禁煙後,たんが増えています

禁煙を始めて5週間が経ちました。37歳、女性です。やめたいと思いながらずるずる6年間喫煙して、最後の約4年間は完全なニコチン依存症で、1日1箱は吸っていました。でも、絶対ムリだと思っていた禁煙が続いています。まだ時々体がムズムズして吸いたくなりますが、何とか自分をごまかしています。ひとつ気になることがあるのですが、喫煙中からしばしば出ていたたん (色はほぼ透明です) が、禁煙しても止まりません。今も、ティッシュが手放せないくらいです。段々、たんに含まれるタバコの苦さのような味 (?) が薄れている気がしますが、このたんはそのうち止まるものでしょうか? それとも、お医者さんに行って診てもらうべきでしょうか? きたないトピックで恐縮ですが、ご指導、よろしくお願い致します。 −−−−−−−−−−−−−−−−−
<まゆみ先生よりアドバイス>

 やめたいと思いながらずるずる喫煙して、最後の4年間は完全なニコチン依存症だったとのこと。ご自分の状況を客観的に観察し、その上で判断し禁煙に踏み切られたようですね。きっと理知的な方なのでしょう。そんなあなたでも禁煙は絶対ムリだと思っておられたなんて...いかにニコチン依存は断ち切るのが難しいか、そして長年の喫煙習慣を断ち切るのには不安を伴うかが、よく現れていますね。 禁煙後まだ5週間ですから、吸いたい気持ちは時々現れると思います。吸いたくなったら、何とか気をそらして時間を稼いでください。2カ月経ち、3カ月も経つと、吸いたいという衝動もだんだん弱くなってきますし、吸いたいと思う間隔も、今よりずーっとあいてきますから大丈夫です。

 さてご質問の痰の件ですが、全く正常な反応ですのでご心配には及びません。気道には、粘液線毛輸送系という、お掃除機構が働いています。私たちは普段呼吸とともに、空気中のちりやほこり、細菌などを吸っているのですが、これらのゴミは薄い粘液とともに、このシステムの働きで、痰となって身体の外に出されるのです。

 タバコの煙はこのシステムの正常な働きを阻止します。すると本来でしたら無菌状態のはずの下気道(声帯より下の気道)は、不潔になりがちで細菌の繁殖などにより慢性的な炎症を起こし、汚れた痰が多くなります。夜は痰が貯まりやすいために、起床時の咳や痰が喫煙者の特徴ともなります。朝、駅に向かう道すがら、タバコにむせて痰をゼコゼコ出している喫煙者を見かけることがあるでしょう? 喫煙年数が長くなれば、このような状態は禁煙後も回復せず、冬場に特にひどく、慢性気管支炎の病名が付けられたりもします。痰の色も汚くタバコ病の一つです。

 今のあなたの状態は、粘液線毛輸送系が回復したため、これまでの気道の汚れを取るために、一時的に痰が増えている状態と思われます。だんだん落ちついてきますので、あまりご心配なさらないように。禁煙により健康を取り戻しつつある証拠とお考え下さい。また何かありましたらお便り下さい。 これからも禁煙続けて下さいね。応援しています。

<まゆみ先生へ>

 早速、心のこもった、わかりやすいご返答ありがとうございました。 お忙しいでしょうに、恐縮です。 おかげ様で、安心しました。 先生に励まされ、さらにがんばろうと思っています。 これからも、よろしくお願い致します。

  

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