筋金入りの喫煙者です。

 45歳の男性、喫煙歴25年。この間、6〜7年前に1回だけ3ヶ月間禁煙したことあり。それ以外は、風邪でのどが痛もうと声が出なくなろうと、急性蓄膿症(手術した。)になろうと、やめませんでした。何故なら、100本吸うと1本くらい本当においしいときがあるので。

 禁煙を始めて,今日で2週間を経過しようとしております。

 きっかけは、昔読んだ柳田邦男氏の厚い本「癌病棟」、医師たちの癌に対するすさまじい戦いの姿に感動したのが今でも残っていたこと。朝、歯を磨くときの嘔吐感。あちこちに灰をまき散らすスモーカーとしての自己嫌悪。家庭内で白い目で見られていること。特に子供から、「肺ガンになるから止めてね。お父さん。」といつもいつもいわれていること。これらの総合的な観点から、やめようと決意したところです。

 この間、親睦会と称する酒をたしなむ機会が2回ほどありました。まわりの喫煙者からは、なんで止めるんだとの集中砲火を浴び、陥落寸前の一歩手前までいきましたが、なんとか踏みとどまっています。

 友の会のお便りを読みますと、「苦しいのは2、3日だけ」「禁煙してよかったわ。」などの、初めから禁煙成功が当確の方々ばかりの声が載っていて、禁煙との血みどろの戦いをしている戦士の声がちっともないので、私のような「禁煙のランボー」がいないので、さみしかったです。

 さて質問ですが、この2週間を経過して、禁断症状がなくなったかといえば、とんでもない。ひごとひごとに喫煙に対する欲求がましてくるのです。肺がタールまみれになるとか、膀胱癌の発生の危険が増大するとかの理論的なことは十分に理解できるのですが、私については、あの紫煙が立ち上る光景。吸い込んだときの刺激がやっぱりすきなんです。ニコチン以外の部分の要求が出てきています。ですから、職場にいて隣の人の煙草の煙を吸うのが快感となっているのです。「ヘビースモーカーの煙がいやになった。」という方がいましたが、私の場合はその逆になっているのです。

 このような状態で、今も禁煙は続いているのですが、こんな私に救いの道がまだどこかにあるのでしょうか。

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<まゆみ先生のアドバイス>

 ご家族が禁煙に関心をお持ちのようで、応援団が多いのは心強いことですね。お酒の席での喫煙者からの集中攻撃に耐えられたのは、なかなかしっかりご自分をお持ちの方と感心いたしました。

 お便りにありました、禁煙友の会便りですが、決してはじめから禁煙が当確の方ばかりではありませんでした。私の禁煙外来でご指導いたしましたが,七転八倒の苦しみを乗り越えた方も多々おられます。友の会便りの一声欄は、入会申し込みに添えられていたものです。9割以上の方が、禁煙をすでに達成しておられましたので、やり遂げて満足されている,現在の心情を述べておられるため、思い起こせば何とかなりました、という声が多いのかもしれません。それだけ禁煙後の生活に満足しておられる,とも考えられます。禁煙後強く感じられる[吸いたい]という欲求も、一般には、時間を稼いでいるうちに、だんだん弱くなっていきます。1週間、1ヶ月、3ヶ月、半年、1年、単位でぐーっと楽になります。もう吸わないことにしたから,と,ある種のあきらめの気持ちを育てることも役に立つかもしれません。

 もし、いつまでも、強い喫煙欲求を感じる場合、医師の指導を受けた方がよいのかもしれません。このページに、以前,質問にお答えして、禁煙医師連の連絡先を記入してあります。お近くの禁煙指導医をお問い合わせになって、ニコチン補充療法をお受けになるのも、一法です。

 長年の日常にとけ込んだ、依存症を断ち切るのは、生半可なことではありません。ストレスをためないように弱音を吐きながらでも、いいと思います。あなたにあった長く続けられる方法を、是非見つけて、禁煙を達成されますよう、心よりお祈り申し上げます。

 

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