時期に症状が現れます。それでも苦しいのは、数日です。禁煙後の自由な生活と精神の解放を楽しみに、あと一日がんばろうと、やってみて下さいね。 　なるべく、水や果物を多くとり、ぼーっとする時にはさっさと寝てしまうなど、そういう意味では自分を甘やかして乗り切って下さい。すっきりしたいときにはシャワーも効きます。吸いたい欲求は時期が来ると収まりますが、それまでは吸いたくなったら、他のことをするようにしてみて下さい。５日目を迎えればだんだん楽になり、禁煙の半分は出来たようなものですから。がんばって！ またご連絡下さい。応援しています。取り急ぎお返事まで。

＜まゆみ先生へ−−−Ｋさんから＞

ご返信、応援ありがとうございます。

お蔭様で、昨夜の晩酌と、今朝の目覚めの一服の強烈な誘惑をなんとかしのいで、二日目にいたっています。なんかこう、どうも子供のようで恥ずかしいのですが、こうやって応援して頂けるメールをもらうと凄い励みになります。ありがとうございます。来週の月曜日（５日目）までなんとか頑張ろうと思ってます。その時は「まだ続いてます！」の報告をさせて下さい。

＜Ｋさんから＞

　先週の木曜日に初めてメールさせてもらった者です。

お蔭様で、５日目の朝を迎えています。３日目ぐらいから、目が霞んだり、頭がぼーっとするなどの禁断症状も殆ど無くなりました。時折来る ”吸いたい！” という気分を躱すのに少し手を焼いているぐらいで、後は ”難なく”という感じでここまで来ています。　まだ５日目ぐらいで偉そうなことは言えませんが、煙草を我慢するというより、 非喫煙の状態を楽しむ、つまり、先生も書いておられる通り、自由な生活と精神の解放を楽しむ、という気持ちでいるのが良いのかもしれません。

　あと、喫煙者を「可哀相に」という目で見るようにしていると（いやな奴！）、他人の煙草が全然うらやましくないということも発見しました。　ここまでは思った以上に順調ですが、またつらい時には相談させて下さい。（まだまだ難関が待ち構えているのでしょうか？）とりあえずお礼と、禁煙継続の報告でした。

＜まゆみ先生のアドバイス＞

　思った以上に順調とのお知らせ、嬉しく拝見いたしました。１週間、２週間、１カ月と、区切りの日にはご自分にご褒美をお考えになってお祝いするのも楽しいものです。 　煙草を我慢するというより非喫煙の状態を楽しむ、まさしく禁煙の極意ですね。喫煙者を「可哀相に」という目で見るようにしていると、他人の煙草が全然うらやましくないということ-私も禁煙指導時に、患者さんにお話しすることに致します。優越感を前面に出して、かっこいい自分を満喫して、しばらくはがんばって下さい。 　難関があるとすれば、バス代程度でどこでも１箱買えてしまうことでしょうか。困ったことですが、これは買わないと決めてしまえば、気にならなくなるようです。もらいタバコも要注意！　誘惑に負けないで！ また、ご様子お聞かせ下さい。

＜Ｋさんより＞

　一週間以上経過しましたが、お蔭様で問題なくやっております。食欲が増進した（特に朝食がおいしい）、顔色が良くなった、痰があまり出なくなった、活力を感じる、などなど、ほとんど良い事ずくめなのですが、一点だけ「どうしたのかな」と思うところがあります。睡眠についてなのですが、寝つきは以前に比べても非常にいいです。ただ、寝付いて２時間から２時間半ほどで必ず一度目が醒めるのです。それも、「ガバッ！」という感じで起き、本人の感覚でははっきり覚醒しています。そのまま出勤してしまいそうな勢いです。まだ夜中だということに気付いて再び眠りますが、その後、また２時間ほどで必ず同じように目を醒まします。

　特にそれによって睡眠不足になっているとも思わないのですが、できれば朝までゆっくり眠りたいなあ、というのと、喫煙、禁煙との因果関係を知りたい、という興味があります。

これも長年の喫煙＆禁煙による症状でしょうね？素人考えでは、今まで昼間にタバコにより不要に覚醒を強いられていた脳が弛緩（？仕事は大丈夫なのか？）できるようになり、その分、夜に覚醒しているのでは、などと考えています。本来業務でお忙しい中、それももっと大変な患者さんを抱えておられるであろう先生に、こんな呑気な質問でお時間を取らせて申し訳ありません。

禁煙にあたって、煙草、喫煙について少し調べましたところ、喫煙の害と禁煙の効果といった喫煙者本人の健康に関わる事は勿論、受動喫煙や”歩きタバコ”などの、非喫煙者への影響や社会としての取り組み、あるいはタバコメーカの責任、それらを包含した全体としての国の対応、欧米諸外国との違い、などなど、知らないことがたくさんあり驚いています。（本来一番良く知っているべき喫煙者が、こういった事に殆ど興味を示さないのは問題ですね）これから少しずつ勉強していくつもりですが、その（大袈裟に言えば）学術的興味を満たす一環として教えて頂けないでしょうか。よろしくお願いいたします。

＜まゆみ先生のアドバイス＞

　まだまだ禁煙による禁断症状が続いているようです。１ヶ月を目安にほぼ体のバランスも回復するようですので、もうしばらく様子を見てください。

　たばこは多くの社会的な問題にも関係しています。Ｋさんのような元喫煙者の方の中から，大局的にたばこ問題を考えてくれる人が増えると、煙害に悩む非喫煙者の人たちにとってだいぶ暮らしやすくなると思います。なかなか時間のかかる問題ですが、今後も意識を高くしてたばこ問題を考え続けてください。ＷＨＯや厚生省のホームページなどでも情報が提供されていますので，どうぞご利用ください。