禁煙以来,便通の調子が悪くなりました

「まゆみ先生の禁煙外来」を拝見しました。始めまして、56歳の男性です。

 約30年間喫煙を続け、平均20〜30本/日、吸ってましたが、ひょんなことから昨年4月1日から、すっぱり止め今日に至っています。びっくりするくらい簡単に止められたのですが、この弊害?それとも反動?でしょうか、禁煙以来便通の調子が悪くなりました。それまでは、毎朝快便でしたが、いまは2〜3、4日置きです。

 また、今年になってから足のがむくみが始まり、最近は足とともに手も軽いしびれが出るようになりました。医者からは、肝脂肪、尿酸、胆石・ポリープありなどと診断されていますが、いずれも足のむくみとは関係はないといわれています。現在尿酸の薬を飲用したり、胆石の再検査などしてもらっていますが、足や手のむくみ・しびれはなんら処置なされず次第に悪くなりつつあり、困っています。昨年までの健康体を考えると、現在の症状は禁煙と関係があるのではないかと、素人考えながら悩んでいます。

 煙草止められた方でこのような例がありましたでしょうか、ご教示ください。

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<まゆみ先生よりアドバイス>

 長年の喫煙の積み重ねもあり、生活習慣病の悪化など、いろいろな面にそのつけが出てきているようですね。

 禁煙によりむくみやしびれが出ることはありません。ただし、あなたの場合、喫煙歴が長いため、同年代の非喫煙者の人より、心臓などの太い血管や末梢血管に動脈硬化が強いことが疑われます。また、喫煙者の方はいろいろな生活習慣病を合併することも多いので、糖尿病(神経が痛むため,便通異常がよく認められますし、腎臓の機能が低下することもあります。)や、心臓、腎臓等の疾患がないのか気になります。尿酸の薬を服用しておられるようですが、高尿酸血症が長く続いた場合、腎臓の機能が落ちることがあります。それによりむくみが出ることもありますが、その辺のことは、主治医とご相談下さい。

 便通に関しては、禁煙で便秘になったり、下痢したりという方が時々おられます。禁煙に成功する人は、よく歩いたり、朝水を飲む、ヨーグルトを食べる、等々で対処されます。これを禁煙のせいと考えるのみで、自分で工夫をしない人では、再喫煙に走り、失敗する人が多いようです。

 --昨年までの健康体を考えると、現在の症状は禁煙と関係があるのではないかと、素人考えながら悩んでいます。--とのことですが、喫煙者の方はどうしても禁煙後体調不良が見つかると、そのように考え、また吸ってしまう理由にしたりします。それは間違いです。これまで長く吸ってきたつけがまわってきたということです。喫煙者の方は、血管年齢も5、6年(人によっては15年老化が進むこともあるそうです)は老化が進んでいることからも、56歳にもなれば、60代の体調不良が出てしまいやすいし、生活習慣病で内臓が痛んでいるときにも、ある程度高齢にならないと症状は出ないのです。たまたま昨年まではそれに気づかなかったということですので、誤解なさらないように。

 そのことを肝に銘じて、体調不良の理由を禁煙に合理化しないで、生活習慣を見直すことに気配り下さい。

 禁煙ももう少し長くなると、禁煙による体調変化のメリットにも気づくことでしょう。がんばって下さい。

 

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